電気工事士の次に取るべき資格10選|仕事の幅・受注・単価が伸びる順に整理
結論要約
次の資格は、**「工事範囲を増やす」か、「管理・点検側に広げる」**かで最短ルートが変わります。
まずは実務で名前が挙がりやすい 認定電気工事従事者 と 低圧電気取扱業務特別教育 を正しく押さえるのが近道です。
その上で、第一種・施工管理・電験・消防・通信など、目的別に“効く順”で選ぶと失敗しにくいです。
認定電気工事従事者|「自家用側の一部」に踏み込めるのが強み
認定電気工事従事者は、ひと言でいうと
**「600V以下で使用する自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の“簡易な電気工事”」**の範囲で仕事が広がる制度です。
国家試験というより、要件を満たして申請して認定を受けるタイプです。
工場・ビルの小規模改修や、設備側の「ちょい工事」に刺さることがあります。
低圧電気取扱業務特別教育|“資格”より「安全要件」として強い
低圧電気取扱業務特別教育は、事業者が労働者に実施する特別教育で、対象業務の例として
低圧の充電電路の敷設・修理
充電部が露出した開閉器の操作(区画された場所など)
などが規程で整理されています。
ポイントは、電工免状とは別に、作業内容によって現場で求められやすいこと。
「取っておくと安心」ではなく、**“やる業務があるなら必要”**という性格が強いです。
電気工事士の次に取るべき資格10選(できること1行で早見)
途中の小要約:迷ったらこの5分類
工事範囲/保安・点検/施工管理/弱電・通信/省エネ
1)第一種電気工事士|工事範囲拡大の王道
第二種の次に「できる工事」が最もストレートに増える上位資格です。
住宅・店舗だけでなく、ビルや工場など“設備側”の案件に絡みやすくなります。
元請けや協力会社の募集要件で、第一種が前提になっていることも少なくありません。
現場では「任せられる範囲」が広がり、担当できる工程が増える=評価が上がりやすいのも強みです。
勉強は配線・機器・法規に加えて、図面と計算を“速く正確に”できるようにするのが近道。
免状の交付には、合格後に実務経験などの条件が絡む場合があるので早めに着手すると後がラクです。
2)認定電気工事従事者|自家用側(小規模)に強くなる
現場で効く理由はシンプルで、「自家用側の一部」に踏み込めるようになるからです。
工場・倉庫・小規模ビルなど、受電設備を持つ施設の“ちょい改修”が仕事になりやすい領域。
第二種だけだと線引きが出る場面でも、条件が合えば受けられる工事が増え、受注の間口が広がります。
試験で競うというより、要件を満たして申請するタイプなので、キャリア設計に組み込みやすいのも利点。
「第一種までのつなぎ」として取る人もいれば、「施設案件が多い会社で先に必須」となる人もいます。
自分の会社・元請けが持つ案件が“自家用寄り”なら、取得優先度は一気に上がります。
3)低圧電気取扱業務特別教育|安全要件としての必修枠
これは“資格試験”というより、作業内容に応じて求められる「安全のための特別教育」です。
低圧でも感電・短絡のリスクは大きく、充電部に近い作業があるほど価値が跳ね上がります。
内容は、低圧の基礎知識だけでなく、保護具の使い方、検電・遮断の手順、災害時の応急措置まで実務寄り。
現場によっては「受講していない=入場できない/作業できない」ケースがあるのが現実です。
電工免状があっても別枠で求められることがあるので、必要な職場なら早めに埋めておくと安心。
“安全手順を言語化して揃える”のが目的なので、受講後は自社手順に落とし込むと効果が出ます。
4)高圧・特別高圧電気取扱業務特別教育|受電設備に関わるなら
受電設備(キュービクル等)や高圧盤に関わる可能性があるなら、現場の選択肢が広がる教育です。
高圧は“近づき方”そのものがリスク管理になり、低圧とは別物として扱われます。
教育では、高圧特有の危険性、作業範囲の考え方、保護具・工具、作業手順や立入管理などが中心。
点検の補助、停電作業の立会い、機器更新に絡む準備作業など、周辺業務に強くなれます。
「将来、施設管理寄りに行きたい」「工場案件が多い」人ほど優先度は高め。
ただし“教育=何でも触ってOK”ではないので、役割分担とルール遵守が大前提です。
5)第三種電気主任技術者(電験三種)|工事→保安管理へ
電験三種は、電気設備を「つくる・直す」だけでなく「守る・判断する」側に踏み出せる資格です。
工事職でも、点検・保全・設備管理の領域に寄せたい人にとって、キャリアの逃げ道が増えます。
学ぶ範囲は広いですが、理論が分かるほど現場の“なぜ?”が解像度高くつながるのが強み。
設備更新の提案、故障の切り分け、図面や保護協調の読み取りなど、現場で効く場面が増えます。
