2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
T 1201-2 : 2000
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣及び厚生大臣
が制定した日本工業規格である。
今回の制定では,国際規格との整合を図るために,対応国際規格IEC 60645-2 : 1993の技術的内容を変
更することなく規定したが,規定内容の一部(8.1の出力レベル調整器の基準位置,9.の校正信号の音圧レ
ベル及び振動の力のレベル及び13.2のマスキング音の音圧レベル)については,日本工業規格として変更
して規定した。
JIS T 1201-2には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考) 広く用いられている特定の形式のイヤホンに対する自由音場等価出力の補正値
JIS T 1201は次に示す部構成となっている。
第1部:純音オージオメータ
第2部:語音聴覚検査に用いられる機器
(1)
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日本工業規格
JIS
T 1201-2 : 2000
オージオメータ−
第2部:語音聴覚検査に用いる機器
Audiometers−
Part 2:Equipment for speech audiometry
序文 この規格は,1993年に第1版として発行されたIEC 60645-2, Audiometers−Part 2:Equipment for
speech audiometryを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,規定内容の
一部(8.1の出力レベル調整器の基準位置,9.の校正信号の音圧レベル及び振動の力のレベル及び13.2のマ
スキング音の音圧レベル)については,日本工業規格として変更して作成した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,例えば,語音了解度の測定などにおいて,標準化された方法で被検者に語音
を呈示する手段を与えるために設計されたオージオメータ又はその部分に対する要求事項を規定する。
オージオメータは,四つのタイプに分類される。タイプAは,広範囲の機能を備えるもの,タイプBは,
基本的な機能に限られているものである。両方のタイプのオージオメータには,イヤホンの自由音場等価
出力レベルによって校正されるものがあり,その場合には,それぞれタイプA-E及びタイプB-Eのように
表示される。
この規格は,個々の被検者に対して明りょう(瞭)度が最大となる周波数応答曲線を決定するための,
周波数応答の調節機能を備えた語音オージオメータについての要求事項は含まない。
この規格の目的は,検査音として語音を用いる聴覚検査において,ある被検者をこの規格による別のオ
ージオメータで検査したときにも,規定の校正方法のもとでは実質的に同じ結果が得られることを保証す
ることである。また,イヤホン及び骨導受話器の発生する出力レベルについて,次の二つの規定,校正及
び試験の方法が示されている。
a) タイプA-E及びタイプB-Eのオージオメータを使用した自由音場等価出力レベル法。
b) タイプA及びタイプBのオージオメータを使用した無補正カプラ出力レベル法。
備考1. 検査結果は,オージオメータ以外の,例えば検査材料,検査室,スピーカなどにも依存する。
2. この規格の対応国際規格を次に示す。
IEC 60645-2, Audiometers−Part 2 : Equipment for speech audiometry
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格の規定を構成するものであって,その後の改訂版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付
記していない引用規格は,その最新版を適用する。
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JIS C 1505 精密騒音計
備考 IEC 60651 : 1979, Sound level metersのType 1についての引用事項は,JIS C 1505の該当事項
と同等である。
JIS T 1201-1 オージオメータ−第1部:純音オージオメータ
備考 IEC 60645-1 : 1992, Audiometers−Part 1:Pure-tone audiometersが,JIS T 1201-1の本体と一致
している。
