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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

日本工業規格

JIS

W 0106-1995

航空用語(航空機一般)

Glossary of terms for aircraft general

1. 適用範囲 この規格は,航空機に関する主な用語について規定する。

2. 分類 用語は,次のように分類する。

(1) 航空機の種類に関する用語

(2) 航空機の寸法・面積に関する用語

(3) 航空機を構成する部分に関する用語

(4) 航空機の重量(物体に作用する重力の大きさ)比に関する用語

(5) 航空機の空気力学・性能に関する用語

(6) 航空機の運航・整備に関する用語

3. 用語・定義 用語及び定義は,次のとおりとする。

なお,参考のため対応英語及び一部の用語に対する記号を示す。

備考1. 用語欄で二つの用語を並べてある場合は,その順序に従って優先的に使用する。

2. 用語欄の( )内の太字体の語は省略してもよい。

3. 用語欄の( )内の細字体の語は参考として示したものである。

4. 用語の下に括弧で示したものは,読み方である。

(1) 航空機の種類に関する用語

番号

用語

定義

対応英語(参考)

航空機

人が乗って,航空の用に供することができる機器

の総称。

軽航空機

飛行船

飛行中の揚力を,主として空気より軽い気体の静

的な浮力から得るすべての航空機。

推進装置及び操縦装置を備えた軽航空機。

重航空機

それ自体の重量が,その排除する空気の重量より

も重く,飛行中の揚力を主として空気力学的な力

から得るすべての航空機。

固定翼航空機

固定した翼面をもち,その翼面に生じる揚力によ

って飛行する重航空機。

飛行機

推進装置を備え,飛行中の揚力を,主として,そ

れぞれの飛行状態において固定翼面上に生じる空

気力学的な力から得る固定翼航空機。

airplane(米)

可変後退翼機

飛行中に翼の後退角を変更させることができる飛

行機。

無尾翼機

水平尾翼をもたない飛行機。

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2

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

陸上機

水上機

フロート水上機

陸上で発着する飛行機。

水上で発着する飛行機。

飛行艇

水上にあるとき,主に艇体によってその重量を支

持する水上機。

水陸両用機

陸上又は水上のいずれへも発着できる飛行機及び

へリコプタ。

グライダ

(滑空機)

推進装置を備えず,飛行中の揚力を主として固定

翼面上に生じる空気力学的な力から得る固定翼航

空機。

ソアラ

大気の動きを利用して,長時間又は長距離の飛行

を行うグライダ。

モータグライダ

(動力滑空機)

回転翼航空機

50kW以下のエンジンを装備し,主として離陸上昇

時に動力を用い,所要の高度から滑空を行う固定

翼航空機。

飛行中の揚力を回転翼から得る重航空機。

回転翼の配置によって,単回転翼機,同軸回転翼

機,タンデム回転翼機などがある。

ジャイロプレーン

起動の時だけエンジン駆動によるが,飛行中は空

気力の作用によって回転する1個以上の回転翼に

よって揚力を,またプロペラによって推進力を得

る回転翼航空機。

ヘリコプタ

ほぼ垂直な軸周りに回転するエンジン駆動の回転

翼によって揚力及び推進力を得る回転翼航空機。

複合ヘリコプタ

回転翼のほかに推進装置と固定翼とをもち,水平

飛行中の推進力と揚力の大部分をこれらによって

得るヘリコプタ。

ジャイロダイン

短距離離着陸(航空)

垂直離着陸(航空)機

亜音速機

遷音速機

超音速機

極超音速機

1個以上のエンジン駆動の回転翼によって揚力を gyrodyne

得,推進力はプロペラによって得る回転翼航空機。

短い滑走距離で離着陸できる重航空機。

離着陸の際,ほぼ垂直に上昇又は降下できる重航

空機。

空気の圧縮性の影響がほとんどない速度域で飛行

する航空機。

機体の表面の空気の流れが音速に達している部分

とそれ以下の部分が共存している速度域まで飛行

できる航空機。

音速を超える対気速度で飛行できる航空機。

音速の約5倍以上の対気速度で飛行できる航空 hypersonic aircraft

機。

輸送機

旅客機

水上にあるとき,フロートによってその重量を支

持する水上機。

人員及び物資を輸送するために使用される航空

機。

乗客の輸送を主目的とする航空機。

機体固有の不安定性及び剛性の不足を制御系によ

って補償し,機体の小型化・軽量化,操縦性の向

上等を図った航空機。

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(2) 航空機の寸法・面積に関する用語

番号

用語

定義

対応英語(参考)

