フェンタニルとその濫用
Fentanyl and its misuse
★フェンタニール乱用の基礎知識:フェンタニルは、 モルヒネの約100倍、ヘロインの約50倍の鎮痛作用を持つ非常に強力な合成オピオイド(医療用麻薬)である。がんの激しい痛みや手術時の麻酔・鎮痛に用 いられる一方、高い依存性と致死的な呼吸抑制リスクがあり、米国では不法に流通し多数の死者を出している社会問題物質でもある(→「フェンタニル」)。
歴史![]() ポール・ヤンセン像 フェンタニルは、比較的新しく設立されたヤンセンファーマの商標の下、ポール・ヤンセン(英語版、オランダ語版)によってベルギーで初めて1959年に合 成された[149]。ペチジン(メペリジン)に類似した化学物質をオピオイド活性についてスクリーニングすることによって開発された[150]。フェンタ ニルは広範に使用され、クエン酸フェンタニル(フェンタニルとクエン酸を1:1の化学量論比で結合して形成される塩)の開発に繋がった[151]。クエン 酸フェンタニルは、1968年に全身麻酔薬として医療用に使用されるようになり、McNeil Laboratories(英語版)社によってSublimazeの商品名で製造された[152]。日本では三共株式会社(現第一三共)よりフェンタネス トとして、1972年より販売開始となった[153][注 1]。いずれも注射薬であり、作用時間は短い。 1990年代半ば、ヤンセンファーマは、Duragesicパッチを開発し、臨床試験に導入した。Duragesicパッチは、不活性アルコールゲルに フェンタニルを注入した製剤であり、48~72時間にわたって効果が持続する。一連の臨床試験が成功した後、Duragesicフェンタニルパッチは医療 現場に導入された[155]。日本では2008年にデュロテップMTパッチとして販売開始となった[156]。 パッチに続いて、クエン酸フェンタニルを不活性充填剤と混合した味付けロリポップが1998年にActiqという商品名で発売され、慢性疼痛の突出痛に使用するフェンタニルの最初の速効性製剤となった[157]。 2009年、米国食品医薬品局(FDA)は、オピオイドに耐性のある被験者のがん疼痛管理用の新しい剤形のフェンタニル製剤であるOnsolis(フェン タニルバッカルフィルム)を承認した[158]。この製剤は、BEMA(BioErodible MucoAdhesive)と呼ばれる薬物送達技術を使用しており、様々な用量のフェンタニルを含む溶解可能な小さなポリマーフィルムを頬の内側に貼付す るものである[158]。 フェンタニルの、米国麻薬取締局(DEA)の行政管理物質コード番号(Administrative Controlled Substances Code Number)(英語版)(ACSCN)は9801である。その年間総製造割当量は、2015年と2016年の2,300kgから、2021年にはわずか 731.452kgと、68.2%近く減少している[159]。 2024年11月25日、翌年1月20日の第47代大統領就任を控えたドナルド・トランプは、フェンタニルの流入を理由にメキシコやカナダ、中国からの輸 入品に対して関税を引き上げることを表明[160]。実際に第2次トランプ政権が発足すると高関税を課すなど国際問題となった[161]。メキシコは問題 を解決するために麻薬組織の摘発を強化し、中国人密輸組織の幹部の摘発を行った[162]。さらにトランプは2025年12月15日、フェンタニルを大量 破壊兵器に指定している[163]。 |
・フェンタニル |
| 社会と文化 規制 英国では、フェンタニルは1971年薬物乱用法(Misuse of Drugs Act 1971)に基づく規制薬物クラスAに分類されている[164]。 オランダでは、フェンタニルはアヘン法(Opium Law)(英語版)のリストI物質である[165]。 米国では、フェンタニルは規制物質法によりスケジュールII規制薬物である。舌下錠アブストラルの販売業者は、FDAが承認したリスク評価・軽減戦略プロ グラムの実施が義務付けられている[166][167]。誤用を抑制するため、多くの医療保険会社がバッカル剤Actiqの処方に対して事前認証および/ または数量制限(英語版)を要求し始めている[168][169][170]。 カナダでは、フェンタニルはカナダの規制薬物・物質法(Controlled Drugs and Substances Act)(英語版)に記載されているスケジュールI薬物とみなされている[171]。 エストニアは、特にアフガニスタンでタリバンがアヘンケシ栽培を禁止した後、世界で最も長くフェンタニルの流行が記録されている国として知られている[172]。 ガーディアンによる2018年の報告によれば、ダークウェブ上の多くの主要な麻薬供給者は、フェンタニルの取引を自主的に禁止している[173]。 |
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| 娯楽目的の使用 医薬用フェンタニルとその類似体の違法使用は、1970年代半ばに医療界で初めて現れ、現在も続いている。12種類以上のフェンタニルの類似体が、すべて 未承認で密造されたものであることが、米国の麻薬取引で確認されている。2018年2月、米国麻薬取締局は、非合法のフェンタニル類似体には医学的に有効 な用途がないことを示し、そのため「スケジュールI」の分類を適用した[174]。 フェンタニル類似体はヘロインの数百倍の効力がある可能性がある。フェンタニルは経口、喫煙、吸引、注射で使用される。フェンタニルはヘロインやオキシコ ドンとして販売されることもあり、過剰摂取につながる可能性がある。フェンタニルの過剰摂取の多くは、当初はヘロインの過剰摂取として分類される [175]。EUでは、エストニアのタリン以外では、ヘロインに代わっての娯楽目的使用は特に広まっていない。エストニアでは、娯楽目的の使用が多いた め、3-メチルフェンタニル(英語版)の過剰摂取による死亡率がEUで最も高い[176]。 フェンタニルは、正規の医療用品から転用されたDuragesicなどの経皮吸収型フェンタニル・パッチの形で闇市場で販売されることもある。パッチ内部のゲルが経口摂取されたり注射されたりすることもある[177]。 街頭に出回っているフェンタニルのもう一つの形態は、ロリポップ製剤"Actiq"である。薬局での小売価格は、トローチの薬効の強さに応じて1個当たり 15米ドルから50米ドルであり、闇市場での価格は、用量に応じて5米ドルから25米ドルである[178]。コネチカット州とペンシルベニア州の法務長官 は、セファロン社(英語版)のProvigil、Actiq、Gabitrilの販売および販促を含む、合法的な医薬品市場からの転用に関する調査を開始 した[178]。 