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Z 8720:2012

ページ

序文 ··································································································································· 1

1 適用範囲························································································································· 1

2 引用規格························································································································· 1

3 用語及び定義 ··················································································································· 1

4 標準イルミナント及び補助イルミナント ··············································································· 2

4.1 標準イルミナント及び補助イルミナントの種類 ···································································· 2

4.2 標準イルミナント ·········································································································· 3

4.3 補助イルミナント ·········································································································· 3

4.4 補助イルミナントに準じて測色に用いるイルミナント ··························································· 3

5 標準光源及び常用光源 ······································································································· 4

5.1 標準光源及び常用光源の種類 ··························································································· 4

5.2 標準光源 ······················································································································ 4

5.3 常用光源 ······················································································································ 5

附属書A(規定)常用光源の分光分布の評価方法 ······································································· 9

附属書B(参考)参考文献 ···································································································· 24

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 25

(1)

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Z 8720:2012

まえがき

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本色彩学会(CSAJ)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS Z 8720:2000は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(2)

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日本工業規格

JIS

Z 8720:2012

測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源

Standard illuminants and sources for colorimetry

序文

この規格は,2005年に発行されたISO 23603を基とし,技術的内容を変更して作成した日本工業規格で

ある。また,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項であ

る。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。

なお,この規格の対応国際規格は附属書Aが対応し,箇条3〜箇条5は対応していない。

1

適用範囲

物体色の測色に用いる標準イルミナント(標準の光)及び補助標準イルミナント(補助標準の光)並び

に標準光源及び常用光源について規定する。

なお,色の視感評価,測色に用いる常用光源による放射照度の分光特性を評価する方法及び常用光源の

品質等級の評価方法は,附属書Aに規定する。

注記 この規格の対応国際規格及び対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 23603:2005/CIE S 012/E:2004,Standard method of assessing the spectral quality of daylight

simulators for visual appraisal and measurement of colour(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“変更している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS Z 8105 色に関する用語

JIS Z 8113 照明用語

JIS Z 8701 色の表示方法−XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系

JIS Z 8781-2 測色−第2部:CIE測色用標準イルミナント

CIE 15:2004,Colorimetry, 3 rd edition

CIE 63:1984,The spectroradiometric measurement of light sources

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8105及びJIS Z 8113によるほか,次による。

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2

Z 8720:2012

3.1

イルミナント(illuminant)

それで照明された物体の色知覚に影響を及ぼす波長域全体の相対分光分布が規定されている放射。以前

は,測色用の光といった(JIS Z 8105の2011参照)。

3.2

昼光イルミナント(daylight illuminant)

昼光のある様相とほぼ等しい相対分光分布をもつように定めたイルミナント。主として,北空について

の多くの分光測定値から統計的手法によって各々の相関色温度における昼光の代表としてCIEが定めた

分光分布をいい,それを明確にするためには,CIE昼光,又はCIE昼光イルミナントと呼ぶ(JIS Z 8105

の2012参照)。

3.3

標準イルミナント(CIE standard illuminant)

JIS Z 8781-2によって相対分光分布が規定された標準イルミナントA及び標準イルミナントD65(JIS Z

8105の2013参照)。

3.4

補助標準イルミナント(supplementary standard illuminant)

CIE 15.3によって相対分光分布が規定された,その相関色温度がケルビン(K)単位で,それぞれ,5 000

×(1.438 8/1.438 0),5 500×(1.438 8/1.438 0),7 500×(1.438 8/1.438 0) である3種類の昼光イルミナントD50,

D55,及びD75,並びにイルミナントC[(以下,補助イルミナントという。)(JIS Z 8105の2014参照)]。

注記 昼光イルミナントD50,D55,及びD75の相関色温度は,それぞれ約5 003 K,約5 503 K及び

約7 504 Kになる。

3.5

標準光源(CIE standard sources)

仕様がCIEによって規定され,標準イルミナントの相対分光分布を実現する人工光源(JIS Z 8105の2015

参照)。

3.6

常用光源(daylight simulator)