上反角

翼が付け根から翼端に向かって上がっていると

き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面

となす角。

参考 量記号Γ又はνで表す。

下反角

翼が付け根から翼端に向かって下がっていると

き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面

となす角。

後退角

翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し後

退しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直

な平面となす鋭角。

参考 量記号Λで表す。

前進角

翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し前

進しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直

な平面となす鋭角。

取付け角

翼弦と胴体基準線とがなす角度。通常,翼の付け

根の値を用いる。

参考 量記号iで表す。

ねじり上げ(角)

翼の取付け角が翼端に向かって次第に増すように

翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との取

付け角の差。

ねじり下げ(角)

尾翼取付け角

翼の取付け角が翼端に向かって次第に減じるよう

に翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との

取付け角の差。

尾翼の翼弦と胴体基準線とがなす角度。

参考 量記号itで表す。

総翼面積

正味翼面積

ぬれ面積

胴体部分を含めた主翼の投影面積。

参考 量記号SLで表す。

胴体部分を除いた主翼の投影面積。

航空機の全表面積。

円板面積

回転翼が回転することによって描かれる円形の面

積。

縦横比

(たてよこひ)

総翼面積に対する翼幅の二乗の比。く(矩)形翼

の場合は翼弦長に対する翼幅の比になる。

参考 量記号λ,A又はΛで表す。

テーパ比

翼根弦長に対する翼端弦長の比。

参考 量記号λで表す。

厚さ比

翼形

翼弦長に対する翼形の最大厚さの比。

翼形中心線

翼形の上面及び下面までの距離がそれぞれ等しく

なる点を結んで得られる線。

中心線の反り

翼形中心線と翼弦との隔たりを,翼弦長に対する

百分率で表したもの。

反り

翼弦

翼弦長

翼形中心線と翼弦との隔たりの最大値を,翼弦長

に対する百分率で表したもの。

翼形中心線の前端と後端とを結んだ直線。

翼弦の長さ。

参考 量記号cで表す。

翼の平面形における翼幅方向の基準線(通常は,

25%弦長点を連ねる線)に直角にとった翼の切り

口の形状。

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

25%弦長点

幾何平均翼弦

空力平均翼弦

翼弦の前端から翼弦長の25%隔たった点。

翼面積を翼幅で割った値。

前縁

翼形又は翼の前端。

備考 構造上は,前けたから前方の翼の部分

をいう。

後縁

翼幅

翼形又は翼の後端。

備考 構造上は,後けたから後方の翼の部分

をいう。

左右の両翼端の間の水平距離。

参考 量記号bで表す。

全長

全高

航空機の最前端と最後端との間の水平距離。

参考 量記号lRで表す。

航空機の最低端と最高端との間の垂直距離。

参考 量記号hRで表す。

車輪左右間隔

てつ(轍)間距離

車輪前後間隔

軸間距離

主着陸装置の左右の車輪中心間距離。車輪の代わ

りに,そり,スキーなどでも同じ。

縦揺れモーメントに関して翼の空気力学的性質を

代表する翼弦。

前部着陸装置と後部着陸装置の車軸中心間の距

離。車輪の代わりに,そり,スキーなどでも同じ。

(米)(MAC)

(3) 航空機を構成する部分に関する用語

番号

用語

定義

対応英語(参考)

機体

主翼,胴体,尾翼,着陸装置など,航空機を構成

する構造部分。

重航空機が空気中でその重量を支持するのに必要

とする空気力学的な力(揚力)を発生するもの。

airfoil(米)