また,IEC 60303 : 1970, IEC provisional reference coupler for the calibration of earphones used in
audiometryの規定がJIS T 1201-1の附属書4と一致している。
IEC 60318 : 1970, An IEC artificial ear, of the wide band type, for the calibration of earphones used
in audiometryの規定がJIS T 1201-1の附属書5と一致している。
IEC 60373 : 1990, Mechanical coupler for measurements on bone vibratorsの規定がJIS T 1201-1
の附属書6と一致している。
IEC 60268-7 : 1996, Sound system equipment−Part 7:Headphones and earphones
IEC 60268-17 : 1990, Sound system equipment−Part 17:Standard volume indicators
IEC 61260 : 1995, Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave band filters
参考 上記IEC規格番号は,1997年1月1日から実施されたIEC規格新番号体系によるものである。
これより前に発行された規格については,規格票に記載された規格番号に60000を加えた番号
に切り替えている。これは,番号だけの切替えであり,内容は同一である。
ISO 266 : 1975, Acoustics−Prefered frequencies for measurements
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 1201-1の3.(定義)によるほか次による。
3.1
語音聴覚検査用の機器(語音オージオメータ) [equipment for speech audiometry (speech
audiometer)] 語音検査材料を使用した聴覚検査のための機器。
3.2
語音信号 (speech signal) 人の音声又は合成音声によって作られた検査信号。
3.3
語音聴力レベル (hearing level for speech) 特定の語音信号と特定の信号呈示方法において,語音レ
ベルから適切な基準語音了解域値レベルを引いた値。
3.4
語音レベル (speech level) 適切なカプラ,人工耳又は音場において,特定の周波数補正回路及び時
間の重み特性によって測定された語音信号及び音圧レベル又は振動の力のレベル。
備考1. 例えば,C特性の周波数補正回路を用い,語音信号をその接続時間にわたり積分することに
よって決定される等価音圧レベル又は振動の力のレベルとして,語音レベルを表示してもよ
い。個々の検査語音が無音区間をもって分離している検査リストの場合には,積分はこの無
音区間を含むべきではない。個々の検査語音がキャリアフレーズをもつ検査リストの場合に
は,積分は検査語音だけを含むべきである。
2. 分離した個々の検査語音からなる検査リストの場合には,等価音圧レベルは,C特性の周波
数補正回路と時間の重み特性のI(JIS C 1505の解説を参照)を用いた最大測定音圧レベルの
平均から5dBを引いて数値化してもよい。
3.5
語音了解域値レベル (speech recognition threshold level) 特定の聴取者について,特定の語音信号
及び特定の信号呈示方式による語音了解度が50%となる最小の語音レベル。
備考 語音了解域値は,語音聴取域値と呼ばれてきた。
参考 語音了解域値レベルは,語音聴力レベルに換算して使用されることが多い。
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3.6
基準語音了解域値レベル (reference speech recognition threshold level) 特定の語音信号と特定の信
号呈示方式において,18歳〜25歳の十分な数の耳科学的に正常な男女の被験者を対象集団とし,検査材料
がその集団に適している場合の語音了解域値レベルの中央値。
3.7
イヤホンのカプラ感度及びカプラ感度レベル (coupler sensitivity, coupler sensitivity level of an
ear-phone)
3.7.1
カプラ感度 (coupler sensitivity) 与えられた周波数において,音響カプラ又は人工耳内でイヤホ
ンが発生する音圧をイヤホンの端子に加えられた電圧で除した値。
3.7.2