オピオイド耐性のない個人によるフェンタニルの非医療目的の使用は非常に危険であり、多数の死者を出している[177]。オピオイド耐性のある人でさえ、 過剰摂取の危険性が高い。他のオピオイドと同様に、フェンタニルの作用は、ナロキソンや他のオピオイド拮抗薬で逆転させることができる。ナロキソンは徐々 に一般に入手できるようになってきている。作用時間の長いオピオイドや徐放性オピオイドは、繰り返し投与する必要がある場合がある。米国では、不正に合成 されたフェンタニル粉末も出回っている。純粋なフェンタニル粉末の効力は極めて高いため、適切に希釈することは非常に困難であり、結果として得られる混合 物は作用が強すぎる場合が多く、したがって非常に危険である[179]。 ヘロインの売人の中には、効力を増強したり、低品質のヘロインを補うために、フェンタニル粉末をヘロインと混合する者もいる。2006年には、違法に製造 された非医薬品のフェンタニルがコカインやヘロインと混合されることが多く、米国とカナダで過剰摂取による死亡が発生し、オハイオ州デイトン、イリノイ州 シカゴ、ミシガン州デトロイト、ペンシルベニア州フィラデルフィアの各都市に集中した[180]。 |
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| 取り締まり 米国オハイオ州で警察が押収したフェンタニル粉末(23%フェンタニル)[181] アメリカの法執行機関により、不正に製造された大量のフェンタニルがいくつか押収されている。2016年11月、麻薬取締局(DEA)はユタ州コットン ウッド・ハイツ(英語版)の民家でオキシコドンとアルプラゾラムの偽造を摘発した。オキシコドンの外観をした錠剤が約7万錠、アルプラゾラムの外観をした 錠剤が2万5000錠以上見つかった。DEAは、この場所から数百万錠の錠剤が長期にわたって流通した可能性があると報告している。被告人は打錠機(英語 版)を所有し、中国から粉末状のフェンタニルを注文していた[182][183]。2019年2月2日、メキシコとの国境に接しているノガレスで、米国税 関・国境警備局は記録的な量のフェンタニルを押収した。3.5百万米ドルの価値があると推定された254ポンド(115kg)のフェンタニルは、キュウリ を輸送するトラックの二重底の床の下の区画に隠されていた[184]。フェンタニルの「チャイナ・ホワイト」型は、密かに生産された数多くのフェンタニル 類似体、特にα-メチルフェンタニル(英語版)(AMF)のいずれかを指す[185]。米国司法省のある出版物は、3-メチルフェンタニルやα-メチル フェンタニルを含む多くのフェンタニル類似体の同義語として「チャイナ・ホワイト」を挙げており[186]、それらは今日のアメリカでは規制物質法対象と なっている[185]。AMFを使用する動機のひとつは、合成の観点からは余分な困難さがあるにもかかわらず、結果として得られる薬剤が代謝分解に対して より耐性があることである。その結果、薬物の作用持続時間が長くなる[187]。 2013年6月、米国疾病対策予防センター(CDC)は、医療用として認可されたことのない、フェンタニルの合成オピオイド類似体であるアセチルフェンタ ニル(英語版)に関連して、ロードアイランド州の静脈内麻薬使用者の間で14件の過剰摂取による死亡が発生したことを警告する健康勧告を救急部門に発表し た[188]。2017年10月に、アメリカのインシス・セラピューティクス社の最高経営責任者 (CEO) が過剰処方を促したことで逮捕された。医師や薬剤師にリベートや賄賂を渡し、軽い痛みにも処方されるよう虚偽の説明なども用い、がんでもない患者に売りつ けるのは、薬の密売人と変わりないと連邦捜査局は非難した[189]。2019年5月2日、ボストンの連邦陪審は、創業者らに有罪の評決を下した。創業者 らは控訴する見込みであったが[190]、同社は6月10日、連邦破産法11条の適用を申請した[191]。アメリカのオピオイドのまん延に関しては、他 の製薬企業、ジョンソン・エンド・ジョンソンやパーデュー・ファーマも危険性の周知を怠ったとして訴訟の対象となっていた[191]。アメリカのオピオイ ド危機は、製薬会社による安全性軽視の積極的なプロモーションが原因とする意見がある[192]一方、CDCが実施した別の調査では、フェンタニルの過剰 摂取による死亡の82%は違法に製造されたフェンタニルが関与しており、処方箋に由来すると疑われたのはわずか4%であった[193]。 2015年以降、カナダでもフェンタニルの過剰摂取が多発した。当局は、この薬物がアジアから組織犯罪グループによって西海岸に粉末の状態で輸入され、擬 似オキシコンチン錠剤に成形されているのではないかと疑っていた[194]。この薬物の痕跡は、コカイン、MDMA、ヘロインなどの他のレクリエーショナ ルドラッグからも見つかっている。この薬物は、10代の若者や若い親を含む、ホームレスの人々から専門家まで、あらゆる階層の人々の死に関与している [195]。国中で死者が増加しており、特にブリティッシュ・コロンビア州では2020年に1,716人、2021年1月から10月までに1,782人の 死者が報告されているため[196]、カナダ保健省は、薬物の過剰摂取に対抗するために、ナロキソンの処方箋薬剤の制限見直しを急いでいる[197]。 2018年、グローバルニュースは、カナダと中国の間の外交的緊張が輸入品押収の協力を妨げており、北京は不作為を非難されているという疑惑を報じた [198]。 2017年にはオーストラリアで[199]、2018年にはニュージーランドで[200]、フェンタニルが違法市場で販売されていることが発見された。これに対して、ニュージーランドの専門家は、ナロキソンをより広く利用できるようにすることを求めた[201]。 2019年5月、中国はフェンタニル型薬物の全クラスと2つのフェンタニル前駆体を規制した。とはいえ、米国におけるフェンタニルの主な原産地であること に変わりはない。メキシコのカルテルは、武汉远澄科技有限公司(Yuancheng Group)(英語版)などの中国の供給業者からフェンタニル前駆体を調達し、メキシコで完成させて米国に密輸している[202][203][204]。 2022年のナンシー・ペロシの台湾訪問後、中国は麻薬密売との闘いに関する米国との協力を停止した[205]。 インドもまた、フェンタニルとフェンタニル前駆体の供給源として浮上しており、メキシコのカルテルはすでに合成麻薬の輸入のためのネットワークを構築して いる[204]。フェンタニルと前駆体の生産が、ナイジェリア、南アフリカ、インドネシア、ミャンマー、オランダなどの他の国々に分散する可能性もある [203]。 