主翼

重航空機の重量を支持するための揚力の大部分を

発生する翼。

テーパ翼

翼の付け根から翼端に向かって,直線的に翼弦長

が小さくなっている翼。

く(矩)形翼

後退翼

前進翼

三角翼

翼弦長が付け根から翼端まで一定の翼。

後退角をもつ翼。

前進角をもつ翼。

平面形が三角形であり,比較的小さい縦横比の翼。 delta wing

短翼

ウィングレット

操縦だ(舵)面

補助翼

胴体の両側面に取り付けられた短い翼。主として,

着陸装置,エンジンなどを取り付けたり,物をつ

り上げるために用いる。

主翼の翼端にほぼ垂直に取り付けられ,これによ

って得られる翼端渦の減殺と推力成分の効果を利

用して,誘導抗力の減少と有効揚力の増加を図る

ための小翼片。

航空機の姿勢及び飛行方向を制御するために用い

る可動翼面。だ(舵)面ともいう。

操だ(舵)によって航空機の前後軸周りに回転運

動(横揺れ)を起こさせるため,主翼の後縁に取

り付ける可動翼面。

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

差動補助翼

補助翼を操だ(舵)したとき,上がる角度と下が

る角度とが異なるような機構をもった補助翼。

フリーズ補助翼

上げ側の補助翼の前縁部が主翼の下面に突き出す

ようにしてある補助翼。

すきま補助翼

主翼後縁との間に,気流を円滑に流すために整形

されたすきまをもたせた補助翼。

釣合いだ(舵)面

昇降だ(舵),方向だ(舵),補助翼,タブなどの

操縦だ(舵)面に取り付けられ,操だ(舵)力を

軽くする仕掛けをもった操縦だ(舵)面。

ホーン・バランス

だ(舵)面の平面形において,翼端部がヒンジ中

心線より前方に張り出している釣合いだ(舵)面

の形式。

エレボン

昇降だ(舵)と補助翼の二つの働きを併せもつよ

うに設計された操縦だ(舵)面。

高揚力装置

離着陸速度を低減させ又は空中操作を容易にする

ため,最大揚力係数を大きくする装置。

すきま翼

高揚力装置の一種で,翼の前縁に可動式又は固定

式のすきまをもった翼。

スラット

翼の前縁に取り付けられ,迎え角が大きいときの

気流のはがれを遅らせて最大揚力係数を大きくす

る固定式又は可動式の小翼。

備考 高揚力装置の一種。

折り曲げ前縁

翼の前縁部を下方へ折り曲げて翼の反りを増すよ

うにしたもの。

境界層制御装置

境界層に原因する好ましくない空気力学的効果

(失速,抗力増加など)を減少又は除去するため

の装置。

フラップ

フラッペロン

前縁フラップ

主翼の後縁又は前縁に取り付けられ,翼面積若し

くは翼の反り又は両方を増して,主として最大揚

力係数を大きくする働きをもつ装置。

備考 高揚力装置の一種。

フラップと補助翼の機能を兼ね備えた可動翼面。

翼の前縁部に取り付けられたフラップ。

クルーガフラップ

後縁フラップ

ファウラフラップ

前縁フラップの一種で,翼の前縁下側にその前端

をヒンジ止めした小翼で,作動時に後端を翼の前

下方に開くようにしたフラップ。

翼の後縁部に取り付けられたフラップ。

単純フラップ

翼の後縁部分をそのまま下方へ折り曲げる形式の

フラップ。

すきまフラップ

開きフラップ

吹出しフラップ

フラップを下げたとき,翼本体とフラップの前縁

との間にすきまができるようにした形式のフラッ

プ。

翼の後縁部の下方だけを開く形式のフラップ。

ジェットフラップ

翼の後縁部が後方に張り出して翼面積を増す効果

を併せもっている形式のフラップ。

フラップを下げたとき,その上面に沿って高速の

空気を後方に吹き出して,フラップの効果を高め

る機能をもったフラップ。

翼の後縁から後下方に高速の空気を吹き出し,そ

の噴流によってフラップの効果を得る装置。

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6

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

スピードブレーキ

航空機の翼,胴体などの構造物に取り付けられ,

これを気流中に出すことによって抗力を増加させ

る装置。

スポイラ

主翼上面に取り付けられ,これを気流中に出すこ

とによって気流を乱し揚力を減殺すると同時に,

抗力を増加させる装置。

先尾翼

主翼の前方に取り付けられ,前後の釣合い及び操

縦を受け持つ小さい翼。

尾翼

水平尾翼

航空機の釣合い,安定及び操縦を受け持つために

航空機の尾部に取り付けられた翼の総称。

縦の釣合い,安定及び操縦を受け持つ尾翼。

T型尾翼

垂直尾翼の上端に水平尾翼が取り付けられた尾

翼。

水平安定板

航空機の縦の安定のための水平尾翼の前部の固定

した部分。トリムのために可動のものもある。

昇降だ(舵)

