走っても痩せれない本当の理由。パーソナルトレーナーが数字で証明します。
「食事制限はきつい。だから有酸素運動で痩せよう。」
この考え方、すごく自然です。自分もかつてそう思っていました。
でも数字で見ると、これが大きな勘違いだとわかります。
今日はMETsという考え方を使って、有酸素運動の消費カロリーを実際に計算しながら説明します。計算式も出すので、読んだ後に自分の数字で確認してみてください。
■ まずMETsとは何か
METsとは「Metabolic Equivalents(メッツ)」の略で、安静にしている状態を1として、ある運動や活動が何倍のエネルギーを消費するかを示した数値です。
たとえばこういうことです。
安静時(座ってじっとしている) → 1MET
ゆっくり歩く(時速3km程度) → 2.8METs
速歩き(時速6km程度) → 5METs
軽いジョギング(時速8km程度) → 8METs
縄跳び → 10METs
数字が大きいほど、安静時より多くのエネルギーを使うという意味です。
■ METsを使った消費カロリーの計算式
消費カロリー(kcal)= METs × 体重(kg)× 時間(時間)× 1.05
これだけです。
「1.05」はカロリーへの変換係数です。難しく考えなくて大丈夫です。
例として体重70kgの人が30分ジョギング(8METs)をした場合で計算します。
8 × 70 × 0.5 × 1.05 = 294kcal
約294kcalです。
自分の数字で計算したい場合は、METs・体重・時間を入れ替えるだけです。
■ 主な有酸素運動のMETs一覧
ウォーキング(時速3km・ゆっくり) 2.8METs
ウォーキング(時速5km・普通) 3.5METs
速歩き(時速6km) 5METs
軽いジョギング(時速8km) 8METs
ランニング(時速10km) 10METs
サイクリング(ゆっくり) 4METs
水泳(ゆっくり) 6METs
踏み台昇降 6METs
これを先ほどの計算式に当てはめれば、自分の消費カロリーが出ます。
■ 有酸素運動の消費カロリーを「食べ物」と比較する
ここからが本題です。
体重70kgの人を例に、代表的な有酸素運動30分の消費カロリーを計算します。
ウォーキング30分(3.5METs)
3.5 × 70 × 0.5 × 1.05 = 約128kcal
軽いジョギング30分(8METs)
8 × 70 × 0.5 × 1.05 = 約294kcal
速いランニング30分(10METs)
10 × 70 × 0.5 × 1.05 = 約368kcal
この数字を、ビジネスマンが日常的に口にするものと比較します。
缶コーヒー(微糖)1本 → 約40kcal
ウォーキング約9分で消費
スターバックス キャラメルマキアート(Tall) → 約240kcal
ジョギングを約25分しないと消せない
ランチの牛丼(並盛) → 約650kcal
ランニングを約53分しないと消せない
コンビニのおにぎり1個(鮭) → 約180kcal
ジョギングを約19分しないと消せない
セブンイレブンのメロンパン1個 → 約420kcal
ランニングを約34分しないと消せない
接待の焼肉(2時間・一般的な量) → 約1,200〜1,500kcal
毎日1時間ランニングを3〜4日しないと消せない
数字で見ると、わかります。
飲んだり食べたりする速度と、運動で消費する速度が全然釣り合っていないんです。
キャラメルマキアート1杯を消すのに25分のジョギングが必要です。でも飲むのは5分もかかりません。
牛丼1杯を消すのに53分のランニングが必要です。でもランチタイムに食べるのは10分です。
これが「走っても痩せない」の正体です。
■ では食事管理はどれだけ効率的か
同じ体重70kgの人で考えます。
1日の基礎代謝(何もしなくても消費するカロリー)は約1,680kcalです。
ここから1日の摂取カロリーを200kcal減らすとどうなるか。
200kcal × 30日 = 6,000kcal
脂肪1kgは約7,200kcalなので、1ヶ月でおよそ0.8kgの脂肪を落とせる計算になります。
200kcalをどうやって減らすか。
・白米を1杯から2/3杯にする
・缶コーヒーを水かお茶に変える
・マヨネーズをやめる
・ドレッシングをノンオイルにする
これだけで200kcal前後の削減になります。
同じ200kcalを運動で消そうとすると、体重70kgの人であれば約25〜30分のジョギングが必要です。
毎日30分走るか。
白米を少し減らすか。
どちらが現実的かは、言わなくてもわかるはずです。
■ 有酸素運動が無意味というわけではない
ここまで読むと「じゃあ有酸素運動はやらなくていいのか」と思うかもしれません。
そういうことではないです。
有酸素運動には食事管理では得られないメリットがあります。
・心肺機能の向上
・血流の改善
・メンタルの安定(セロトニンの分泌)
・代謝の向上(長期的に)
・減量停滞期の打破
特にメンタルの安定は、減量中に大きな武器になります。
自分が有酸素運動をする一番の理由もここです。アニメを観ながらウォーキングやバイクをやると、ただカロリーを消費するだけでなく精神的にリセットされます。
有酸素運動は「カロリーを消費するツール」ではなく「メンタルと代謝を整えるツール」として使うのが正解です。
■ まとめ
結論をシンプルに言います。
痩せたいなら、まず食事管理を先にやる。
有酸素運動はそのサポートとして使う。
この順番が逆になっている人が非常に多いです。
走ることで消費できるカロリーは、思っているより圧倒的に少ないです。でも食事で削れるカロリーは、思っているより圧倒的に多いです。
METsの計算式をもう一度書いておきます。
消費カロリー(kcal)= METs × 体重(kg)× 時間(時間)× 1.05
自分の体重と運動時間を入れて計算してみてください。数字を見れば、何をすべきかが見えてきます。
42歳・フィジーク挑戦中のパーソナルトレーナーが、今まさに減量しながら書いた記事です。参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
減量メンタルの整え方については別の記事に詳しく書いています。