物体色の色比較を行う場合に,実用的に標準イルミナントD65並びに補助イルミナントD50,D55,及

びD75の代用として用いられる相対分光分布をもつ人工光源(JIS Z 8105の2016参照)。

4

標準イルミナント及び補助イルミナント

4.1

標準イルミナント及び補助イルミナントの種類

標準イルミナントの種類は,JIS Z 8781-2の箇条4及び箇条5で規定する次の2種類とする。

a) 標準イルミナントA

b) 標準イルミナントD65

また,補助イルミナントの種類は,次の4種類とする。

c) 補助イルミナントD50

d) 補助イルミナントD55

e) 補助イルミナントD75

f)

補助イルミナントC

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3

Z 8720:2012

上記以外に4.4に規定するイルミナントを,補助イルミナントに準じて用いてもよい。

4.2

4.2.1

標準イルミナント

標準イルミナントA

標準イルミナントAは,表1に規定する相対分光分布(以下,分光分布という。)をもつ放射であって,

白熱電球で照明される物体色を表示する場合に用いる。

標準イルミナントAの分布温度は,約2 856 Kであるので,これと分布温度が異なる白熱電球で照明さ

れる物体色を表示する必要がある場合には,4.4に規定する任意の温度のプランクの放射体の放射を,補助

イルミナントに準じて用いてもよい。

4.2.2

標準イルミナントD65

標準イルミナントD65は,表1に規定する分光分布をもつ放射であって,昼光で照明される物体色を表

示する場合に用いる。

標準イルミナントD65の相関色温度は,約6 504 Kであるので,これと異なる相関色温度の昼光イルミ

ナントで照明される物体色を表示する必要がある場合は,4.3.1に規定する補助イルミナントD50,D55又

はD75を,標準イルミナントの代わりに用いる。場合によっては4.4に規定する任意の相関色温度のCIE

昼光を補助イルミナントに準じて用いてもよい。

4.3

4.3.1

補助イルミナント

補助イルミナントD50,D55及びD75

補助イルミナントD50,D55及びD75は,表2に規定する分光分布をもつ放射であって,相関色温度が

それぞれ約5 003 K,約5 503 K及び約7 504 Kに近似する昼光で照明される物体色を表示する必要がある

場合に用いる。

4.3.2

補助イルミナントC

補助イルミナントCは,表2に規定する分光分布をもつ放射であって,昼光で照明される物体色を表示

する場合に用いる。ただし,補助イルミナントCは紫外放射で励起されて蛍光を発する物体色の表示に用

いてはならない。

4.4

補助イルミナントに準じて測色に用いるイルミナント

補助イルミナントに準じて測色に用いるイルミナントは,標準イルミナントA及びD65並びに補助イル

ミナントD50,D55,D75及びC以外の,次に規定する任意の温度の完全放射体の光又は任意の相関色温

度のCIE昼光とする。

a) プランクの放射体の分光分布 任意の絶対温度T(K) におけるプランクの放射体の分光分布は,式(1)

によって計算する。

S

p

(

λ=

,

T

)

a

λ

exp

5

ここに,

c

2

T

λ

1

1

························································ (1)

Sp(λ,T): 完全放射体の分光分布

a: 波長560 nmにおける分光分布の値が100.00になるよ

うに規準化するための定数

c2: 定数であって,その値は1.438 8×107 nm・Kとする。

λ: 波長(nm)

T: プランクの放射体の絶対温度(K)

注記1 例えば,標準イルミナントAの分光分布の値は,式(1)の絶対温度Tを2 848×

(1.438 8/1.435 0) (K) として求められる。

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4

Z 8720:2012

b) CIE昼光の分光分布 任意の相関色温度Tcp(K) のCIE昼光の5 nm間隔の分光分布の値は,次に規定

する方法によって計算する。

1) CIE昼光の色度座標 CIE昼光のXYZ表色系(JIS Z 8701)における色度座標xD,yDは,式(2)及び

式(4)又は式(3)及び式(4)によって求める。

相関色温度Tcpが4 000 K以上7 000 K以下の場合の色度座標xDは,式(2)によって計算する。

.4

6070

x=

D

10

9

10

6

T

cp

T

cp

+

.2

9678

3

+

.0

09911

2

10

3

+

.0

244063 ························ (2)