カプラ感度レベル (coupler sensitivity level) カプラ感度を基準の感度1Pa/Vで除した値の常用対
数の20倍。
備考 骨導受話器のカプラ感度及びカプラ感度レベルは,これらに対応する方法で定義される。
3.8
イヤホンの自由音場感度及び自由音場感度レベル (free-field sensitivity, free-field sensitivity level of
an earphone)
3.8.1
自由音場感度 (free-field sensitivity) 与えられた周波数において,少なくとも10名の耳科学的に
正常な被験者が,正面から入射する平面進行音波(入射角0°)とイヤホンから発生する音とを聞き比べた
場合に,両者を同じ大きさと平均的に判定するようにイヤホンの端子に加えられた同じ周波数の電圧でそ
の平面進行音波の音圧を除した値。このとき,この二つの音は同一の片耳で聴く。
備考 試験方法は,IEC 60268-7に規定されている。音の大きさの比較は,両耳を用いて行ってもよ
いが,得られた感度は単一のイヤホンに対する値である。
3.8.2
自由音場感度レベル (free-field sensitivity level) 自由音場感度を基準の感度1Pa/Vで割った値の
常用対数の20倍。
備考 骨導受話器の自由音場感度及び自由音場感度レベルは,これらに対応する方法で定義される。
3.9
自由音場等価イヤホン出力レベル (free-field equivalent earphone output level) 語音オージオメー
タにおいて,イヤホンが発生する音圧レベルを,これと等価な自由音場音圧レベルに換算した値。与えら
れた周波数において,このレベルは,音響カプラ又は人工耳に対してイヤホンが発生する音圧レベルに,
用いられたイヤホンの形式の,その周波数における自由音場感度レベルとカプラ感度レベルの差に相当す
る補正値を加えることによって得られる。
備考 自由音場等価出力レベルに換算した語音オージオメータの校正によって,異なった種類の変換
器,すなわち,イヤホン,骨導受話器又はスピーカを用いた聴覚検査結果を,互いに直接比較
することが可能となる。
3.10 自由音場等価骨導出力レベル (free-field equivalent bone vibrator output level) 語音オージオメー
タにおいて,骨導受話器が発生する振動の力のレベルを,これと等価な自由音場音圧レベルに換算した値。
与えられた周波数において,このレベルは,メカニカルカプラ上に圧定した骨導受話器が発生する振動の
力のレベルに,用いられた骨導受話器の形式のその周波数における自由音場感度レベルとカプラ感度レベ
ルの差に相当する補正値を加えることによって得られる。
備考 3.9の備考を参照。
3.11 語音に対する実効マスキングレベル (effective masking level for speech) 特定のマスキング音のレ
ベル表示方法であって,正常な人の語音了解域値レベルがそのマスキング音の存在下で,ある語音聴力レ
ベルまで上昇するときに,その上昇した語音聴力レベルと等しい数値でもって表したマスキング音のレベ
ル。正常な人とは,その人の聴覚が域値とマスキング効果についての基準に一致する人である(JIS T 1201-1
の附属書1及び附属書3)。
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4. 一般的な要求事項 JIS T 1201-1の次の項目も,この規格の要求事項とする。
5.1 安全性についての要求事項
5.3 ウォームアップ時間
5.4 供給電源の変動と環境条件
5.5 妨害音(5.5.3を除く。)
5.6 自動記録オージオメータ及びコンピュータ制御オージオメータの試験
7.3 音圧レベル及び振動の力のレベルの精度(第2パラグラフだけ)
7.4 聴力レベル調整器(7.4.4だけ)
7.5.3 マスキングレベルの精度(第2パラグラフだけ)
耳載せ形イヤホン及び骨導受話器を備える場合には,JIS T 1201-1の9.1.1(耳載せ形イヤホン)及び9.2
(骨導)にそれぞれ適合しなければならない。
録音された語音検査材料の再生手段がオージオメータに附属している場合には,適合試験は,要求事項
に合致する試験信号の録音を用いて行う。再生装置がオージオメータに附属していない場合の試験信号は,
オージオメータの電気入力に加える。
5. オージオメータのタイプ別の最小限の要求事項 表1に,四つのタイプのオージオメータが規定され,
その最低限必要な機能についての要求事項が示されている。ただし,これら以外の機能を排除するもので
はない。
6. 語音オージオメータの規定,試験及び校正のための基準条件 タイプA-E及びタイプB-Eのオージオ
メータによる,イヤホン及び骨導受話器の語音聴覚検査の結果を,スピーカによる自由音場検査又は異な