ビルメン・工場保全・保安業務など、働き方の選択肢を増やしたい人ほど投資対効果が出やすいです。
まずは科目ごとの得意不得意を見て、継続できる計画に落とすのが合格への近道。
6)電気工事施工管理技士(2級→1級)|単価と役割を上げる
施工管理は、作業そのものより「現場を回す力」を証明する資格です。
工程・品質・安全・原価・書類をまとめ、職人さんが動きやすい環境を作る役割に近づきます。
現場代理人や主任技術者側の仕事が増えると、単価やポジションが上がりやすいのが現実。
電気工事ができる人は多くても、“回せる人”は不足しがちなので評価されやすいです。
勉強は暗記だけでなく、写真管理・出来形・工程表など「現場の型」を理解すると伸びます。
制度や要項が更新されることがあるため、受検条件は必ず最新情報で確認を。
7)消防設備士(おすすめ:甲4)|電気×防災は案件が増えやすい
消防設備は「設置後の点検需要」が継続的に発生しやすく、仕事の柱になりやすい分野です。
とくに甲4は自火報(自動火災報知設備)に関わることが多く、電気工事との相性が良いのが特徴。
工事と点検がつながる現場では、配線・機器更新・動作試験まで一連で提案しやすくなります。
建物用途や規模によっては、法定点検が前提になるため、景気に左右されにくい面もあります。
電気工事士のバックグラウンドがあると、配線・結線・原因切り分けが強みになりやすいです。
「改修が多い」「ビル管理会社と付き合いがある」なら、取得優先度は高め。
8)工事担任者(総合通信など)|弱電・通信も拾える
今の現場は、電気だけで完結せず、LAN・電話・IP機器・監視など“通信寄り”が混ざることが増えています。
工事担任者は、その通信側の工事・接続に関わる知識を体系的に身につけられるのが強み。
弱電が絡むと「結線はできるけど、規格や法規が怖い」が起きがちなので、安心材料になります。
電気工事+通信ができる人は重宝されやすく、客先での提案の幅も広がります。
照明更新と同時にネットワーク機器の移設、入退室・防犯設備との連携など、セット案件に強くなれます。
“電気の現場力”を活かしつつ、スマートビル対応へ寄せたい人におすすめ。
9)特種電気工事資格者(ネオン/非常用予備発電装置)|刺さる現場では指名条件
特種はニッチですが、対象が明確なぶん「必要な現場では必須」になりやすい資格です。
ネオンは商業施設・看板更新などで需要があり、施工できる人が限られると単価に反映されやすい傾向。
非常用予備発電装置は、病院・福祉施設・工場など“止められない設備”ほど重要度が高い領域です。
扱う機器の特性や安全面の注意が増えるため、資格で一定の信頼ラインを作れるのがメリット。
会社の主力案件がこの分野にあるなら、取得は“投資”というより“必須装備”になります。
逆に案件が少ない地域・会社だと回収が遅いので、仕事の見込みを見て選ぶのが現実的です。
10)エネルギー管理士|省エネ提案まで踏み込む武器
エネルギー管理士は、工事だけでなく「運用改善」「省エネ提案」まで踏み込むための強い肩書きです。
LED化やインバータ導入などの“更新工事”に、根拠ある効果試算や運用提案をセットにしやすくなります。
工場・大型ビルでは省エネが常にテーマなので、設備担当・管理側で評価されやすい分野。
現場目線で「どこがムダか」を見つけられる電工経験と、制度・計測の知識が組み合わさると強いです。
「工事で終わり」ではなく「改善で継続受注」につながる可能性があるのも魅力。
勉強は広いですが、設備の仕組みを“横断的”に理解する訓練になるので、長期的に効いてきます。
目的別おすすめ取得順(3パターン)
A:工事範囲を増やして受注を増やす
第一種電気工事士
認定電気工事従事者
低圧電気取扱業務特別教育
(必要なら)高圧・特別高圧電気取扱業務特別教育
B:保安・点検で“安定側”へ広げる
電験三種
消防設備士
エネルギー管理士
C:施工管理で“単価と役割”を上げる
電気工事施工管理技士
消防設備士(改修・点検のセット受注)
工事担任者(弱電も拾う)
要点3つ
次の資格は「工事範囲」か「管理・点検」かで最短が変わる。
認定電気工事従事者は自家用側の一部(条件付き)で仕事を広げやすい。
低圧電気取扱業務特別教育は“資格”より安全要件として現場で効く。
参考
出典候補URL
経済産業省:認定電気工事従事者
厚生労働省:安全衛生特別教育規程(低圧)
厚生労働省:安全衛生特別教育規程(高圧・特別高圧)
経済産業省:電気主任技術者
電気技術者試験センター:第三種電気主任技術者
建設業振興基金:電気工事施工管理技術検定
国土交通省:施工管理技術検定の受検資格変更
消防試験研究センター:消防設備士
電気通信国家試験センター:工事担任者
省エネセンター:エネルギー管理士
