2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
R 1669:2014
目
次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 基本特性························································································································· 2
5 窒化けい素材の等級分類 ···································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 密度 ···························································································································· 3
6.2 弾性率 ························································································································· 3
6.3 ポアソン比 ··················································································································· 3
6.4 熱膨張率 ······················································································································ 3
6.5 曲げ強さ ······················································································································ 3
6.6 ビッカース硬さ ············································································································· 3
6.7 破壊じん(靭)性(KI, IFR) ····························································································· 3
6.8 微細組織 ······················································································································ 3
7 報告······························································································································· 4
附属書A(規定)転がり軸受球用窒化けい素材等級分類基準························································· 5
附属書JA(規定)破壊じん(靭)性(KI, IFR)の計算式 ······························································· 6
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
R 1669:2014
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
ファインセラミックス協会(JFCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して
日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した
日本工業規格である。
これによって,JIS R 1669:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(2)
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日本工業規格
JIS
R 1669:2014
ファインセラミックス−転がり軸受球用
窒化けい素材の基本特性及び等級分類
Fine ceramics-Fundamental characteristics and classification of silicon
nitride materials for rolling bearing balls
序文
この規格は,2009年に第1版として発行されたISO 26602を基に,技術的内容を一部変更して作成した
日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格の内容を変更している事項である。変
更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,転がり軸受球に使用する窒化けい素を主成分とする焼結材(以下,窒化けい素材という。)
の基本特性及び等級分類について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 26602:2009,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Silicon nitride
materials for rolling bearing balls(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
注記 対応国際規格:ISO 20507,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−
Vocabulary(MOD)
JIS R 1601 ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法
注記 対応国際規格:ISO 14704,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Test
method for flexural strength of monolithic ceramics at room temperature(MOD)
JIS R 1602 ファインセラミックスの弾性率試験方法
JIS R 1610 ファインセラミックスの硬さ試験方法
注記 対応国際規格:ISO 14705,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Test
method for hardness of monolithic ceramics at room temperature(MOD)
JIS R 1618 ファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定方法