操だ(舵)によって航空機の左右軸周りの回転運

動(縦揺れ)を起こさせるため,水平安定板の後

部に取り付けられた可動翼面。

全可動尾翼

スタビレータ

安定板を可動とし,これを動かすことによって縦

の操縦を行うことができる水平尾翼。昇降だ(舵)

をもち連動して作動するものもある。

昇降だ(舵)をもたない全可動尾翼。

垂直尾翼

方向の安定と操縦とを受け持つ尾翼。

備考 通常,機体の対称面に又は対称面に平

行に取り付けられる。

垂直安定板

航空機の方向の安定のための垂直尾翼の前部の固

定した部分。

方向だ(舵)

操だ(舵)によって航空機の上下軸周りの回転運

動(偏揺れ)を起こさせるため,垂直安定板の後

部に取り付けられた可動翼面。

背びれ

胴体上面と垂直尾翼前縁とをつないで取り付けら

れたひれ状のもの。

腹びれ

胴体の後下方に気流と平行に取り付けられたひれ

状のもの。

タブ

補助翼,方向だ(舵),昇降だ(舵)などの主操縦

だ(舵)面の後部に取り付けられた小さい翼面。

釣合いタブ

主操縦だ(舵)面に機械的に連動し,操だ(舵)

力の軽減に用いられるタブ。

サーボタブ

操縦かん又は方向だ(舵)ペダルと直接結ばれ,

これを操作することによって主操縦だ(舵)面を

動かすタブ。

スプリングタブ

操縦だ(舵)面とタブ操作機構との間にばねを入

れたサーボタブで,速度に応じて操だ(舵)力が

調整されるタブ。

トリムタブ

主操縦だ(舵)面とは別の系統で操作され,トリ

ムを調整するタブ。

トリム板

主操縦だ(舵)面の後縁に取り付けられたトリム

修正用の固定式の小片。

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

胴体

乗員,乗客,貨物その他の搭載物及びその航空機

の主要な装備を収容する航空機の部分。

艇体

スポンソン

機室

水上で航空機を支持し,離着水に適した形状をも

った飛行艇の胴体。

胴体の側面に張り出した部分。

客室

操縦室

与圧室

風防

キャノピ

フェアリング

フィレット

ドッグツース

薄翼の前縁はく離渦の発生を安定にするため,外

翼部前縁に犬歯形の段を設けた平面形。

境界層板

境界層が翼端に向かって流れることを阻止するた

めに,翼の上面に気流方向に取り付けた板。

境界層のはがれを防止するため,機体表面に,気

流に対して適当な角度で並べて取り付けた小片。

ボルテックスジェネレ

ータ

パイロン

動力装置,回転翼,機外搭載物などを支持するた

めに,航空機の胴体,翼などから突き出ている構

造物。

レドーム

ナセル

レーダのアンテナの覆い。

エンジンナセル

主としてエンジン及びそれに付随する補機などを

収めるためのナセル。

カウリング

エンジン,放熱器などを覆って抵抗を減らし,若

しくは保護し,又は内部の気流を整えるための覆

い。

エンジンカウリング

カウルフラップ

エンジンの周りに取り付けられたカウリング。

エンジンポッド

エンジンを収めるために翼又は胴体から張り出し

て取り付けられるナセル。

テールブーム

テールコーン

操縦装置

尾翼又は尾部を,主翼,胴などに結合するために

後方に突き出ている構造物。

胴体後端の円すい状に整形された部分。

サーボ操縦装置

直接外気に接触しないように閉じられた操縦室及

び客室の総称。

乗客を乗せるように設備された機室。

操縦者が航空機を操縦する所で,操縦装置,操作

装置,計器などが集中的に取り付けられている機

室。

圧力が調整できるように作られた機室。

操縦者を風から遮へいし,前方の視野を確保する

ため,操縦室の前側に取り付ける透明な部分。

操縦席の透明な覆い。

空気抵抗を減らすため,形状を整える覆い。

気流の干渉による抵抗の増加を防ぐための,構造

の結合部の覆い。

胴体とは別に,航空機に付随するもの(エンジン,

乗員など)を収め,又は保護するための整形され

た覆い。

カウリング内の空気流量を調節するため,カウリ

ングの後端部に取り付けられた可動式の板。

航空機の運動方向,姿勢などを制御する装置の総

称。

機械的又は空気力学的な手段で,人間の力を補う

機構をもった操縦装置。

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W 0106-1995

番号

用語

定義

対応英語(参考)