2020年、ミャンマーの軍と警察は、990ガロンの「メチルフェンタニル」〔ママ〕と、薬物の不正合成のための前駆体を押収した。国連薬物犯罪事務所に よると、ミャンマーのシャン州はフェンタニル誘導体の主要な供給源であることが確認されている。2021年、同事務所はビルマにおけるアヘンケシ栽培は更 に減少していることを報告したが、この地域の合成麻薬市場は拡大と多様化を続けている[206][207]。 2023年、カリフォルニア州の警察の労働組合(英語版)役員が、チョコレートに偽装したフェンタニルやタペンタドールを含む合成オピオイドを輸入した罪 で起訴された。米国の法執行機関はフェンタニル危機への対応が遅れているとワシントン・ポスト紙は報じた。プレスリリースによれば、フェンタニルの危機に 対する連邦政府の対応も遅れていた。フェンタニルや違法に輸入された他のオピオイドによる過剰摂取による死亡は、2019年以降急増しており、現在、米国 のすべての州で主要な死因となっている[208][209]。 国立公文書館とDEAによれば、中国からのフェンタニルの直接の出荷は2022年以降停止している[210][211]。現在メキシコから米国に流入して いる違法なフェンタニルと類似品の大部分は、「錠剤」の形をした完成品であり、以前に合成されたフェンタニルが混入されたヘロインである。フェンタニルは 精巧に完全化学合成されており、実験室環境における急性毒性から、メキシコの密造施設は、合成そのものよりも、入手可能なフェンタニルから不正な剤形を作 ることに関係していると推測されている。捜査当局のさらなる調査によれば、フェンタニルおよび類似物質は、合法的な事業体の外観を持つ工場で合成される か、製薬工場から流用されている可能性が高い[212][213][214]。 連邦機関によるシナロア麻薬カルテルのメンバーの最近の捜査と有罪判決は、米国からメキシコへの違法な武器密売と米国へのフェンタニルの密輸との間に明確 な関連性を示した。米国の情報筋によれば、違法な銃がアリゾナ州やウィスコンシン州、さらにはアラスカ州など北の方で簡単に購入され、マネーロンダリング も行っている麻薬カルテルが資金を提供する米国のブローカーや運び屋を経由してメキシコ領内に持ち込まれるという事実がある[215]。つまり、米国で武 器規制が行われていないのことが、米国でのオピオイド過剰摂取危機に結びついているのである[216][217]。 フェンタニルの流行は、米国政府とメキシコ政府の間で非常に険悪な論争に発展した。米国政府は、国境を越えるフェンタニルの氾濫を主にメキシコの犯罪グ ループのせいだと非難しているが、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、この合成麻薬の主な供給源はアジアだと主張している。彼は、アメ リカにおける家族の価値観の欠如という危機が、人々を麻薬使用に駆り立てていると考えている[218]。 |
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| リコール 2004年2月、主要なフェンタニル供給業者であるヤンセンファーマは、フェンタニル(商品名:Duragesic)パッチについて、パッチから薬剤が漏 出する可能性のあるシールの破損があったため、1ロットを回収し、その後、ロットを追加回収した。一連のクラスⅡのリコールは2004年3月に開始され、 2008年2月にはALZA社(英語版)が、ゲルリザーバーの小さな切り傷が患者または医療従事者がフェンタニルゲルに誤って曝露する可能性があるという 懸念のため、25μg/hのDuragesicパッチを回収した[219]。2023年4月、テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズの米国社 は、製品の適切な投与方法に関する安全性情報シートが欠落していたため、フェンタニルバッカル剤の13ロットを回収した。同社は消費者向けにリコール報告 書を発表し、オピオイド治療薬の使用と投与における安全性の重要性を強調した[220][221]。 |
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| 価格 米国では、2020年時点で、800µgの錠剤はトローチの6.75倍の価格である[222][223]。2023年現在、注射用フェンタニル溶液 (50µg/mL)の平均価格は、薬局にもよるが、20mL入りで約17米ドルである[224]。オーストラリア犯罪学研究所(Australian Institute of Criminology)(英語版)による2020年の報告書では、100µgの経皮パッチは、非合法市場では75オーストラリアドルから450オースト ラリアドルの間と評価されていた[225]。さらに、2020年の別の調査では、様々なダークネットマーケットにおける非医薬品フェンタニルの1グラム当 たりの平均価格は、5グラム未満の提供で1,470.40米ドル、5グラム以上の提供の平均は139.50米ドルであった。さらに、同市場で最も一般的な 類似品であるDreamMarket(英語版)のフランフェンタニル(Fu-F)では、1グラム当たりの平均価格は、小売の出品で243.10米ドル、卸 売の出品で26.50米ドルであった[226]。 |
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| 保管と廃棄 フェンタニル・パッチは、子供が誤用した場合、特に有害であり、場合によっては1回の服用で致命的となる可能性がある数少ない医薬品の1つである [227][228]。専門家は、未使用のフェンタニル・パッチは、鍵のかかるキャビネットなど、子供の目や手の届かない安全な場所に保管するよう助言し ている。 トイレに流したり、ゴミを捨てたりすることに環境上の懸念があるカナダのブリティッシュコロンビア州では、薬剤師は、未使用のパッチをチャイルド・プルー フ(英語版)の容器に密封し、薬局に返却することを推奨している[229]。パッチを医薬品引取プログラムを通じて返却できないことが多い米国では、パッ チの水洗が推奨されている。フェンタニル・パッチを家庭から除去する最も迅速かつ確実な方法であり、子供やペットなど、パッチを使用することを意図してい ない人による摂取を防ぐことができるためである[228][230]。 |