T

cp

相関色温度Tcpが7 000 Kを超え25 000 K以下の場合の色度座標xDは,式(3)によって計算する。

.2

0064

x=

D

10

9

10

6

T

cp

T

cp

+

.1

9018

3

+

.0

24748

2

10

3

+

.0

237040 ························ (3)

T

cp

色度座標yDは,式(4)によって計算する。

2

y

D

= −

.3

000

x

D

+

.2

870

x

D

.0

275 ···················································· (4)

2) CIE昼光の分光分布の計算 任意の相関色温度TcpのCIE昼光の5 nm間隔の分光分布の値は,次の

式(5)及び式(6)によって計算する。

S

D

()

λ

S

0

()

λ

+

M

1

S

1

()

λ

+

M

2

S

2

()

λ

··················································· (5)

M

1

.1

3515

.1

7703

x

D

+

.5

9114

y

D

.0

0241

+

.0

2562

x

D

.0

7341

y

D

.0

0300

31

.

4424

x

D

+

30

.

0717 y

D

M

2

.0

0241

+

.0

2562

x

D

.0

7341

y

D

ここに,

········································ (6)

SD (λ): CIE昼光の分光分布の値

S0 (λ),S1 (λ),S2 (λ): 表3に規定する値

M1,M2: 色度座標xD,yDによって定められる係数

xD,yD: CIE昼光のXYZ表色系における色度座標

標準イルミナントD65並びに補助イルミナントD50,D55及びD75の分光分布は,式(2)又は式(3)

の相関色温度Tcpをそれぞれ6 500×(1.438 8/1.438 0) (K),5 000×(1.438 8/1.438 0) (K),5 500×(1.438 8/

1.438 0) (K) 及び7 500×(1.438 8/1.438 0) (K) として求めた値を用いてもよい。

注記2 標準イルミナントD65並びに補助イルミナントD50,D55及びD75の相関色温度は,そ

れぞれ約6 504 K,約5 003 K,約5 503 K及び約7 504 Kになる。

5

標準光源及び常用光源

5.1

標準光源及び常用光源の種類

標準光源の種類は,JIS Z 8781-2の箇条6に規定する次の2種類とする。

a) 標準光源A

b) 標準光源D65

また,常用光源の種類は,次の4種類とする。

c) 常用光源D65

d) 常用光源D50

e) 常用光源D55

f)

常用光源D75

5.2

標準光源

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5

Z 8720:2012

5.2.1

標準光源A

標準光源Aは,分布温度約2 856 Kのガス入りタングステン電球1) で,ガラス球は無色透明のものとす

る。ただし,標準イルミナントの分光分布を紫外部まで近似的に実現するためには,分布温度約2 856 K

の石英ガラス球の二重コイルハロゲン電球2) を使用する。

注1) JIS C 7526参照。

2) JIS C 7527参照。

5.2.2

標準光源D65

標準イルミナントD65を実現する人工光源は,現在実用化されていない。

5.3

常用光源

常用光源D65,D50,D55及びD75は,それぞれ標準イルミナントD65並びに補助イルミナントD50,

D55及びD75を,近似的に実現するための光源とする。常用光源は,分光分布の値が表1及び表2に規定

する値に近似していなければならない。近似のよさの評価は,附属書Aに規定する方法による。

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Z 8720:2012

表1−標準イルミナントA及びD65の相対分光分布

波長 nm

波長 nm

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7

Z 8720:2012

表2−補助イルミナントD50,D55,D75及びCの相対分光分布

波長 nm

注記 −線の箇所は分光分布を求めていない。

波長 nm

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Z 8720:2012

表3−CIE昼光の相対分光分布を計算するためのS0 (λ),S1 (λ)及びS2 (λ)の値

波長 nm

波長 nm

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9

Z 8720:2012

附属書A

(規定)