不可逆操縦装置

操縦だ(舵)面に加えられる空気力が,操縦装置

の機構を逆に伝わることがないように作られた操

縦装置。

補力操縦装置

操だ(舵)力を動力装置で補うようにした操縦装

置。

機力操縦装置

油圧,電気などの動力で操縦だ(舵)面を動かす

機構をもった操縦装置。

自動操縦装置

飛行中における航空機の姿勢の変化や設定された

飛行条件に応じて,操だ(舵)面を自動的に作動

して,航空機の運動(方向,高度,速度など),姿

勢などを制御する装置。

他の装置(ILS,電波高度計など)との連動によっ

て,自動進入・着陸の機能をもつものもある。

操縦かん

昇降だ(舵)及び補助翼を操だ(舵)するための

棒又は柱状のもの。

操縦輪

方向だ(舵)ペダル

昇降だ(舵)及び補助翼を操だ(舵)するための

ハンドル。

方向だ(舵)を操だ(舵)するためのペダル。

降着装置

着陸装置

航空機を地上又は水上で支持し,離着陸又は離着

水のときに用いる装置の総称。

備考1. 車輪式,フロート式,そり式,スキー

式などの降着装置がある。

2. 水上ではないところで用いる降着装

置を,一般に着陸装置という。

前輪式着陸装置

機首にある一組の脚装置と,重心のやや後方にあ

る二組又はそれ以上の脚装置とで形成される着陸

装置。

尾輪式着陸装置

重心のやや前方にある二組の脚装置と,胴体後方

にある一組の脚装置とで形成される着陸装置。

引込脚

飛行中,翼,胴体などに引き込める形式の着陸装

置。

スキー式着陸装置

雪上,氷上などに離着陸できるようにスキーが取

り付けてある着陸装置。

フロート

航空機を水上で支持し,離着水時に使用する舟形

又は円筒状の降着装置。

浮き装置

陸上に発着する航空機が水上へ緊急着水したとき

に浮力を与える装置。

動力装置

エンジン本体及びその附属装置一切を含めたもの

の総称。

航空エンジン

航空機の推進力又は揚力を発生させる動力を得る

ために使用するエンジン。

ピストンエンジン

ピストンの往復運動を,連接棒を経てクランク軸

の回転運動に換えて動力を得る形式のエンジン。

ロケットエンジン

燃料とその酸化剤とを混合して燃焼させ,そのガ

スを噴出させてスラストを得る形式のエンジン。

タービンエンジン

圧縮機で圧縮した空気を燃料と混合して燃焼させ

たガスで,タービンを回す形式のエンジン。

ターボジェットエンジ

ガスを噴出させて,その反動でスラストを得る形

式のタービンエンジン。

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W 0106-1995

番号

用語

定義

対応英語(参考)

