AMDが語る、企業が今「AI PC」を導入すべき理由--NPUで機密データを守る

加納恵 (編集部)

2026-06-18 07:00

 日本AMDは6月17日、最新のAIプロセッサー「AMD Ryzen AI 400シリーズ」の性能と、それを搭載したAI PCがもたらす業務活用について解説する発表会を開催した。AMD Ryzen AI 400シリーズを搭載したAI PCを販売する富士通パーソナルズも招き、AI PCによって変わる次世代のビジネス環境について話した。

日本AMD AMDコマーシャル営業本部 セールスエンジニアリング担当マネージャーの関根正人氏
日本AMD AMDコマーシャル営業本部 セールスエンジニアリング担当マネージャーの関根正人氏

サーバークラスの処理能力をクライアントへ

 AI PCの心臓部となるのが、高い演算能力を持つ専用プロセッサーだ。日本AMD AMDコマーシャル営業本部 セールスエンジニアリング担当マネージャーの関根正人氏は、エンタープライズ向けPCの要として、最新のAIプロセッサー「Ryzen AI 400シリーズ」を据える。

 最上位モデルである「Ryzen AI 9」は、最新の「Zen 5」アーキテクチャーを採用し、最大12コア・24スレッドを実現。関根氏は「12コアと言うと、ひと昔前のサーバープロセッサー並みではないかと感じている」と語り、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)譲りのプロセッサーがクライアントPCにそのまま搭載されている驚きを表現した。

AMD Ryzen AI 400シリーズプロセッサーラインアップ
AMD Ryzen AI 400シリーズプロセッサーラインアップ

 さらにGPUにおいても、最大16個のコンピュートユニットを搭載。AI PCの要となるニューラルネットワーク処理ユニット(NPU)は、Microsoftが提唱する「Copilot+ PC」の基準を大幅に上回る最大60TOPSの処理能力を備える。

 Ryzen AI 400シリーズでは、AMDがデータセンター領域で培った技術を水平展開しているのが特徴。データセンター向けGPUを稼働させるソフトウェアスタック「ROCm(ロクム)」をRyzenで動かせる仕組みを構築している。

 関根氏は「NPUだけではなく、データセンター向けのGPUが使っているソフトウェアシステムをそのままクライアントPCにも採用した」と述べ、CPU、GPU、NPUの三位一体でローカルAI環境を強力に後押しする。

2028年を見据えたPC調達戦略、AI人材育成への先行投資

富士通パーソナルズ 営業推進統括部の町田優祐氏
富士通パーソナルズ 営業推進統括部の町田優祐氏

 ハードウェアの進化に対し、企業はどのようにPC調達戦略を描くべきか。富士通パーソナルズ 営業推進統括部の町田優祐氏は「国内法人向けPC市場において、AI PCは2028年度には年間出荷台数の65%に相当する約525万台規模に拡大すると予測されている。お客さまが『Copilot+ PCを使いたい』という判断をせずとも、2028年ごろにはCopilot+ PCやAI PCを自然に購入していく流れになると予想されている」と指摘する。企業が意図せずとも数年後にはAI PCが社内の標準機材となる時代が迫っている。

 では、なぜ「自然な移行」を待つのではなく、今あえてAI PCを能動的に導入すべきなのか。町田氏はその最大の理由として「AI人材の育成」を挙げる。

 「AIを業務に本格的に活用していくためには、この進化についていける『AIを使いこなせる人材の育成』が不可欠。生成AIを業務プロセスにどう組み込むか、どの企業が提供する大規模言語モデル(LLM)を使用し、社内ルールをどう策定するか。これらを見極め、運用できる人材を育てるには多大な時間を要する。AI PCやAIの人材育成を将来への戦略的投資と位置付け、積極的に取り組むべきである」と述べ、他社に先駆けた環境整備が企業競争力に直結すると訴えた。

AI人材育成
AI人材育成

 富士通はそうした企業の挑戦を支えるべく、Ryzen AI 400シリーズを選択可能な法人向けノートPC「LIFEBOOK U5615A/A」「LIFEBOOK U5415A/A」を展開。最新のWi-Fi 7への対応や、ユーザー自身によるバッテリー交換を可能にしつつ、紛失防止ネジを採用するなど、日本企業の実務に寄り添った設計思想を採用する。

「LIFEBOOK U5415A/A」の概要
「LIFEBOOK U5415A/A」の概要

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