る形の変換器による結果と比較できるようにするためには,自由音場等価測定条件を用いなければならな
い。このような比較をするための要求事項がないタイプA及びタイプBのオージオメータの場合には,特
性の規定及び試験に,イヤホン及び骨導受話器のカプラによる無補正の測定法を用いる。
6.1
自由音場等価イヤホン出力レベル タイプA-E及びタイプB-Eのオージオメータにおいては,イヤ
ホンを含む語音オージオメータの出力音圧レベル及び全周波数応答は,自由音場等価音圧レベルで規定す
る。
備考 イヤホンの自由音場等価音圧レベル測定の基本方式は,IEC 60268-7に規定されている。日常
の校正には音響カプラ又は人工耳を用い,試験するイヤホンの形式に対応する,自由音場感度
レベルとカプラ感度レベルの差の補正値を適用してもよい。附属書1は,数種類の広く用いら
れているイヤホンの補正値を示している。
6.2
無補正のイヤホン出力レベル 耳載せ形のイヤホンをもつタイプA及びタイプBのオージオメータ
の場合には,イヤホンを含む語音オージオメータの出力音圧レベル及び全周波数応答は,JIS T 1201-1の
附属書4による音響カプラ又はJIS T 1201-1の附属書5による人工耳を用いて測定された,無補正の音圧
レベルで規定される。他の形の(耳載せ形以外の)イヤホンの場合に,製造業者が測定の方法を定める。
6.3
スピーカ出力レベル スピーカを含む語音オージオメータの出力音圧レベル及び全周波数応答は,
スピーカの基準軸上でスピーカから1mの距離の自由音場で測定した値によって規定される。
備考 基準の条件で測定された結果は,自由音場で距離が1mの条件以外には適用できない。
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6.4
自由音場等価骨導受話器出力レベル タイプA-E及びタイプB-Eのオージオメータの場合には,骨
導受話器を含む語音オージオメータの出力の振動の力のレベルと全周波数応答は,自由音場等価音圧レベ
ルで規定される。用いられた骨導受話器の形式に対応するデータが存在しない場合には,6.5の規定による。
6.5
無補正の骨導受話器出力レベル 骨導受話器をもつタイプA及びタイプBのオージオメータの場合
には,骨導受話器を含む語音オージオメータの出力の振動の力のレベル及び全周波数応答は,JIS T 1201-1
の附属書6によるメカニカルカプラで測定された,無補正の振動の力のレベルで規定される。
6.6
校正信号 語音オージオメータの規定と試験方法は,録音された語音材料の校正信号レベルが,規
定の方法で測定されたときに,語音材料の平均レベルと同一であるという仮定に立脚している。校正信号
は例えば,13.1に定めるような加重雑音又は少なくとも1/3オクターブの帯域幅をもち1 000Hzに中心を
もつ帯域雑音又は周波数変調音とする。
参考 自由音場等価骨導受話器出力レベルを備えていない機器の骨導の周波数応答は,一般にメカニ
カルカプラで測定したとき,平たん(坦)ではなく,また受話器の形式によって異なる。その
場合には,校正信号の種類又は受話器の形式によって呈示される語音信号のレベルが異なるこ
とがある。
7. 信号レベル表示器
7.1
信号レベル表示器の装備,基準の指示値及び応答時間特性 信号レベル表示器は,校正及び語音の
入力信号すべてを監視するために,これを備えなければならない。このレベル表示器は,目盛の最大値よ
り少し低いレベルに基準の指示値をもち,VUメータとして知られ,IEC 60268-17に規定されたメータの
応答時間特性をもたなければならない。
7.2
信号レベル表示器の接続,利得の調整及びその調整手段 信号レベル表示器は,回路内で出力レベ
ル調整器の前段に接続されるものとし,増幅器は,入力信号のレベルによって,少なくとも20dBの範囲
で容易に利得を調整できなければならない。調整手段は,校正信号レベルを1dB以下の誤差で,基準の指
示値に調整できなければならない。
8. 語音信号の出力レベル調整器
8.1
語音信号の出力レベル調整器の目盛 出力レベル調整器は,単一の目盛と基準点をもたなければな
らない。5dB又はそれ以下の間隔で校正され,目盛が音圧レベル又は語音聴力レベルのいずれであるかを
明示する。タイプA-E及びタイプB-Eのオージオメータの場合には,目盛は,音圧レベル (re 20μPa) を
用いることが望ましい。この場合の出力レベル調整器の基準位置は,14dBとする。タイプA及びタイプB
のオージオメータの場合には,目盛は,聴力レベルを用いることが望ましい。この場合の出力レベル調整
器の基準位置は,0dBとする。
8.2
語音信号の出力レベル調整器の調整範囲(スピーカ及びイヤホン) 出力レベル調整器は,基準位