ターボファンエンジン

空気圧縮機の前方又はタービンの後方にファンを

備える形式のタービンエンジン。

ターボプロップエンジ

ガスのエネルギーをプロペラの回転に用いてスラ

ストを得る形式のタービンエンジン。

ガスのエネルギーを回転軸の回転に用いて動力を

得る形式のタービンエンジン。

ターボシャフトエンジ

ラムジェットエンジン

前進速度によるラム圧力を利用してダクトの中で

圧縮された気体の中で燃料を燃焼させ,ノズルで

膨張させることによって,スラストを得るエンジ

ン。

スラストリバーサ

ジェットエンジンの噴出するガスやファンの噴流

の向きを変えて逆方向のスラストを得る装置。

補助動力装置

種々の系統を駆動する動力を得るために機上に搭

載された補助エンジン及びその附属装置。

プロペラ

固定ピッチプロペラ

可変ピッチプロペラ

翼形断面をもつ羽根をエンジンによって回転させ

て推力を得る装置。

ピッチを変えることができないプロペラ。

回転中にピッチを変えることができるプロペラ。

定速プロペラ

回転速度を決めておくと,飛行姿勢,飛行速度な

どに関係なくその回転速度を維持する機構をもっ

たプロペラ。

フェザープロペラ

プロペラが風車回転しない位置まで,ピッチを変

えることができるプロペラ。

可逆ピッチプロペラ

ピッチの変更範囲が,負の角度にまで及ぶプロペ

ラ。

回転翼

翼形断面をもつ羽根を回転させて,揚力を得たり

方向の操縦などに用いる装置。

主回転翼

単回転翼機において,主として揚力を得るために

用いられる回転翼。

尾部回転翼

単回転翼機において,尾部に取り付けられ,主回

転翼のトルクの平衡,方向の操縦などに用いられ

る回転翼。

同軸回転翼

同一回転軸上に配置され,互いに逆方向に回転す

る回転翼。

タンデム回転翼

機体の前後に配置され,互いに逆方向に回転する

回転翼。

(4) 航空機の重量比に関する用語

番号

用語

定義

対応英語(参考)

馬力荷重

翼幅荷重

翼面荷重

飛行機の重量をエンジンの馬力で割った値。

飛行機の重量を翼幅で割った値。

飛行機の重量を総翼面積で割った値。

正味翼面荷重

スラスト荷重

スラスト重量比

円板荷重

飛行機の重量を正味翼面積で割った値。

飛行機の重量をエンジンのスラストで割った値。

エンジンのスラストを飛行機の重量で割った値。

回転翼航空機の重量を回転翼円板面積で割った

値。

(5) 航空機の空気力学・性能に関する用語

番号

用語

層流

定義

流体部分が層状に秩序正しく流れている状態。

対応英語(参考)

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10

W 0106-1995

番号

用語

乱流

静圧

定義

対応英語(参考)

流体部分が細かい渦を含み,不規則に混合しなが

ら流れている状態。

流れに平行な物体面に垂直に働く圧力。

参考 量記号ps又はpで表す。

動圧

流体がもっている単位体積当たりの運動エネルギ

ー。

参考 量記号qで表す。

総圧

全圧

流れが等エントロピー的(断熱可逆的)によどん

だ場合の圧力。非圧縮流れの場合は,静圧と動圧

の和に等しい。

参考 量記号pi又はptで表す。

境界層

流体の粘性が小さく速度が大きいとき,粘性の影

響が顕著に現れる物体表面に近い薄い層。

レイノルズ数

粘性力に対する流れの慣性力の比。

参考 量記号Reで表す。

揚力

流れの中に置かれた物体に働く全合力の,一様な

流れに直角な方向の成分。

参考 量記号Lで表す。

揚力係数

揚力をその物体に関係した特有な面積と流れの動

圧との積で割ったもの。

抗力

流れの中に置かれた物体に働く全合力の,一様な

流れの方向の成分。

参考 量記号Dで表す。

抗力係数

抗力をその物体に関係した特有な面積と流れの動

圧との積で割ったもの。

揚抗比

迎え角

同じ迎え角における揚力(係数)の抗力(係数)

に対する比。

翼の進行方向と,翼弦とのなす角。

参考 量記号αで表す。

横滑り角

航空機の対称面と,進行方向とのなす角。

参考 量記号βで表す。

空力中心

(くうりきちゅうしん)

翼形において,ある点周りの空気合力のモーメン

トが,迎え角にかかわらず一定である点。

マッハ数

横揺れ

縦揺れ

音速に対する航空機の対気速度又は流れの速度の

比。

参考 量記号Maで表す。

機体の前後軸周りの回転運動。

機体の左右軸周りの回転運動。

機体の上下軸周りの回転運動。

偏揺れ

(かたゆれ)

バンク角

水平姿勢を基準として測った左右の姿勢角。

参考 量記号φで表す。

横滑り

横転

宙返り

水平飛行

航空機がその対称面と平行でない運動をするとき

の状態。

機体の前後軸周りに回転する飛行。

垂直面内に閉円形の経路を描く対称飛行。

一定高度を保つ飛行。

上昇

ズーム

高度を次第に増す飛行。

水平飛行で加速し,その余力によって短時間に急

上昇をする飛行。

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W 0106-1995

番号

用語

定義

対応英語(参考)