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| 著名人の死 2003年9月25日、「ピットブル2号」としても知られるアメリカのプロレスラー、アンソニー・デュラン(英語版)がフェンタニル過剰摂取で死亡した[231]。 2009年5月24日、ウィルコのギタリストであるジェイ・ベネット(英語版)がフェンタニル過剰摂取で死亡した[232][233][234]。 2010年5月24日、スリップノットのベーシストであるポール・グレイ(英語版)がモルヒネとフェンタニルの過剰摂取で死亡した[235]。 2016年4月21日、ミュージシャンのプリンスがフェンタニルの偶発的な過剰摂取により死亡したと検視官は結論づけた[236]。 フェンタニルは彼の自宅から回収された偽造錠剤中に含まれていた。ヒドロコドン・パラセタモール合剤であるワトソン385とラベルが誤表示されたものも あった[236][237]。 2016年4月21日、アメリカの作家でジャーナリストのミシェル・マクナマラ(英語版)が偶発的な過剰摂取により死亡した。検視官はフェンタニルが一因であると断定した[238][239]。 2016年11月11日、カナダのビデオゲーム作曲家サキ・カスカスがフェンタニルの過剰摂取により死亡した[240]。彼は10年以上ヘロイン中毒と闘病中だった[240]。 2017年11月15日、アメリカのラッパーであるリル・ピープがフェンタニルの過剰摂取により死亡した[241][242]。 2018年1月19日、ロサンゼルス郡検視局(Los Angeles County Department of Medical Examiner)(英語版)は、ミュージシャンのトム・ペティがフェンタニル、アセチルフェンタニル、デスプロピオニルフェンタニル等を含む薬を混合し た結果、偶発的な薬物の過剰摂取により死亡したと発表した。彼は腰の骨折を含む「多くの深刻な病気」を治療していたと伝えられている[243]。 2018年9月7日、アメリカのラッパー、マック・ミラーがフェンタニル、コカイン、アルコールの偶発的過剰摂取により死亡した[244]。 2018年12月16日、ソーシャルメディアの動画共有アプリVineとクイズアプリHQ Trivia(英語版)の創設者であるアメリカのテック起業家コリン・クロールがフェンタニル、ヘロイン、コカインの過剰摂取により死亡した[245]。 2019年7月1日、アメリカの野球選手タイラー・スカッグスがフェンタニル、オキシコドン、アルコールの影響下で誤嚥により死亡[246][247]。 2020年1月1日、アメリカのラッパー、歌手、ソングライターのレクシー・アリジャイがアルコールとフェンタニルの組み合わせによる偶発的中毒で死亡した[248]。 2020年8月20日、アメリカのシンガー、ソングライター、ミュージシャンのジャスティン・タウンズ・アール(英語版)がフェンタニルが混入されたコカインの偶発的な過剰摂取により死亡した[249]。 2020年8月24日、テキサス州のメタルバンド、パワー・トリップのリードボーカルであるライリー・ゲイルが死亡した。フェンタニルの偶発的な中毒と判断された[250] 2021年3月2日、"Big Toe"(生まれつき腕がなく、足でギターを弾いていたため)としても知られるアメリカのミュージシャン、マーク・ゴフェニー(英語版)がフェンタニルの過剰摂取により死亡した[251][252]。 2021年4月22日、デジタル・アンダーグラウンドのリードボーカルで、ラッパー、ミュージシャンのShock G(英語版)がフェンタニル、メタンフェタミン、アルコールの過剰摂取により死亡[253]。 2021年9月6日、HBOのドラマシリーズ『ザ・ワイヤー』のオマール・リトル(英語版)役で知られる俳優のマイケル・ケネス・ウィリアムズが、フェンタニル、ヘロイン、コカインの過剰摂取により死亡した[254][255]。 2022年9月28日、ラッパーのクーリオ(Artis Leon Ivey, Jr)がフェンタニル、ヘロイン、メタンフェタミンの偶発的な過剰摂取により死亡した[256]。 2023年7月31日、HBOのドラマシリーズ『ユーフォリア/EUPHORIA』のフェズコ役で知られるアンガス・クラウドがメタンフェタミン、コカイン、フェンタニル、ベンゾジアゼピンの偶発的過剰摂取により死亡した[257] 2023年6月、俳優のアダム・リッチ(英語版)がフェンタニル過剰摂取で1月に亡くなっていた事が報じられた[258]。 2023年11月5日、俳優のエヴァン・エリンソンが自宅の寝室で死亡しているところを発見されたが、当初は死因は明らかにされなかった[259]。しかし同月下旬、死因はフェンタニルの過剰摂取であるとサンバーナーディーノ郡の保安官事務所が発表した[260]。 |
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| 事故・事件 アメリカ合衆国では、2023年9月15日にニューヨーク市の保育園に預けられていた乳児がフェンタニルを誤飲して死亡する事故が起こり(英語版)、他の子供たち3人も入院した[261][262]。 日本においては、2013年8月23日に東京都立墨東病院で、麻酔用鎮痛剤フェンタニルを紛失した。23日夕方に薬剤科の職員が処方せんと施用票を照会し て確認すると、病棟で保管していたフェンタニル0.5mg/10mlアンプルの未使用2本と使用済2本が返却されておらず、所在が不明となっていることが 判明した。ただちに関係する職員から聴取や院内を捜索するも発見できず、26日に東京都福祉保健局健康安全部へ報告し、本所警察署へ紛失届を提出した [263]。 |
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| 政府による使用 2018年8月、ネブラスカ州は囚人の死刑執行にフェンタニルを使用した最初のアメリカの州となった[264][265][266]。当時、米国で最も長 く収容されていた死刑囚の一人であったキャリー・ディーン・ムーア(Carey Dean Moore)(英語版)は、ネブラスカ州立刑務所(英語版)で処刑された[267]。ムーアは、呼吸を抑制し意識を失わせるために、クエン酸フェンタニル を含む4種類の薬物を静脈注射する薬殺刑を受けた。他の薬物には、精神安定剤としてのジアゼパム、筋弛緩剤としてのシスアトラクリウム(英語版)、心臓を 停止させるための塩化カリウム(英語版)が含まれていた[268][269]。死刑執行におけるフェンタニルの使用は、それが以前にテストされていない薬 物カクテルの一部であったため、死刑の専門家の間では懸念の声が上がった[264][266]。この死刑執行はまた、死刑執行中に刑務所で、そして後にネ ブラスカ州会議事堂で、死刑反対論者(英語版)によって抗議された[268][269]。 ロシアのスペツナズ治安部隊は、2002年のモスクワ劇場占拠事件において、フェンタニルの類似体または誘導体(カルフェンタニルとレミフェンタニルの疑 いがある[270])無力化ガス「KOLOKOL-1」を使用して人々を急速に無力化させた疑いがある。包囲は終結したが、数日間にわたる包囲の間に身体 に深刻な負担がかかり、多くの人質がガスによって死亡した[271][272]。後にロシアの保健大臣は、ガスはフェンタニルをベースにしていたと述べて いる[273]が、正確な化学組成は明確には特定されていない[274]。 |