置に対して,スピーカの出力の場合には,少なくとも−10dB〜80dB,イヤホンの出力の場合には−10dB
〜100dBの調整範囲をもたなければならない。
8.3
語音信号の出力レベル調整器の調整範囲(骨導受話器) 製造業者は,骨導受話器の出力レベルの
範囲を,振動の力のレベル又は聴力レベルのいずれかによって明示しなければならない。
9. 出力音圧レベルと振動の力のレベル 6.の基準条件と出力レベル調整器の基準位置において,レベル
指示器が基準の指示値になるような校正信号の出力音圧レベル (re 20μPa) は,14dB±2dBとする。
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無補正の骨導受話器出力の場合には,これに対応する振動の力のレベル (re 1μN)は,49dB±5dBとす
ることが望ましい。
備考 14dBの音圧レベルと49dBの振動の力レベルは,一桁数字語表を検査材料とした場合における
一側耳での基準語音了解域値レベルにほぼ相当する。
10. 周波数応答
10.1 語音オージオメータの全周波数応答 6.に示す基準条件と10.1.1に示す検査条件において,250〜4
000Hzのどの周波数の試験信号についても,この信号によってスピーカ又はイヤホンに発生する出力音圧
レベルは,この周波数範囲の全試験信号の平均と±3dB以上の差があってはならない。250Hz未満125Hz
−dBとする。4 000Hzを超え6 300Hzまでの周波数については
までの周波数範囲におけるこの許容範囲は100
±5dBとする。
アナログ録音語音材料の再生手段がオージオメータに附属している場合には,250Hz〜4 000Hzの範囲内
では±1dB,この範囲外で125Hz〜6 300Hzの範囲では±2dB,上記の許容範囲を広げる。
備考 デジタル録音された語音材料とそれに対応する再生装置とを用いれば,より高い長期間安定性
と,より厳密な周波数応答の許容範囲を得ることができる。
骨導受話器出力については,製造業者が250Hz〜4 000Hzの範囲の周波数応答及びその許容範囲を定め
る。
10.1.1 検査条件 録音語音材料の再生手段がオージオメータに附属している場合には,白色雑音を,ISO
266に定められた1/3オクターブ周波数を中心としIEC 61260による1/3オクターブフィルタを通して録音
された,周波数によらず均一なレベルの試験信号を用いて,試験を行う。再生手段がオージオメータに附
属していない場合には,上記と同じ試験信号を,オージオメータの電気入力に加える。製造業者は外部の
再生装置を含む装置全体について,10.1の要求事項との一致の程度を明示する。
試験信号のレベルは,1 000Hzを中心とする試験信号に対して,信号レベル表示器が基準の指示値を示
すように調整する。オージオメータの出力レベル調整器は,イヤホン出力及びスピーカ出力の試験に対し
ては70dBとし,骨導受話器出力に対しては40dBに設定する。
スピーカ,イヤホン及び骨導受話器の出力レベル測定においては,6.による基準の条件を適用する。
イヤホンが発生する出力音圧レベルは,製造業者が定めた音響カプラ又は人工耳を用いて測定する。タ
イプA-E及びタイプB-Eのオージオメータの場合には,許容範囲に対する判定をする前に,使用する形式
のイヤホンに対する自由音場感度レベルとカプラ感度レベルの周波数ごとの差を表す補正値を,測定され
たカプラ音圧レベルに加える。特定の形式のイヤホンについて,これらの補正値が附属書1に記載されて
いる。その他の形式のイヤホンについては,製造業者がこれを定める。
製造業者は,6.4及び6.5のそれぞれの基準条件について,骨導受話器の出力レベルの試験方法を定める。
10.2 マイクロホン入力の周波数応答 10.2.1に示す試験条件において,マイクロホン端子に発生するマイ
クロホンの出力電圧レベルは,125Hz〜8 000Hzの周波数範囲のどの入力試験信号に対しても,この周波数
範囲の全試験信号の平均レベルと±3dBを超えて異なってはならない。
オージオメータが,例えば,マイクロホンがオージオメータのきょう(筐)体に格納されているために,
上記に適合しないマイクロホンの周波数応答を補償する回路を備えている場合には,製造業者は,その補
償回路と合わせてマイクロホンが要求事項に適合することを保証する手段を用意する。
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10.2.1 試験条件 白色雑音を,ISO 266に定められた1/3オクターブ周波数を中心周波数としIEC 61260
による1/3オクターブバンドフィルタを通して作られた,80dBの一定音圧レベル (re 20μPa) の試験信号を
用い,自由音場条件で行う。製造業者は,10.2の要求事項に適合するための,マイクロホンの使用方法(例