急降下

旋回

滑空

失速

きりもみ

飛行機が完全に失速した後に起こる運動で,機体

が旋回しながら急降下する状態。

曲技飛行

飛行姿勢,高度,速度などの急激な変化を伴う,

故意に行う操縦運動。

横安定

縦安定

方向安定

横揺れ,偏揺れ,横滑り又はこれらのいずれかの

組合せを含む運動に関する安定。

対称面内の運動に関する安定。

静安定

釣合い状態からじょう乱を受けたときに生じる力

やモーメントによって,機体が元の釣合い状態に

戻るかどうかの傾向。

動安定

釣合い状態からじょう乱を受けたときに生じる力

やモーメントによって,機体が時間の経過によっ

てどのような挙動を示すかの性質。

トリム

真対気速度

指示対気速度

航空機の対気姿勢角を希望する値に保持し,その

ときの操だ(舵)力を零とすること。この状態で

は釣合いがとれている。

なお,航空機の対気姿勢角を希望する値に保持す

ることだけをトリムということもある。

大気に相対的な真の速度。

参考 量記号VTで表す。

通常の動圧型速度計が指示する速度。

参考 量記号VIで表す。

校正対気速度

等価対気速度

対地速度

最大速度

巡航速度

着陸速度

機首を急角度に下げて行う急角度の降下経路をも

つ飛行。

飛行方向を変える運動。

グライダがえい(曳)航力から切り離されて行う

飛行,又は飛行機がエンジン停止状態で行う飛行。

翼の揚力が迎え角の増大とともに増し,ある迎え

角に達すると翼上面の気流にはく離を生じ,揚力

が急減する現象。

偏揺れ,横滑り又はこれらの組合せを含む運動に

関する安定。

指示対気速度に速度計系統の各種誤差(ピトー圧,

静圧管,指示計などに関するもの)の補正を施し

た速度。

参考 量記号VCで表す。

校正対気速度に空気の圧縮性の影響を加えた速度

で,真対気速度と相対空気密度の平方根との積と

して得られる。

海面上標準大気状態では,校正対気速度と等しく

なる。

参考 量記号VEで表す。

飛行中の航空機と地表面との相対的な水平飛行速

度。

連続最大出力又は連続最大スラスト時の定常水平

飛行速度。

巡航飛行時の速度。

航空機が着陸進入を開始してから接地するまでの

間にとる速度の総称。

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W 0106-1995

番号

用語

定義

対応英語(参考)

失速速度

地面効果

失速状態に突入する寸前の速度。

ホバリング

ヘリコプタや垂直離着陸機が空中で停止飛行する

状態。

絶対上昇限度

標準大気内で航空機が連続最大出力状態で水平飛

行を維持できる最大高度。

実用上昇限度

標準大気内で航空機の上昇率を0.5m/s (100 ft/min)

に維持できる最大高度。

ホバリング上昇限度

上昇率

ヘリコプタや垂直離着陸機がホバリングできる最

大高度。

航空機が上昇する場合の垂直方向の速度。

降下率

航続距離

航空機が降下する場合の垂直方向の速度。

航続時間

離陸重量

着陸重量

ペイロード

航空機がその搭載燃料によって飛行を持続できる

時間。

航空機の離陸時の重量。

航空機の着陸時の重量。

離陸距離

航空機が静止出発点から加速を行い所定の高度に

達するまでに要する水平距離。

着陸距離

航空機が着陸に際し,所定高度の点から接地し完

全に停止するのに要する水平距離。

飛行性

安定性,操縦性のほかに,操縦士の特性,操縦系

統の特性,飛行状態,大気の乱れ,故障時の特性

なども考慮した場合の飛行特性。

操縦性

操縦士が操縦によって定常飛行を維持し,また,

ある飛行状態から他の飛行状態に移る場合の操縦

操作の難易の性質。

運動性

航空機の曲技飛行,旋回運動などの各種の運動が

円滑に行われるか否かの性質。

安定性

航空機が定常運動中に突風などによって,じょう

乱を受け動揺を起こしたとき,操縦士が復元のた

めの操縦を行わなくても,自力で元の定常状態に

戻る特性。

固定翼機又は回転翼機が,地面付近を飛行すると

き,主翼・尾翼の揚力又は回転翼の推力が地面の

反作用を受けて増大する効果。

航空機がその搭載燃料によって飛行を持続できる

距離。

参考 量記号Rで表す。

有効搭載量(乗員,燃料,乗客,貨物など)のう

ち,輸送の対象となる乗客,手荷物,貨物,郵便

物などの重量。

(6) 航空機の運航・整備に関する用語

番号

用語

定義

対応英語(参考)