常用光源の分光分布の評価方法

A.1 概要

この附属書の方法は,等級区分された常用光源の色度について,CIE標準イルミナント又はシミュレー

トされているCIE昼光の色度からの最大許容偏差を求めて評価する方法である。

A.2 定義

この附属書で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8105,JIS Z 8113及びこの規格の本体によるほか,次によ

る。

A.2.1

シミュレータ(simulator)

色の視感評価又は測定するためのCIE標準イルミナント又はCIE昼光とほぼ等しい分光放射照度を提

供する人工光源。

A.2.2

品質等級(quality grade)

CIE標準イルミナント又はCIE昼光の分光放射照度のシミュレーションの品質の等級。記号A,B,C,

D,又はEのように表され,Aを最高品質とする。

A.2.3

反射率係数,R(reflectance factor)

微小面要素上の,その微小面要素を頂点とする与えられたすい(錐)体に含まれる反射放射の一部分及

び与えられた分光組成,偏光,幾何条件分布の入射放射について,同じように照射又は照明されている完

全拡散反射体の放射束又は光束に対する,与えられたすい(錐)体によって区切られた方向における媒質

の放射束又は光束の比。記号:R(JIS Z 8113の04072参照)

A.2.4

放射輝度率,βR(reflected radiance factor)

明示された入射条件の下で,与えられた方向での非発光媒質の表面を代表する要素における,照射され

た完全拡散反射体の放射輝度に対する与えられた方向における媒質の反射による放射輝度の比。記号:βR

A.2.5

蛍光放射輝度率,βF(fluorescent radiance factor)

明示された入射条件の下で,与えられた方向での非発光媒質の表面要素における,照射及び観察される

完全拡散反射体の放射輝度に対する物体の蛍光による放射輝度の比。記号:βF

A.2.6

全放射輝度率,βT(total radiance factor)

明示された入射条件の下で,与えられた方向での非発光媒質の表面を代表する要素における,放射輝度

率βRと蛍光放射輝度率βFとの和。記号:βT

A.2.7

蛍光放射効率(fluorescent radiant efficiency)

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Z 8720:2012

照明された蛍光物体の分光放射励起強度に対する,与えられた分光励起に対する蛍光発光によって放射

された放射強度の比。

A.2.8

蛍光試料の分光外部蛍光放射効率,Q(spectral external radiant efficiency of the fluorescent specimen)

照射されている蛍光試料の全放射励起強度に対する励起波長λ' の蛍光過程によって放射された放射強

度の比。記号:Q(λ') ここで,λ' は励起波長である。

A.2.9

全放射励起,N(total radiant excitation)

励起されている蛍光による照明された物体の全放射強度。記号:N

A.2.10

蛍光による放射輝度の相対分光分布,F(relative spectral distribution of radiance due to fluorescence)

=

に対する比。

蛍光による放射輝度の分光分布の,この分光分布の数表データの和,すなわち,

F

()

λ1

記号:F(λ)

λ

A.2.11

条件等色指数,M(metamerism index)

条件等色対の条件等色(メタメリズム)の程度を表す指数。

A.2.12

可視条件等色指数,Mv(metamerism index for visible-range)

常用光源の可視部の分光分布の評価に用いる条件等色指数。

A.2.13

蛍光条件等色指数,Mu(metamerism index for ultraviolet-range)