えば,入射角など)を示す。
11. 高調波ひず(歪)み
11.1 イヤホン出力 6.に示す基準条件において,イヤホン出力の全高調波ひず(歪)みは,2.5%を超え
てはならない。全高調波ひず(歪)みは,オージオメータの電気入力に加えられた試験周波数250Hz,500Hz
及び1 000Hzの純音に対して,信号レベル表示器 (7.) が基準の指示値より9dB高く,出力音圧レベルが
110dB (re 20μPa) になるように設定して測定する。
11.2 スピーカ出力 6.3に示す基準条件において,スピーカ出力の全高調波ひず(歪)みは,3%を超え
てはならない。全高調波ひず(歪)みは,11.1と同じ入力条件で測定する。ただし,出力音圧レベル (re 20μPa)
は80dBとする。全高調波ひず(歪)みは,同じ周波数で100dBの出力音圧レベルの場合でも,10%未満
とする。
11.3 骨導受話器出力 11.1に示す試験条件において,製造業者は,骨導受話器の表示された最大出力レ
ベルにおける,全高調波ひず(歪)みを示す。
12. 信号−雑音比 どの変換器の入力端子の電圧レベルも,出力レベル調整器を70dBに設定し,録音さ
れた校正信号のレベルを信号レベル表示器の基準の指示値に調整したときに,JIS C 1502によるA特性の
周波数補正回路を用いた測定値が,再生装置が一時停止状態の場合よりも45dB以上高くなければならな
い。再生装置が語音オージオメータに附属していない場合には,製造業者は,この要求事項に適合する方
法を明示する。
備考 この試験は再生装置,オージオメータ及びすべての外部増幅器の性能測定を含んでいる。
13. マスキング音
13.1 マスキング音の種類及びスペクトルレベル 語音をマスキングするために,オージオメータが発生
するマスキング音は,加重不規則雑音とする。
スピーカ出力と6.の基準条件において,音場で音響的に測定されたこの加重不規則雑音のスペクトルレ
ベルは,125Hz〜1 000Hzは一定で,1 000Hz〜6 000Hzはオクターブ当たり12dBで下降しなければならな
い。この特性の許容範囲は±5dBとする。
無補正のイヤホンの出力音圧レベルは,音響カプラ又は人工耳で測定したときに,同じ規定に適合しな
ければならない。自由音場等価イヤホン音圧レベルの場合には,許容範囲に対する判定をする前に,使用
する形式のイヤホンに対する自由音場感度レベルとカプラ感度レベルの周波数ごとの差を表す出力補正値
を,測定されたカプラ音圧レベルに加える。
13.2 レベル調整器及び校正方法 マスキングレベル調整器は,一つの目盛と一つの基準の位置をもつも
のとし,基準の位置は,6.の基準条件において,8.1で規定した語音信号の出力レベル調整器の基準の位置
と一致しなければならない。語音信号の出力レベル調整器の目盛が(基準の位置が14dBの)音圧レベル
表示の場合には,この基準の位置において,マスキング音が14
−+dBの音圧レベル
(re 20μPa) を発生しな
35
ければならない(音圧レベル目盛)。語音信号の出力レベル調整器の目盛が(基準の位置が0dBの)聴力
レベル表示の場合には,マスキング音を実効マスキングレベルで校正する。目盛が音圧レベル又は実効マ
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スキングレベルのいずれであるかについて明示することが望ましい。マスキングレベル調整器が実効マス
キングレベル目盛である場合には,校正の基準値を明示することが望ましい。また,13.1の規定と異なる
マスキング音を備える場合には,その校正方法を明示することが望ましい。
13.3 レベル調整の範囲 マスキングレベル調整器は,その基準の位置に対して,スピーカ及びイヤホン
の出力レベルを5dB又はそれ以下の間隔で,少なくとも0dB〜80dBまでの範囲で調整できなければならな
い。
14. モニタイヤホン又はスピーカ モニタイヤホン又はスピーカの発生する音圧レベル (re 20μPa) は,検
査者の必要を満たすように,例えば,50dB〜90dBの範囲で,出力レベルの調整とは無関係に調整できな
ければならない。この調整は,検査信号に何の影響も及ぼしてはならない。
15. 音声応答装置 音声応答装置は,検査素材に対する被検者の声による応答を聞くのに用いられる。こ
れは,通常被検者の近くに置かれるマイクロホン,レベル調整が可能な増幅器及び検査者が用いるイヤホ
ン又はスピーカから構成される。タイプA及びタイプA-Eのオージオメータは,音声応答装置を備えなけ
ればならない。音声応答装置の性能については規定しないが,広いレベル範囲の音声を明りょう(瞭)に
聴取できるように,十分によい再生品質をもつことが望ましい。