運航規程

航空運送事業者が,運輸大臣の認可を受けなけれ

ばならない運航に関する規程。

飛行規程

航空機に搭載しなければならない書類で,航空機

の性能,操作などを示すもの。

運用限界

積載物の重量,速度,高度などの航空機の運用可

能範囲。

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W 0106-1995

番号

用語

定義

対応英語(参考)

航空日誌

航空機に搭載しなければならない航空機の飛行及

び整備の実施記録。

整備規程

航空運送事業者が,運輸大臣の認可を受けなけれ

ばならない整備に関する規程。

航空機及び装備品の設計,製造について運輸大臣

が行う安全性の証明。

型式証明

(かたしきしょうめい)

耐空証明

個々の航空機について運輸大臣が行う安全性の証

明。

飛行計画

出発地,到着地,時刻,速度,高度,航路などの

飛行予定。

航法

計画された飛行位置,方向などを正しく航行する

方法。

有視界飛行

気象状態が,定められた基準以上の場合,計器に

よらないで行う飛行。

計器飛行

航空機の姿勢,高度,位置及び針路の測定を計器

だけに依存して行う飛行。

航空路

運輸大臣が指定する,航空機の運航に適する空中

の通路。

航空交通管制業務

運航整備

整備性

航空交通が安全で秩序ある流れを維持する目的で

行われる業務。

運航の間に駐機場で行う整備。

整備の容易さを表す性質又は度合い。

飛行時間

離陸から着陸までの時間。

航空機が動き出してから停止までの時間は,ブロ

ック・タイムと呼び区別される。

航空管制官

航空交通管制業務をつかさどる運輸省組織に定め

られた官職。

運航乗務員

運航管理者

操縦室で航空機の操縦又は操作に従事する者。

航空整備士

航空機の整備作業について確認を行う資格をもつ

者。

飛行場

滑走路

誘導路

航空機が離着陸する施設。主として,航空運送の

用に供する公共飛行場を空港という。

航空機が離陸及び着陸の際滑走を行う区域。

滑走路と駐機場との間の通路。

エプロン

スポット

格納庫

旅客の乗降,貨物の積卸し,給油,整備などを行

うため,航空機が駐機する場所。

航空機の駐機場所で特に区画整理されたもの。

航空機の整備及び格納を行うための施設。

管制塔

地上走行

飛行場管制を行うための施設。

飛行場管制

進入管制

定期航空会社にだけ要求される資格者で,飛行情

報及び飛行計画の作成を行う者。

航空機が自らの動力によって地上を移動するこ

と。

飛行場及びその周辺における航空交通管制。

計器飛行状態で出発,着陸する航空機に指示又は

誘導を行う航空交通管制。

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W 0106-1995

原案作成委員会 構成表

氏名

(委員長)

(副委員長)

(委員)

(事務局)

所属

松 木 正 勝

日本工業大学

葛 馬 孝

石川島播磨重工業株式会社

平 井 敏 文

通商産業省機械情報産業局

山 村 修 蔵

工業技術院標準部

(笹 尾 照 夫) (工業技術院標準部)

平 沢 愛 祥

運輸省航空局

寺 川 義 彦

海上保安庁装備技術部

中 西 忠 雄

防衛庁装備局

山 根 晧三郎

科学技術庁航空宇宙技術研究所

守 田 正 公

社団法人日本航空技術協会

中 込 常 雄

日本工業標準調査会自動車航空部会

規格調整専門委員会

久木田 実 守

株式会社富士キメラ総研

白 浜 洋 海

日本航空株式会社

吉 井 正 洋

株式会社日本エアシステム

渡 辺 正

川崎重工業株式会社

香 坂 哲 哉

株式会社島津製作所

藤 井 洋 三

帝人製機株式会社

曽 我 章

日本航空電子工業株式会社

渡 辺 晃

日本飛行機株式会社

中 神 雄 三

富士重工業株式会社

清 田 紀 男

三菱電機株式会社

廣 田 和 弘

三菱重工業株式会社

宇田川 知 行

横河電機株式会社

播 磨 克 彦

アエロスペック研究会

礒 部 瑛 二

社団法人日本航空宇宙工業会