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2
R 1669:2014
JIS R 1625 ファインセラミックスの強さデータのワイブル統計解析法
注記 対応国際規格:ISO 20501,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−
Weibull statistics for strength data(MOD)
JIS R 1634 ファインセラミックスの焼結体密度・開気孔率の測定方法
ISO 14627,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Test method for fracture
resistance of silicon nitride materials for rolling bearing balls at room temperature by indentation fracture
(IF) method
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600によるほか,次による。
3.1
破壊じん(靭)性(KI, IFR)
IF法による破壊じん(靭)性。IF法による破壊抵抗(fracture resistance)ともいう。
3.2
材料等級分類基準(material class)
転がり軸受球用窒化けい素材を特性水準によって分類するための基準。
3.3
素球(preprocessed ball)
面仕上げが行われる前の球形素材。
3.4(material lot)
材料ロット
同一窒化けい素原料,同一の製造方法によって製造されたロット。
3.5(inclusion)
介在物
窒化けい素以外の物質。
4
基本特性
窒化けい素材は,6.1〜6.4の試験を行い,その基本特性は表1による。
表1−基本特性
項目
5
基本特性
試験箇条
密度(g/cm3)
弾性率(GPa)
ポアソン比
熱膨張率(室温〜500 ℃)(×10−6 /℃)
窒化けい素材の等級分類
転がり軸受球用に使用する窒化けい素材の等級は,6.5〜6.8によって試験した結果を表A.1の窒化けい
素材等級分類基準に照らし合わせて分類する。
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R 1669:2014
6
試験方法
6.1
密度
密度の測定は,次による。
a) 供試材は,素球とする。
b) 測定方法は,JIS R 1634による。
6.2
弾性率
弾性率の試験は,次による。
a) 供試材は,素球と同一材料ロットの素材から作製する。
b) 試験方法は,JIS R 1602による。
6.3
ポアソン比
ポアソン比の試験は,次による。
a) 供試材は,素球と同一材料ロットの素材から作製する。
b) 試験方法は,JIS R 1602による。
6.4
熱膨張率
熱膨張率の測定は,次による。
a) 供試材は,素球と同一材料ロットの素材から作製する。
b) 測定方法は,JIS R 1618の平均線膨張率による。
6.5
曲げ強さ
曲げ強さの試験は,次による。
a) 供試材は,素球と同一材料ロットの素材から作製する。
b) 試験方法は,JIS R 1601及びJIS R 1625によって,室温の曲げ強さの平均値とワイブル係数を求める。
曲げ方式は,3点曲げ方式又は4点曲げ方式のいずれかでもよい。
6.6
ビッカース硬さ
ビッカース硬さの試験は,次による。
a) 供試材は,素球を用い,その断面研磨面を被検面とする。
b) 試験方法は,JIS R 1610の4.(ビッカース硬さ試験方法)によって,平均値を求める。ただし,試験
力は,196.1 Nとすることが望ましいが,試料の寸法を考慮して98.07 N又は49.03 Nを用いてもよい。
6.7
破壊じん(靭)性(KI, IFR)
破壊じん(靭)性(KI, IFR)の試験は,次による。
a) 供試材は,素球を用い,その断面研磨面を被検面とする。
b) 試験方法は,ISO 14627又はこれと同等の試験方法によって,圧痕の対角線長さ及びき裂長さを測定
し,附属書JAに示す計算式によって,破壊じん(靭)性(KI, IFR)を求める。
6.8
微細組織
微細組織の測定は,次による。
a) 供試材は,素球を用い,その断面研磨面を被検面とする。その採り方,数などは,受渡当事者間の協
定による。
b) 測定には,100倍〜200倍の光学顕微鏡を使用し,気孔寸法,介在物数及び介在物寸法を測定する。
なお,気孔寸法及び介在物寸法は,被検面における最大寸法として測定する。
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R 1669:2014
7
報告
試験の結果は,次の各項目について報告する。
a) 材料ロット番号
b) 試験年月日
c) 試験結果
1) 密度
2) 弾性率
3) ポアソン比
4) 熱膨張率
5) 曲げ強さ(試験条件,平均値及びワイブル係数)
6) ビッカース硬さ(試験条件及び平均値)
7) 破壊じん(靭)性(KI, IFR)(試験条件及び平均値)
8) 微細組織(気孔寸法,介在物数及び介在物寸法)
d) 等級分類
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R 1669:2014
附属書A
(規定)
転がり軸受球用窒化けい素材等級分類基準
A.1
等級分類基準
等級分類基準は,表A.1による。
表A.1−等級分類基準
判定基準
1. 曲げ強さ(MPa)a)
a) 4点曲げ
・強さ(平均値):スパン40 mm
:スパン30 mm
・ワイブル係数
b) 3点曲げ
・強さ(平均値):スパン40 mm
:スパン30 mm
・ワイブル係数
等級1
等級2
等級3
最小 760
最小 800
最小 12
最小 660
最小 700
最小 9
最小 480
最小 530
最小 7
最小 894
最小 915
最小 12
最小 798
最小 817
最小 9
最小 595
最小 629
最小 7
最小 14.2
最小 13.3
最小 12.7
最小 6.0
最小 5.0
最小 5.0
最大10
最大10
最大25
2. ビッカース硬さ(平均値)(GPa)b)
3. 破壊じん(靭)性(KI, IFR)(平均値)(MPa・m0.5)
4. 微細組織
a) 気孔寸法(μm)
b) 介在物含有量(個数/cm2)
200以上
100以上 200未満
1以下
50以上 100未満
4以下
25以上
50未満
注a) 曲げ強さについては,ここに示すいずれかの方法で判定する。
最大寸法(μm)
1以下
2以下
8以下
1以下
2以下
4以下
16以下
b) 試験力は,196.1 Nを推奨するが,試料の寸法を考慮して,98.07 N又は49.03 Nを用いてもよい。
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附属書JA
(規定)
破壊じん(靭)性(KI, IFR)の計算式
JA.1 計算式
JA.1.1 圧痕それぞれの2a及び2cの計算
2a=(2a1+2a2)/2及び2c=(2c1+2c2)/2 ················································· (1)
JA.1.2 破壊じん(靭)性(KI, IFR)の計算
Niihara等の式(2)による。