常用光源の紫外部の分光分布の評価に用いる条件等色指数。

A.3 要求事項

A.3.1 色度許容差

シミュレータの最初の要求事項は,CIE昼光の光と近似した色度を規定する。この規格によって区分を

与える常用光源とCIE昼光との間のCIE 1976 u'10 v'10色度差は,0.015を超えてはならない(CIE 15:2004

参照)。

A.3.2 品質等級

A.3.1で記載されている色度の要求事項は,許容差及びこの規格の方法によって決定される条件等色指数

による。表A.1による品質等級を示す記号を用いてシミュレーションの分光特性は,区分される。

分光的シミュレーションの品質は,可視スペクトルと紫外スペクトルとについて評価され,別々の品質

等級が二つのスペクトル領域に対して割り当てられる。品質等級は,二つの記号として表記する。可視領

域に対する品質等級は最初に指定される。例えば,記号BCは,常用光源が可視スペクトルに対して品質

等級B,紫外スペクトルに対して品質等級Cであることを意味する(これらの等級をもつ常用光源は,多

くの応用に対して有効である。)。

A.4 試験方法

A.4.1 分光放射測定

常用光源の相対分光放射照度(物体表面における放射束の相対分光強度分布)は,300 nm〜780 nmの波

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11

Z 8720:2012

長範囲の近紫外及び可視スペクトルについて,分光放射測定によって測定しなければならない。要求され

る放射量は,観察又は測定される表面における相対分光放射照度である。この手続は,光源の分光放射輝

度だけでなく,相対分光放射照度に影響するレンズ,反射体,拡散体,又はフィルタの分光的効果が含ま

れている。

300 nm以下の波長における分光放射照度を与える光源は,常用光源として適合しない。太陽からくる短

波長における放射強度は,地球大気で吸収されるので,自然昼光には含まれていない。

相対分光放射照度は,300 nm〜780 nmまでの波長にわたって,5 nm間隔で波長幅5 nmで測定されなけ

ればならない。測定は,分光放射計の種類,及び相対分光放射照度に輝線成分が含まれているかどうかに

よって,直接測定又は測定と補間との組合せによって行う。蛍光ランプのように相対分光放射照度に輝線

が含まれているときは,分光データは,CIE 63:1984の方法によって処理される。

A.4.2 計算方法

A.4.2.1 正規化

常用光源の分光放射照度は,測定の絶対値に依存するため,正規化される。正規化された分光放射照度

は,式(A.1)によって計算する。

S

n

()

λ

=780

100 S

()

λ

························································ (A.1)

S

()

λ

y

10

()

λ

λ

300

ここで,S(λ) は測定された放射照度である。添字nは正規化された量を示す。 y

10

()

λ

は,CIE 1964測色

標準観測者の等色関数(CIE 15:2004参照)の一つである。Δλは,積算に用いられた波長間隔であり,積

算は300 nm〜780 nmまでの波長範囲である。

A.4.2.2 色度偏差

常用光源からの光とCIE測色用標準イルミナント又はCIE昼光との間のCIE 1976 u'10 v'10色度差は,

0.015を超えてはならない。この計算を容易にするため,CIE 15:2004にある四つのCIE昼光の色度座標を

表A.2に示す。

A.4.2.3 条件等色対

A.4.2.3.1 可視域評価のための条件等色対

可視域評価のための条件等色対のセットは,表A.3及び表A.4の分光放射輝度率によって規定する。そ

れぞれの条件等色対は,CIE 1964測色標準観測者に対して等色する物体を表す標準用スペクトルと比較用

スペクトルをもっている。五つの標準用スペクトルを,表A.3に示す。表A.3のセットは四つのCIE昼光

全てに用いる。五つの比較用スペクトルは,四つのCIE昼光それぞれについて,表A.4a〜表A.4dに示す。

A.4.2.3.2 紫外域評価用のための条件等色対

紫外域評価用の三つの条件等色対を,表A.5及び表A.6a〜表A.6dに示す。

三つの蛍光試料を,表A.5に示す。反射及び蛍光特性は,分光放射輝度率βR(λ),蛍光による放射輝度の

相対分光分布F(λ),及び蛍光試料の分光外部蛍光放射効率Q(λ') を数表によって示す。

三つの非蛍光試料の分光放射輝度率を,表A.6a〜表A.6dに示す。

A.4.2.4 条件等色指数の計算

三刺激値は,CIE 1964測色標準観測者の等色関数,常用光源の正規化された相対分光放射照度を用いて,

A.4.2.4.1及びA.4.2.4.2の方法で計算しなければならない(CIE 15:2004参照)。

A.4.2.4.1 可視域評価のための指数

常用光源の正規化された分光放射照度を用いて,表A.3及び表A.4a〜表A.4dの五つの条件等色対の三

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刺激値を計算しなければならない。CIE 1976 L*a*b*色差式を用いて,標準用物体と対応する比較用物体の

