令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業
規格”を“日本産業規格”に改めた。
日本産業規格
JIS
L 2701-1992
麻ロープ
Manila and sisal fibre ropes
1. 適用範囲 この規格は,主に船舶,漁業,荷役,鉄道,鉱山及び一般陸上に用いるマニラロープ及び
サイザルロープ(以下,麻ロープという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 1425 さらし粉及び高度さらし粉
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8102 エタノール (95) [エチルアルコール (95)](試薬)
JIS K 8593 石油エーテル(試薬)
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 種類 用途及び品質によって,表1のとおりに区分する。
表1 種類
種類
用途
1類
マニラロープ 1種
マニラロープ 2種
サイザルロープ
船舶用
2類
マニラロープ 1種
マニラロープ 2種
サイザルロープ
漁業用
その他
3. 品質
3.1
線密度及び質量 麻ロープの線密度及び質量は,付表1-1,付表1-2又は付表2のとおりとし,その
許容差は±5%とする。
3.2
長さ 麻ロープ1条の長さは,特に指定されない限り200mとし,指定された場合は,それによる。
ただし,許容差は,マイナスを認めない。
なお,1類については1条ごとに,2類については特に指定された場合に限り,引張強さ試験(切断試験)
に必要な余尺を付けるものとする。
3.3
引張強さ 引張強さ(切断荷重)は5.7によって試験したとき,付表1-1,付表1-2又は付表2に示
す値以上でなければならない。
4. 原料及び加工方法
2
L 2701-1992
4.1
原料 麻ロープは,それぞれ類似繊維を含まないマニラ麻 (Musa texilis) 又はサイザル麻 (Agave
sisalance) を原料としてよく混合し,麻ロープの全長を通じて均等であるように加工しなければならない。
4.2
油脂分 麻ロープの製造に使用する油脂分は,製品の質量に対し,7〜15%でなければならない。
4.3
打ち方 麻ロープの打ち方は,次のとおりとする。
(1) 麻ロープは,特に指定されない限り三つ打ちとし,ストランドのヤーン数は,付表1-1又は付表1-2
に定める数以上でなければならない。
(2) 四つ打ち麻ロープのストランドのヤーン数は,付表2に定める数以上でなければならない。
(3) 麻ロープのより方向は,特に指定されない限りZより(左より)とする。
(4) 麻ロープにおけるストランドのリード(1)は,麻ロープの呼称太さ(2)が12mm以下のものにあっては,
呼称太さの3.4倍以下,また,麻ロープの呼称太さが12mmを超えるものにあっては,呼称太さの3.2
倍以下でなければならない。
注(1) リードとは,ストランドの1回のよりてい(程)をいう。
(2) 麻ロープの呼称太さとは,麻ロープの直径を呼称するものであって,直径寸法そのものは規格
値としない。
5. 試験方法
5.1
試験室の状態 試験室の状態は,温度,湿度及び許容差が20±2℃・(65±2)%とする。ただし,試験
室が上記の状態に保たれない場合は,試験時の温湿度を試験成績表などに付記する。
5.2
試料の準備 各条の一端から5.7の試験に必要な長さの試験片を切り採り,これを5.1の試験室に放
置し,1時間以上の間隔で質量を量り,その前後の質量差が後の質量の0.3%以内となったとき,これを試
料の質量 (m) (kg) とし,この試料を試験に供する。
5.3
質量 5.1の試験室において,1条ごとに質量 (kg) を量る。
5.4
長さ 5.3の方法によって質量を量った後,試料の両端を手で引っ張り,これを平面上に置き,その
長さ (l1) を測った後,その中央部分に30cm又は50cmの間隔で二つのマークを付け,その間の長さ (d1) を
測る。
次に,この試料を定速緊張型引張試験機にかけ,荷重を徐々に増加し,荷重が付表1-1,付表1-2又は付
表2に定める初荷重に達したときに荷重の増加を中断し,先に試料の中央部分に付けた二つのマーク間の
長さ (d2) を測る。
試料の長さ (l) は,次の式によって算出する。
l=l1×
ここに,
d
2
d
1
l: 試料の長さ (m)
l1: 初荷重をかける前の試料の長さ (m)
d1: 試料の中央部分に付けた二つのマーク間の,初荷重をかける
前の長さ (cm)
d2: 試料の中央部分に付けた二つのマーク間の,初荷重をかけた
後の長さ (cm)
また,麻ロープ1条の長さ (L) は,次の式によって算出する。
M
L=l×m
ここに,
L: 1条の長さ (m)
3
L 2701-1992
M: 1条の質量 (kg)
m: 試料の質量 (kg)
5.5
線密度 線密度 (d) は,5.2で得た試料の質量 (m) と試料の長さ (l) から,次の式によって算出す
る。
d=lm×103
ここに,
5.6
d: 線密度 (g/m)
リード 5.4の方法によって長さ (d2) を測ると同時に,ストランドの1回のよりていを3か所にお