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| 出典:https://x.gd/5xyIA |
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☆ フェンタニルは、強力なμ-オピオイド受容体アゴニストである合成オピオイド鎮痛薬である。その化学構造は、フェニルエチルアミン骨格にピペリジン環とフェ ニル基が結合した構造を持っている。

| 分子式: C22H28N2O 分子式フリガナ: C22-H28-N2-O 分子量: 336.479 InChI: InChI=1S/C22H28N2O/c1-2-22(25)24(20-11-7-4-8-12-20)21-14-17-23(18-15-21)16-13-19-9-5-3-6-10-19/h3-12,21H,2,13-18H2,1H3 InChI key: PJMPHNIQZUBGLI-UHFFFAOYSA-N SMILES: CCC(=O)N(C1CCN(CCc2ccccc2)CC1)c1ccccc1 ++ フェンタニル (Fentanyl) は、鎮痛剤として使用される非常に強力な合成オピオイドである。ほかの薬物とともに、麻酔[1]、集中治療室での鎮痛、鎮静[2]に用い、術後鎮痛や癌性 疼痛の鎮痛にも適応がある[3]。 ++ 概要 フェンタニルは、主に鎮痛薬として使用される強力な合成ピペリジン系オピオイドである。ヘロインの50倍[19]、モルヒネの100倍[20]の効力を持 つ。主な臨床用途は、がん患者や手術患者の術中・術後の疼痛管理である[21][22]。フェンタニルは処置時の鎮静・鎮痛にも使用される[23]。投与 方法にもよるが、フェンタニルは非常に即効性があり、比較的少量で過剰摂取を引き起こす可能性がある[24]。フェンタニルはμオピオイド受容体(英語 版)を活性化することによって作用する[17]。 作用は急速で、効果は通常2時間以内に消失する[17]。医療では注射、鼻腔スプレー、皮膚パッチ、トローチ、錠剤などの剤形で頬粘膜から吸収させて用い る[17][25]。医薬品としてのフェンタニルの有害作用は、他のオピオイドの有害作用と同じであり[26]、依存症、せん妄、呼吸抑制(重度かつ未治 療の場合、呼吸停止に至る可能性がある)、傾眠、吐き気、視覚障害、ジスキネジア、幻覚、せん妄、「麻薬性せん妄」として知られるこれら精神症状の組み合 わせ、イレウス、筋硬直、便秘、意識消失(英語版)、低血圧、昏睡、死亡などである[23]。アルコールと他の薬物(例: コカインおよびヘロインなど)は、フェンタニルの副作用を相乗的に悪化させる。ナロキソンは、オピオイドの過剰摂取の影響を拮抗することができるが、フェ ンタニルは非常に強力であるため、複数回のナロキソン投与が必要な場合がある[11]。 フェンタニルは1959年にポール・ヤンセン(Paul Janssen)(英語版)によって初めて合成され、1968年に米国で医療用として承認された[17][27]。発売から20年以上、作用時間の短い注 射薬のみであったが、様々な剤形の開発が進められた。1990年代には、有効成分を皮膚から長時間送達するために経皮吸収パッチが開発された[28]。 1998年にはトローチ製剤が承認され[29]、2009年には口腔粘膜吸収製剤として水溶性フィルムが承認された[30]。2011年、速放製剤のバリ エーションとして、フェンタニルを鼻から投与することも可能となった(点鼻薬)[31][32]。2015年には、世界中で1,600キログラム (3,500ポンド)が医療に使用された[33]。2017年の時点で、フェンタニルは医療で最も広く使用されている合成オピオイドであった[34]。 2019年には、米国で最も処方されている薬の278番目であり、100万以上の処方があった[35][36]。フェンタニルはWHO必須医薬品モデル・ リストに掲載されている[37]。 フェンタニルは、アメリカにおけるオピオイド過剰摂取の流行(英語版)に拍車をかけ続けている。2011年から2021年まで、処方オピオイドによる年間 死亡者数は横ばいであったが、合成オピオイド過剰摂取による年間死亡者数は2,600人から70,601人に増加した[38]。2018年以降、フェンタ ニルとその類似体が米国における薬物過剰摂取による死亡のほとんどを占めており、2021年には71,238人以上の死亡を引き起こしている[39] [38][40]。フェンタニルは、2018年にヘロインを抜いて以来、米国における薬物過剰摂取による死亡の大部分を占めている[39]。アメリカの国 立法医学研究所(英語版)は、連邦、州、地方の鑑識によるフェンタニルの報告は、2014年の4,697件から2020年には117,045件に増加した と推定している[41]。フェンタニルは、コカインやヘロインなどの他の薬物と一緒に混合されたり、摂取されたりすることが多い[41]。フェンタニルは 錠剤の形で報告されており、その中にはオキシコドンなどの医薬品を偽装した錠剤も含まれている[41]。他の薬物と混合されたり、医薬品として偽装された りすることで、過剰摂取の場合に正しい治療法を判断することが難しくなり、その結果、死者が増えることになる[23]。フェンタニルと混合された他の薬物 の服用による過剰摂取を防ぐために、薬物検査キットが利用可能である[42][43]。フェンタニルは製造が容易で力価が高いため、密造も密輸も容易であ り、その結果、フェンタニルは他の乱用される麻薬に取って代わり、より広く使用されるようになった[44]。 |
体系名 (7件): N-フェニル-N-(1-フェネチルピペリジン-4-イル)プロパンアミド N-フェニル-N-(1-フェネチルピペリジン-4-イル)プロピオンアミド N-フェニル-N-(1-フェネチル-4-ピペリジニル)プロパンアミド N-(1-フェネチル-4-ピペリジニル)-N-フェニルプロピオンアミド N-フェニル-N-[1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]プロパンアミド 全件表示 その他の名称 (18件): フェンタニル フェンタニール Fentanyl N-Phenyl-N-[1-(2-phenylethyl)piperidin-4-yl]propanamide フェンタネスト Fentanest R-4263 Phentanyl Fentanil N-Phenyl-N-[1-(2-phenylethyl)-4-piperidinyl]propanamide N-(1-Phenethyl-4-piperidinyl)-N-phenylpropionamide デュロテップ デュロテップMT Durotep MT Durotep デュロテップ-MT ワンデュロ Oneduro |