間の色差ΔE*abは,五つの対それぞれについて小数点以下3桁で計算しなければならない。可視条件等色

指数Mvは,五つの色差の平均である(CIE 15:2004参照)。

A.4.2.4.2 紫外域のための指数

蛍光物体は,スペクトルの紫外域の放射強度を吸収し,スペクトルの可視域に光を放射する。放射され

た光は,物体の色に影響する。三つの蛍光物体は,紫外スペクトルの三つの異なった波長領域で放射を吸

収する。これらの蛍光励起特性は,一般に,増白するために用いられている代表的なものである。

紫外及び可視スペクトル成分両方をもっている常用光源で,蛍光物体が照明されるとき,物体は光を反

射し,蛍光による光を放射する。物体から放射された光は,これらの二つの成分の和である。放射された

光量は,蛍光物体の蛍光放射効率に依存し,励起量は,常用光源によって供給される放射照度の紫外分光

分布に依存する。

表A.5の蛍光標準試料の全放射励起Nは,式(A.2)によって計算する。

460

N

=∑

λ

Q

λ

∆ ′ ′

··························································· (A.2)

S

n

()()λ

300

ここで,Sn(λ') は,300 nm〜460 nmまでのスペクトル領域における常用光源の正規化された分光放射照

度,表A.5に示すQ(λ') は,300 nm〜460 nmまでのスペクトル領域にわたる蛍光物体の分光外部蛍光放射

効率,及びΔλ' は5 nmの波長間隔である。

分光蛍光放射輝度率βF(λ) は,式(A.3)によって計算する。

()

β

F

()

λ

=

····································································· (A.3)

S

n

()

λ

ここで,Nは式(A.2)によって計算される全放射励起,F(λ) は表A.5に示されている蛍光による放射輝度

の相対分光分布,及びSn(λ) は常用光源の正規化された分光放射照度分布である。

全分光放射輝度率βT(λ) は,式(A.4)によって計算する。

β

T

()

λ

=

β

R

()

λ

+

β

F

()

λ

······························································· (A.4)

ここで,βR(λ) は,表A.5の試料1〜試料3の反射分光放射輝度率,及びβF(λ) は式(A.3)で計算される蛍

光放射輝度率である。

それぞれの条件等色対の三刺激値は,常用光源の正規化された相対分光放射照度分布,標準物体の分光

放射輝度率,及び表A.6a〜表A.6dの比較用試料の分光放射輝度率を用いて計算しなければならない。そ

れぞれの条件等色対の色差は,CIE 1976 L*a*b*色差式によって小数点以下3桁で計算しなければならない。

蛍光条件等色指数Muは,三つの条件等色対の平均色差である。

表A.1−昼光シミュレータの品質分類

品質等級

条件等色指数

Mv又はMu

0.25以下

0.25を超え0.5以下

0.5を超え1.0以下

1.0を超え2.0以下

2.0を超える

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表A.2−CIE昼光イルミナントのCIE 1976 u'10 v'10色度座標

CIE昼光

表A.3−可視域の評価に用いる標準用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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Z 8720:2012

表A.4a−D50の可視域の評価に用いる比較用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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Z 8720:2012

表A.4b−D55の可視域の評価に用いる比較用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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Z 8720:2012

表A.4c−D65の可視域の評価に用いる比較用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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表A.4d−D75の可視域の評価に用いる比較用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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Z 8720:2012

表A.5−常用光源の紫外域の評価に用いる蛍光標準試料の分光特性

波長

試料1

試料2

試料3

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Z 8720:2012

表A.5−常用光源の紫外域の評価に用いる蛍光標準試料の分光特性(続き)