KI, IFR=2.64(E0.4)(P0.6)(a0.8/c1.5) ························································· (2)
KI, IFR: 破壊じん(靭)性(MPa・m0.5)
E: 弾性率(GPa)
P: 試験力(N)
a: 圧痕の対角線長さの平均の半分(μm)
c: き裂長さの平均の半分(μm)
注記 圧痕の対角線長さ及び附随するき裂長さの測定は,図JA.1を参照。
2a1,2a2 圧痕の対角線長さ
2c1,2c2 き裂長さ
図JA.1−ビッカース圧痕の対角線長さ及びき裂長さ
参考文献 K. Niihara, R. Morena, D.P. H. Hasselman; "Evaluation of KIc of brittle solids by the indentation method
with low crack-to-indent ratios", Journal of Materials Science Letters 1 (1982) 13-16
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附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS R 1669:2014 ファインセラミックス−転がり軸受球用窒化けい素材の基本特性
及び等級分類
(I)JISの規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条ごと
の評価
一致
箇条番号
及び題名
1 適用範
囲
内容
転がり軸受球に使用
する窒化けい素を主
成分とする焼結材の
基本特性及び等級分
類
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
箇条番号
内容
技術的差異の内容
2 引用規
格
3 用語及
び定義
JISとほぼ同じ
変更
JISとほぼ同じ
変更
密度,弾性率,ポアソ
ン比,熱膨張率の基本
特性
5 窒化け
い素材等
級分類法
6 試験方
法
6.1 密度
表A.1に照合
密度の測定
SEPB法による破壊じん(靭)性
は使用しないため,不要。
ISO規格では密度測定をISO
18754によるが,JISではJIS R
1634による。
JISによる測定で対応可。
一致
JISとほぼ同じ
変更
国内には熱膨張率3.2×10−6 /℃以
上の材料が実際にはない。また,
最大を3.7×10−6 /℃として範囲を
広げると,これまでの範囲を根拠
とした設計変更が必要になる。
4 基本特
性
ISO規格にはSEPB法による破
壊じん(靭)性があるが,JIS
にはない。
ISO規格では熱膨張率が2.0〜
3.7×10−6 /℃であるが,JISでは
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
内容
(III)国際規格の規定
箇条番号
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
内容
6.2 弾性
率
6.3 ポア
ソン比
6.4 熱膨
張率
弾性率の試験
ポアソン比の試験
JISとほぼ同じ
箇条ごと
の評価
変更
熱膨張率の測定
JISとほぼ同じ
変更
6.5 曲げ
強さ
6.6 ビッ
カース硬
さ
曲げ強さの試験
ビッカース硬さの試
験
6.7 破壊
破壊じん(靱)性の試
じん(靱)
験
性(KI, IFR)
6.8 微細
組織
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
技術的差異の内容
ISO規格では弾性率及びポアソ JISによる測定で対応可。
ン比の測定をISO 17561による
が,JISではJIS R 1602による。
ISO規格では熱膨張率測定を
ISO 17562によるが,JISでは
JIS R 1618による。
JISによる測定で対応可。
一致
JISとほぼ同じ
変更
JISとほぼ同じ
変更
微細組織の測定
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格ではビッカース硬さの
推奨を設けることで同じ試験力
試験力をHV5,HV10及びHV20
での測定が優先され,比較しやす
の3種類としているが,JISで くなる。
は196.1 Nを推奨し,98.07 N又
は49.03 Nを用いても可。
ISO規格では破壊じん(靭)性 破壊じん(靱)性測定はASTM及
測定をASTM F 2094によるが, びISO規格が同内容なので問題
JISではISO 14627及び附属書 ない。SEPB法は使用しないため,
JAによる。ISO規格にはSEPB 不要。
法による破壊じん(靭)性測定
の記載があるが,JISにはない。
ISO規格では,微細組織に関し 微細組織について,ISO規格でも
Annex Aに研磨方法,SEMなど
受渡当事者間の取り決めとする
の観察,観察部位,色などの規 ところが主なので,本文の説明だ
定があるが,JISでは本文に光 けで可。
学顕微鏡観察に関する基本的な
測定を規定した。
削除
ISO規格では等級分類を規定し
ているが,JISにはない。
箇条5と同じなので不要。
箇条番号
及び題名
国際規
格番号
(I)JISの規定
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
箇条番号
及び題名
7 報告
内容
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
箇条番号
材料ロット番号他を
報告
附属書A
(規定)
等級分類基準
附属書JA
(規定)
破壊じん(靭)性の計
算式
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
内容
JISとほぼ同じ
箇条ごと
の評価
削除
削除
JISとほぼ同じ
変更
追加
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
技術的差異の内容
ISO規格では原料ロットの報告 生産者の管理で行うことで可。
があるが,JISにはない。
ISO規格では,研磨方法,SEM ISO規格でも受渡当事者間の取り
などの観察,観察部位,色など 決めとするところが主なので,本
が規定されているが,JISには 文の説明だけで可。
ない。
ISO規格ではビッカース硬さの
推奨を設けることで同じ試験力
試験力をHV5,HV10及びHV20
での測定が優先され,比較しやす
の3種類としているが,JISで くなる。
は196.1 Nを推奨し,98.07 N又 SEPB法による破壊じん(靭)性
は49.03 Nを用いても可。
は使用しないため,不要。
ISO規格では真の破壊じん(靭) 介在物寸法はISO規格の修正を
性はSEPB法を用いるとしてい 提案する。
るが,JISにはない。
ISO規格では介在物寸法水準が
超と以下による規定であるが,
JISでは以上と未満による。
ISO規格ではASTM F 2094を 内容はASTM F 2094と同じ。JIS
参照としているが,JISでは破 使用時の利便性のため追加した。
壊じん(靭)性の計算式を規定
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 26602:2009,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。