いてmm単位で測り,その平均値とする。
5.7
引張強さ 5.6の方法によってリードを測った後,再び荷重を徐々に,かつ連続的に増加して,ロー
プを切断する。試験機の引張速度は,その麻ロープの規定引張強さの約50%までは300mm/min以内とし,
それ以上は150mm/min以内とする。このときの最大荷重を引張強さとする。
なお,試料の有効長(3)は,麻ロープの呼称太さの40倍以上とする。ただし,その長さが1.8mを超える
ものについては,1.8mとすることができる。
注(3) ここにいう有効長とは,試験機の両つかみ間の内側で測った長さをいう。
5.8
油脂分 試験片約10gを採り,これを量り,ソックスレー抽出装置に入れ,JIS K 8593に規定する
石油エーテルで約1時間抽出する。
次に,あらかじめ量っておいたフラスコの中で,石油エーテルを油脂分から蒸発させ,その残留物を約
60℃の温度で約1時間乾燥し,その質量 (g) を量り,次の式によって油脂分の含有量を算出する。この試
験を3回行い,その平均値を小数点以下1けたまで求める。
油脂分 (%) =Ww×100
ここに,
5.9
5.9.1
w: 石油エーテルを蒸発させた残留物の質量 (g)
W: 試験片の質量 (g)
原料の鑑別方法
試験片の調製 試験ロープをほぐし1本のストランドを選び,これから約10cmを切り取る。
さらに,これをほぐして,よく繊維を混合した後,約1gを採り,石油エーテル又はエタノールで十分に
油脂分を除いて試験片とする。
5.9.2
マニラ麻とサイザル麻との鑑別 水500mlに対し,JIS K 1425に規定するさらし粉を約20gの割合
で加えてよく溶かし,その上澄み液を採り,これに酢酸数滴を加えてよくかき混ぜ,青リトマス試験紙が
赤変する程度に調製した液に,5.9.1の試験片を約20秒間浸す。
次に,これを引き上げて水洗し,十分に水を切ってJIS K 8102に規定するエタノールに浸した後,取り
出して,JIS K 8085に規定するアンモニア水の上にかざす。この結果,試験片が,マニラ麻のときは褐色
になり,サイザル麻のときは鮮紅色になるので,これによって鑑別する。
6. 検査 検査は,合理的な抜取方法によって試料を採取し,5.によって試験を行い,3.及び4.の規定に適
合した場合は,そのロットを合格とする。
7. 表示 製品又は包装には,適切な方法で,次の事項を表示しなければならない。
(1) 種類(2.に規定する種類)
(2) 呼称太さ
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L 2701-1992
(3) 長さ
(4) 質量
(5) 製造番号
(6) 製造業者名
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L 2701-1992
付表1-1 三つ打ち麻ロープ
呼称太さ
各ストラ
初荷重
線密度
1類
質量
ンドのヤ
ーン数
引張強さkN {tf}
マニラロープ 1種
(200mに付きkg)
マニラロープ 2種
サイザルロープ
備考1. 初荷重の許容差は,±5%とする。
2. 4〜120mmの呼称太さの麻ロープのうち,付表に示していないものの各ストランドのヤーン数などは,付表中
の近似の呼称太さのものから比例配分で算出する。
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L 2701-1992
付表1-2 三つ打ち麻ロープ
呼称太さ
各ストラ
初荷重
線密度
ンドのヤ
2類
質量
引張強さ
ーン数
マニラロープ 1種
(200mに付きkg)
マニラロープ 2種
サイザルロープ
備考1. 初荷重の許容差は,±5%とする。
2. 4〜100mmの呼称太さの麻ロープのうち,付表に示していないものの各ストランドのヤーン数などは,付表
中の近似の呼称太さのものから比例配分で算出する。
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L 2701-1992
付表2 四つ打ち麻ロープ
呼称太さ
各ストラ
初荷重
線密度
質量
引張強さ
ンドのヤ
ーン数
マニラロープ 1種
(200mに付きkg)
マニラロープ 2種
サイザルロープ
備考1. 初荷重の許容差は,±5%とする。
2. 10〜100mmの呼称太さの麻ロープのうち,付表に示していないものの各ストランドのヤーン数などは,付表
中の近似の呼称太さのものから比例配分で算出する。
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L 2701-1992
参考
この参考は,本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
ロープの直径の測り方 試料を定速緊張型引張試験機にかけ,荷重を徐々に増加し,荷重が三つ打ち麻
ロープについては付表1-1又は付表1-2,四つ打ち麻ロープについては付表2の初荷重に達したときに荷重
の増加を中断する。
次いで,参考図1のとおり,ノギスをできるだけ多くのストランドの頂点に接するように当ててmm単
位で測る。
本体の5.4の方法によって長さ (d2) を測ると同時に直径を測るとよい。
参考図1 ロープの直径の測り方