| The United States Centers for Disease Control and Prevention (CDC) provides data on drug overdose death rates and totals in the United States. Around 80,400 people died in the 12-month period ending December 31, 2024, at a rate of 220 deaths per day. That is 23.6 deaths per 100,000 US residents, using the population at the midpoint of that period.[4] The peak was around 112,600 in 2022. The U.S. drug overdose death rate has gone from 2.5 per 100,000 people in 1968 to the peak rate of 33.7 per 100,000 in 2022.[5][6] From 1968 to 2020, approximately 1,106,900 U.S. residents died from drug overdoses, with the majority – around 932,400 – of those deaths occurring between 1999 and 2020. |
アメリカ合衆国疾病管理予防センター(CDC)は、アメリカ合衆国における薬物過剰摂取による死亡率と総数に関するデータを提供している。 2024年12月31日までの12ヶ月間で、約80,400人が死亡し、1日あたりの死亡者数は220人に上った。この期間の半ばの人口を基準にすると、 米国住民10万人あたり23.6人が死亡していることになる[4]。ピークは2022年の約112,600人だった。米国の薬物過剰摂取による死亡率は、 1968年の10万人あたり2.5人から、2022年には10万人あたり33.7人とピークに達した[5]。[6] 1968年から2020年までに、約1,106,900人の米国住民が薬物過剰摂取により死亡し、その大半(約932,400人)は1999年から2020年の間に死亡している。 |
![]() Drug overdose deaths in the US per 100,000 people by state.[1][2] |
![]() 米国における州ごとの 10 万人あたりの薬物過剰摂取による死亡者数。[1][2] |
![]() Recent years. Updated often. Crude rate per 100,000. July 1 population.[6][4] |
![]() 近年。頻繁に更新。10万人あたりの粗発生率。7月1日現在の人口。[6][4] |
| Of
the roughly 110,700 drug overdose deaths in 2021, opioids were involved
in about 80,400, or nearly 73%, of cases, with synthetic opioids other
than methadone (primarily fentanyl) involved in around 70,600, or
nearly 64%, of the deaths.[6][4][5][1][2] The CDC's "predicted value" is used for numbers for recent years in the above intro. CDC: "Predicted provisional counts represent estimates of the number of deaths adjusted for incomplete reporting (see Technical Notes)." And the above yearly numbers are updated regularly here as they change.[6][4] |
2021年の薬物過剰摂取による死亡者約11万700人のうち、オピオイドが関与したケースは約8万400件(約73%)で、メサドン以外の合成オピオイド(主にフェンタニル)が関与した死亡者数は約7万600件(約64%)を占めた。[6][4][5][1][2] 上記の概要で最近の年次数値に使用されている「予測値」は、CDCの「予測値」に基づいている。CDC:「予測暫定集計値は、報告の不備を調整した死亡者数の推計値です(技術的注記を参照)。」上記の年次数値は、変更がある都度、こちらで定期的に更新される。[6][4] |
![]() U.S. yearly overdose deaths from all drugs.[7] |
![]() 米国におけるすべての薬物の年間過剰摂取による死亡者数。[7] |
| The
numbers at the source for the table below are continually updated. So
the numbers in the table below may be slightly different.[5] 2021 was a
turning point in US history with over 100,000 deaths.[8] Rates below are per 100,000. Population is for July 1 residents. Rate (by itself) is Age adjusted. Total (at bottom) is 1,106,859 total deaths for 1968–2020. |
以下の表の出典の数字は継続的に更新されている。そのため、下表の数字は若干異なる可能性がある。[5] 2021年は10万人以上が死亡した米国史の転換点であった[8]。 以下の死亡率は10万人当たりである。 人口は7月1日居住者。 率(単体)は年齢調整済みである。 合計(下段)は1968年から2020年の総死亡者数1,106,859人である。 |