16. 断続スイッチ 検査信号とマスキング信号のための断続スイッチは,JIS T 1201-1の7.6(検査音の断
続)に規定する音呈示スイッチと同じ特性をもたなければならない。
17. 表示及び取扱説明書
17.1 表示 オージオメータには表1によるタイプの別を表す表示をする。製造業者名,形式及びこの規
格の規格番号と発効年を表示する。それに加えて,装置には組になる変換器(イヤホン及び骨導受話器)
を特定できる情報を表示する。検査信号のための変換器にも,対応する装置を区別する情報を表示する。
17.2 取扱説明書 オージオメータには取扱説明書を添付する。それにはJIS T 1201-1の10.2のa)〜c),
e)〜g),j)〜l)及びp)〜q)に規定される事項に加えて,次の情報を含まなければならない。
a) 6.による基準条件。
b) イヤホンの校正に用いられるカプラ又は人工耳の種類。
c) タイプA-E及びタイプB-Eのオージオメータの場合には,附属するイヤホンの形式と125Hz〜6 300Hz
の範囲内の規定周波数のそれぞれについて,これらの周波数を中心とする,白色雑音の1/3オクター
ブバンドからなる試験信号に対する,イヤホンの自由音場感度レベルとカプラ感度レベルとの差。
骨導受話器出力レベルについては,周波数応答と,250Hz〜4 000Hzの周波数範囲にある上記の試験
信号に対する周波数応答及びその許容範囲。自由音場等価骨導出力レベルを備えている場合には,こ
の試験信号に対する自由音場感度レベルとカプラ感度レベルの差。
d) 基準校正レベル 取扱説明書には,校正信号との関係が明示された録音語音材料だけを用いる旨の注
意を含める。語音と校正信号が同じレベルでない場合には,校正の方法を記述する。
備考 校正信号と語音材料との平均レベルが異なる場合には,語音検査材料の製作者の指示に従って,
校正及び検査の方法を変えることが望ましい。
e) 骨導受話器出力については,出力レベル範囲と高調波ひず(歪)みを8.3と11.3によって記述する。
f)
10.1,10.1.1,10.2,10.2.1,12及び表1に規定する要求事項を満足するための方法。
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T 1201-2 : 2000
g) 語音信号の出力レベル調整器の校正方法,すなわち,音圧レベル表示と聴力レベル表示とのいずれで
あるかについての記述が含まれていなければならない。
h) マスキング信号の出力レベル調整器の校正方法,すなわち,音圧レベル表示と実効マスキングレベル
表示のいずれであるかについての記述が含まれていなければならない。
表1 語音オージオメータにおける最低限の機能
信号を出力する受話器又はスピーカの装備
2個のイヤホン
自由音場等価イヤホン出力
骨導受話器
2個のスピーカ又は2個の電気信号出力(2)
語音検査材料のモニタースピーカ又はイヤホン
信号の入力手段
録音素材のための語音再生装置(3)又は電気信号入力
肉声による検査のためのマイクロホン
マスキングチャネルへの外部信号の電気入力
マスキング音の種類
語音加重マスキング雑音
マスキングノイズを出力する受話器又はスピーカ
語音検査信号と同側耳のイヤホン
語音検査信号と同じスピーカ又は電気信号出力(2)
語音検査信号の反対側耳のイヤホン
語音検査信号と別のスピーカ又は電気信号出力(2)
出力レベル調整器
マスキングレベル調整器
断続スイッチ
信号レベル表示器
音声応答装置
タイプA
タイプB
注(1) 自由音場等価イヤホン出力は必す(須)ではないが,これを備えることを推奨する。これを
備える場合には,タイプ表示はA-E又はB-Eとする。
(2) オージオメータに出力増幅器及びスピーカが附属していない場合には,製造業者は(スピー
カによる検査について)この規格を満足させる方法を明示する。
(3) 再生装置はオージオメータの製造業者によって供給されるとは限らない。
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T 1201-2 : 2000
附属書1(参考) 広く用いられている特定の形式のイヤホンに対する
自由音場等価出力の補正値
この附属書は,広く用いられている特定の形式のイヤホンに対する自由音場等価出力の補正値について
記述したものであり,規定の一部ではない。
試験信号として1/3オクターブ帯域の雑音を用いた場合の,四種類の形式の聴覚検査用イヤホンの自由
音場感度レベルGFとカプラ感度レベルGCの差を,中心周波数の関数として附属書1表1及び附属書1表
2に示す。このデータは両耳聴取条件下で得られたものであるが,その結果は,単耳の語音聴覚検査に同
じように利用可能である。それぞれのイヤホンを用いて自由音場等価音圧レベルを得るためには,JIS T