波長

試料1

試料2

試料3

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Z 8720:2012

表A.6a−D50の紫外域の評価に用いる比較用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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Z 8720:2012

表A.6b−D55の紫外域の評価に用いる比較用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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表A.6c−D65の紫外域の評価に用いる比較用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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表A.6d−D75の紫外域の評価に用いる比較用試料の分光放射輝度率の値

波長

試料

波長

試料

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Z 8720:2012

附属書B

(参考)

参考文献

JIS C 7526 光度標準電球

JIS C 7527 ハロゲン電球(自動車用を除く)−性能仕様

McCAMY, C. S., Metamers for assessing the quality of CIE D50 simulators. Color Res. Appl., 21,(1996),

pp.236-238.

McCAMY, C. S., New metamers for assessing the visibli spectra of daylight simulators and a method of

evaluating them. Color Res. Appl., 24, (1999), pp.322-330.

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Z 8720:2012

附属書JA

(参考)

JISと対応国際規格との対比表

JIS Z 8720:2012 測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源

(I)JISの規定

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

1 適用範

物体色の測色に用

いる標準イルミナ

ント(標準の光)及

び補助標準イルミ

ナント(補助標準の

光)並びに標準光源

及び常用光源につ

いて規定。

なお,色の視感評

価,測色に用いる常

用光源による放射

照度の分光特性を

評価する方法及び

常用光源の品質等

級の評価方法を附

属書Aで規定。

(III)国際規格の規定

箇条番号

内容

色の視感評価,測色に用

いる常用光源による放射

照度の分光特性を評価す

る方法及び常用光源の品

質等級の評価方法を規

定。

箇条ごと

の評価

追加

(V)JISと国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

技術的差異の内容

本体で,測色用の標準イルミナ

ント及び標準光源の規定を追

加し,対応国際規格は附属書A

で規定した。

ISO 23603では,常用光源の分光

特性の評価方法及び品質等級の

評価方法だけが規定されており,

常用光源の定義,種類,特性につ

いてはCIE 15を引用するだけで

具体的な記載がないため,ユーザ

ーにとって使いにくいものにな

っている。

一方,ISO 23603は標準イルミナ

ントを規定しているISO 11664-2

と密接に関係している。しかし,

ISO 11664はパート1〜6のうち,

現在,パート6が審議中であり制

定に至っていない。この審議結果

を待ち,ISO規格との一致規格で

あるJIS Z 8781-1〜JIS Z 8781-6

との整合を図り,ISO 23603の一

致規格を新たに制定する。

2 引用規

内容

国際規格

番号

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内容

(III)国際規格の規定

箇条番号

内容

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JISと国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇条ごと

の評価

追加

測色用の標準イルミナント及

び標準光源に関する用語を追

加した。

適用範囲での対策と同様

技術的差異の内容

3.1 イルミナント,

3.2 昼光イルミナン

ト,3.3 標準イルミ

ナント,3.4 補助標

準イルミナント,3.5

標準光源,3.6 常用

光源

附属書Aの用語について

規定

4 標準イ

ルミナン

ト及び補

助イルミ

ナント

5 標準光

源及び常

用光源

標準イルミナント

及び補助イルミナ

ントについて規定。

追加

ISO規格にはない標準イルミ

ナント及び補助イルミナント

に関する規定を追加した。

適用範囲での対策と同様

標準光源及び常用

光源について規定。

追加

ISO規格にはない標準光源及

び常用光源に関する規定を追

加し,近似のよさは附属書A

とした。

適用範囲での対策と同様

附属書A

常用光源の分光分

布の評価方法につ

いて規定。

JISとほぼ同じ

変更

適用範囲及び引用規格は本体

に移し,構成を変更したが,技

術的内容は一致している。

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 23603:2005,MOD

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD…………… 国際規格を修正している。

箇条番号

及び題名

3 用語及

び定義

国際規格

番号

(I)JISの規定