![]() ![]() ![]() 1968–2020 US drug overdose deaths.[5] |
![]() ![]() ![]() 1968–2020 US drug overdose deaths.[5] |
| Death rates by state and year Asterisks (*) indicate Health in LOCATION or Healthcare in LOCATION links in table below. Drug overdose death rates per 100,000 population by state.[1][9] https://en.wikipedia.org/wiki/United_States_drug_overdose_death_rates_and_totals_over_time |
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| Timeline by drug Concerning the data in the charts below (in this section and the following sections) deaths from the various drugs add up to more than the yearly overdose death total because multiple drugs are involved in many of the deaths.[7] ![]() |
薬物別年表 以下のグラフのデータ(このセクションと次のセクション)に関して、さまざまな薬物による死亡は、死亡の多くに複数の薬物が関与しているため、年間の過剰摂取による死亡の合計よりも多くなる[7]。 ![]() |
| Opioid charts Further information: Opioid overdose and Opioid epidemic in the United States Opioids were involved in around 80,400 of the around 106,700 deaths in 2021.[7] See map higher up for states with the highest overdose death rates. ![]() Three waves of opioid overdose deaths.[12] |
オピオイドチャート さらに詳しい情報 オピオイド過剰摂取、米国におけるオピオイド流行 2021年の死亡者数約106,700人のうち、約80,400人がオピオイドが関与していた[7]。過剰摂取による死亡率が最も高い州については、上の地図を参照のこと。 ![]() オピオイド過剰摂取による死亡の3つの波[12]。 |
| List of deaths from drug overdose and intoxication Adulterants Alcohol intoxication Diseases of despair Drug interactions Responsible drug use Suicide methods § Drug overdose |
薬物の過剰摂取と酩酊による死亡のリスト 不純物 アルコール中毒 絶望の病気 薬物相互作用 責任ある薬物使用 自殺の方法 § 薬物の過剰摂取 |
| https://en.wikipedia.org/wiki/United_States_drug_overdose_death_rates_and_totals_over_time |
米国の薬物過剰摂取による死亡率と総数の推移 |
★2019年の各地域から米国への違法フェンタニルの流入(画像クリックで拡大)
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| 過剰摂取 →「オピオイド過剰摂取」および「米国における薬物過剰摂取による死亡率と総計の経年変化(英 語版)」を参照(→邦訳は後述) ![]() フェンタニル。2mg(右の白い粉末)は、ほとんどのヒトにとって致死量である[90] 。アメリカの1セント硬貨 は19mm幅。 フェンタニルは、毒性を生じるのに必要な量が予測できないため、ヒトにおいて例外的に高い過量投与リスクをもたらす[23]。フェンタニルのみに起因する 過量投与による死亡のほとんどは、その医薬品形態において、平均25ng/mLの血清濃度で発生し、その範囲は5~27ng/mLである[91]。 多剤併用の状況では、約7ng/ml以上の血中フェンタニル濃度が死亡と関連している[92]。過量服薬例の85%以上で、少なくとも1つ他の薬物を含ん でおり、混合物がどのレベルで致死的であるかを示す明確な相関関係はなかった。致死的な混合物の用量は、場合によっては3倍以上も異なっていた。このよう に他の薬物併用時の変動率の予測が極めて難しいため、致命的な事故を回避することは特に困難である[93]。 ナロキソンは、オピオイドの過剰摂取症状を完全に、あるいは部分的に元に戻すことができる[94]。2014年7月、英国の医薬品・医療製品規制庁 (MHRA)は、特に小児において、経皮吸収型フェンタニル・パッチへの偶発的な曝露が生命を脅かす害をもたらす可能性について警告を発し、廃棄する前に 粘着面を内側にして折りたたむべきであると助言した[95]。パッチは、フェンタニルの過剰摂取のリスクが最も高い小児から遠ざけておくべきである [96]。米国では、フェンタニルおよびフェンタニル類似物質が2017年に29,000人以上の死亡を引き起こし、以前の4年間よりも大幅に増加した [97][98]。 ![]() 一個あたり600 μg(英語版) のフェンタニルを含有するトローチ、30個入り。 死亡の増加 フェンタニルによる死亡の増加の中には、処方されたフェンタニルではなく、ヘロインと混合されたり、ヘロインとして販売されたりしている違法に製造された フェンタニルに関連しているものもある[99]。フェンタニルの過剰摂取による死亡は、2015年9月以来、カナダでは引き続き公衆衛生上の全国的な懸念 事項となっている[100]。2016年、ブリティッシュコロンビア州におけるフェンタニルの過剰摂取による死亡者は1日平均2人であった[101]。 2017年、ブリティッシュコロンビア州における2017年1月から4月までの過剰摂取による死亡者は368人であり、死亡率は100%以上増加した [102]。 ![]() 2019年の各地域から米国への違法フェンタニルの流入 フェンタニルは、違法に製造されたオピオイドやベンゾジアゼピンだけでなく、ヘロインにも混入し始めている。