1201-1の附属書4による音響カプラ又はJIS T 1201-1の附属書5による人工耳を用いたイヤホンの音圧レ
ベルの測定値に,これらの補正値を加える必要がある。
補正値は,次の条件下で使用される。
a) Beyer DT 48イヤホンは,人の耳又は人工耳に装着する場合には,平らなクッションと共に使用する。
ただし,音響カプラの上に置く場合には,クッションを取り外しH. MrassとH.G. Diestelの記述
(Acustica vol. 9, pp.61-64, 1959) によって,アダプタを使用する。
b) Telephonics TDH 39及びTDH 49イヤホンは,人の耳,人工耳及びカプラに対して,MX 41/AR(又は
model PN51)クッションと共に使用する。
c) Pracitronic DH80イヤホンは,人の耳,音響カプラ及び人工耳に対して,平らなクッションと共に使用
する。
d) イヤホンを人の耳に装着する場合には,使用するヘッドバンドの定格圧定力は,4.5N±0.5Nとする。
e) イヤホンは,イヤホン自体の重さを含まずに4.5N±0.5Nの定格圧定力で,音響的な漏れがないよう人
工耳又はカプラに装着する。
この附属書のデータに関係する文献
Brinkmann, K. and Richter, U. −Free-field sensitivity level of audiometric earphones to be used for speech
audiometer calibration. Scand. Audiol., vol.18, pp75-81, (1989).
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T 1201-2 : 2000
附属書1表1 JIS T 1201-1の附属書4による音響カプラ及び検査信号として1/3オクターブバンドの帯域
雑音を使用した場合の,四種のイヤホンの自由音場感度レベルGFとカプラ感度レベルGCの差(最も近い
0.5dBに丸めてある。)。
中心周波数 GF−GC (dB)
Telephonics TDH 39, Telephonics TDH 49, Pracitronic DH 80,平
平らなクッション付
MX 41/AR又はPN51 MX 41/AR又はPN51 らなクッション付き
き
クッション付き
クッション付き
備考 *を付した周波数の値は,補間によって算出されたものである。
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T 1201-2 : 2000
附属書1表2 JIS T 1201-1の附属書5による人工耳及び検査信号として1/3オクターブバンドの帯域雑音
を使用した場合の,四種のイヤホンの自由音場感度レベルGFとカプラ感度レベルGCの差(最も近い0.5dB
に丸めてある。)。
中心周波数 GF−GC (dB)
Telephonics TDH 39, Telephonics TDH 49, Pracitronic DH 80,平
平らなクッション付
MX 41/AR,又はPN51 MX 41/AR,又はPN51 らなクッション付き
き
クッション付き
クッション付き
備考 *を付した周波数の値は,補間によって算出されたものである。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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T 1201-2 : 2000
原案作成委員会構成表
a) 本委員会
氏名
(委員長)
(事務局)
三 浦 甫
設 楽 哲 也
舘 野 誠
阿波野 安 幸
伊 丹 永一郎
市 川 銀一郎
小 田 恂
神 崎 仁
佐 藤 宗 純
曽 根 敏 夫
瀧 澤 秀次郎
西 出 徹 雄
橋 本 繁 晴
松 平 登志正
盛 田 章
山 崎 嘉 男
吉 川 英 基
渡 辺 浩 一
後 藤 健 次
所属
静岡理工科大学
北里大学
リオン株式会社
リオン株式会社
株式会社ダナジャパン
順天堂大学
東邦大学
慶応義塾大学
工業技術院電子技術総合研究所
東北大学
厚生省薬務局
工業技術院標準部
財団法人日本規格協会
北里大学
NHK放送技術研究所
財団法人日本品質保証機構
株式会社モリタ製作所
永島医科器械株式会社
社団法人日本音響学会
b) 分科会
氏名
(主査)
(事務局)
設 楽 哲 也
伊 丹 永一郎
上 島 好 雄
小 泉 芳 彦
鈴 木 陽 一
舘 野 誠
橋 本 繁 晴
早 野 幸 雄
松 平 登志正
後 藤 健 次
所属
北里大学
株式会社ダナジャパン
株式会社モリタ製作所
永島医科器械株式会社
東北大学
リオン株式会社
財団法人日本規格協会
工業技術院標準部
北里大学
社団法人日本音響学会