コカイン、メタンフェタミン、ケタミン、 MDMA、その他の薬物へのフェンタニルの混入はよくおこなわれている[103][104]。フェンタニルが混入されたヘロイン1キログラムは10万米ド ル以上で取引される可能性があるが、フェンタニル自体は1キログラムあたり約6,000米ドルとはるかに安価に製造される可能性がある。米国に直接密輸さ れるフェンタニルおよびフェンタニル関連物質の主な供給源はメキシコと中国であるが、完成したフェンタニル粉末およびフェンタニル前駆体化学物質の供給源 としてインドが台頭してきている[105][106]。英国内では、自国のフェンタニル生産が輸入に取って代わりつつあるため、英国の違法薬物市場はもは や中国に依存していない[107]。 オピオイド未投与の実験被験者の50%を死に至らしめる静脈内投与量(LD50)は「ラットで3mg/kg、ネコで1mg/kg、イヌで14mg/kg、 サルで0.03mg/kg」であり[108]、マウスにおけるLD50は静脈内投与で6.9mg/kg、腹腔内投与で17.5mg/kg、経口投与で 27.8mg/kgとされている[109]。ヒトにおけるLD50は不明である[110]。 2023年6月、米国とカナダにおける過剰摂取による死亡は再び記録的な数に達した。ウィーンに本部を置く国連薬物犯罪事務所(UNODC)の2023年 の報告書によると、死亡者数の増加は使用者数の増加だけではなく、フェンタニル自体の致死作用に関連している。フェンタニルは、他の広く乱用されているオ ピオイドやアヘンよりもかなり毒性が強いため、特別な位置づけが必要だろう。小児における過剰摂取による死亡例についても、数字が懸念されている。 JAMA networkの報告によると、1999年から2021年までの小児死亡例の37.5%がフェンタニルに関連しており、そのほとんどが青年(89.6%) と0~4歳児(6.6%)であった。UNODCによれば、「北米におけるオピオイド危機は衰えることなく、前代未聞の過剰摂取による死亡数となっている」 [111][112]。 | |
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二次暴露による警察からの中毒誤報 2010年代後半、アメリカの一部のメディアは、警察官が粉末状のフェンタニルに触れたり、衣服についたフェンタニルを払ったりした後に入院したという話 を報道し始めた[113][114]。フェンタニルへの局所的(または経皮的)および吸入暴露が中毒や過剰摂取を引き起こす可能性は極めて低く(非常に大 量のフェンタニルに長期間暴露された場合を除く)、救急隊員や警察官などの初期対応者が、無傷の皮膚で偶発的に接触して、フェンタニル中毒となるリスクは ほとんどない[115][116]。Journal of Medical Toxicology誌の2020年の論文では、「オピオイドは皮膚から効率的に吸収されず、空気中で運ばれる可能性も低いため、意図的でない曝露による 中毒は極めて考えにくいというのが科学界のコンセンサスであることに変わりはない」と述べられている[117]。これらの症例で報告されている頻脈、過呼 吸、悪寒などの症状は、フェンタニルの過剰摂取の症状ではなく、パニック発作と関連することの方が一般的であった[118]。 2021年の論文では、フェンタニルに対するこのような身体的恐怖により、駆けつけた警官が不必要な防護措置にさらに時間を費やすことになり、過剰摂取に 対する効果的な救急対応が妨げられる可能性があること、また、メディアによる報道により、薬物を使用する人の周囲にいると危険であるという、より広範な社 会的スティグマが続いてしまう可能性があることについての懸念が表明された[119]。 毒性学の専門家の多くは、警察官が単に触れただけで本当に過剰摂取になることに懐疑的である。ケース・ウェスタン・リザーブ大学の救急・中毒医学 (addiction medicine)(英語版)専門のライアン・マリーノ医師によれば、「このようなことは一度も起きたことない。皮膚に触れたり、誤ってフェンタニルを吸 い込んだりしたことによる過剰摂取は一度もない」[120]。 |
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予防 フェンタニルの誤用と致命的な過剰摂取を防ぐための公衆衛生勧告が、米国疾病管理予防センター(CDC)によって出されている。最初のHAN勧告 (Health Alert Network Advisory: 特定の事件や状況に対する重要で一刻を争う情報を提供し、保健当局者、検査技師、臨床医、一般市民による即時の行動や注意を喚起し、最高レベルの重要性を 伝える」)は、2015年10月中に発令された[121]。続くHAN勧告は2018年7月に発令され、フェンタニルの乱用や非オピオイドとの混合による 死亡者数の増加を警告した[122]。2020年12月のHAN勧告は以下の通りである。 主に、違法に製造されたフェンタニルが関与する過剰摂取による死亡が急激に増加したため、米国全土における薬物過剰摂取による死者は大幅に増加した。薬物 過剰摂取による死亡は憂慮すべき勢いで加速し、COVID-19パンデミックに対する広範な緩和措置の実施と同時期、2020年3月から2020年5月に かけての最大の増加が記録された。メタンフェタミン関連の過剰摂取による死亡も大幅に増加した[123]。 2019年5月から2020年5月までの12か月間に81,230人の薬物過剰摂取による死亡が発生したが、これは米国で記録された12か月間の薬物過剰 摂取の件数としては過去最大であった。CDCは、この増加に対抗するために以下の4つの行動を推奨した[123]。 地域では、ナロキソンの配布と使用、過剰摂取防止教育を拡大する必要がある。 薬物乱用の治療を周知し、受診しやすくする。 過剰摂取のリスクが最も高い人に早期に介入する。 過剰摂取発生の発見率を改善し、より効果的な対応を促進する[123][124]。 もう一つの取り組みは、"One Pill Can Kill(一錠でも死ぬ)"と呼ばれる米国麻薬取締局(DEA)によるソーシャルメディアキャンペーンである[72]。このソーシャルメディアキャンペー ンの目的は、アメリカで大規模な過剰摂取の蔓延を招いている偽造薬の蔓延に対する認識を広めることである。このキャンペーンでは、偽造薬と本物の錠剤の違 いも示している。また、薬物中毒やリハビリテーションのためのリソースも提供している[125]。 |
リ ンク
文 献
そ の他の情報
CC
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