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【Shrinked ver.】 final A10000 Collector's Edition ファーストインプレッション & レビュー 〜 RME ADI-2/4 PRO SE を添えて 〜

※ 元々の長文バージョンはこちらです↓

 天災で出荷延期となっていた final A10000 が、本日10月31日手元へ届きました。以来、現時点で約10時間聴き続けています。

 また、A10000 と共に Pentaconn 4.4mm バランス端子搭載の RME ADI-2/4 PRO SE も入手しました。

 そこで僭越ながら、素人視点でファーストインプレッション&レビューを実施してみます。生暖かい目でご覧いただければ幸いです。

究極の「無」

 これが第一印象です。無音の表現がとてつもなく上手で、音がスッと立ち上がり、スッと消えていく。A8000 のベリリウム振動板と似た印象ながら、A10000 は限りなく無色です。一方、A8000 には少し色がある印象です。

 個人的には A8000 の色が結構好きです。日本酒で例えると、A10000 の透き通る純米大吟醸と、A8000 の独特の雑味が残る純米吟醸との違いです。A10000 は芯がとてつもなくしっかりした淡白、いわば無垢です。

 この無垢にまだ耳が戸惑っていますが、徐々に馴染んできています。本来あるべき音を正しく感じ取れるように、耳をやんわり矯正してくれるイヤホンなのかもしれません。

どこまでもすっぴん

 お化粧なしの音です。なにも足さず・引かず、ド真ん中へのストレート豪速球で音を届けるイメージです。基礎能力が卓越しており、上流 DAC の性格をそのままスルーアウトします。

 また、極めた無により「音が浮かび上がり」ます。まるで 完全な無発光を実現した OLED のようです。

周波数の分離

 周波数特性は超フラットです。(後日追記:少々もの足りない低域は、数10時間のエージングで一気に覚醒し始めます)。低域にはブーミーさや「ぼやけ感」がほとんどなく、奇をてらわない安心感のある特性です。

 さらに、周波数の分離感が常軌を逸しています。低域のバスドラから中域のボーカル、高域のハイハットや倍音豊かなシンセまで、何から何まで粒ぞろいで分離したまま同時に鳴ります。これほんとに1DDですか?

空間の分離

 左右・遠近の分離も優秀です。全周波数帯で入出力のリニアリティが高く、音源をありのまま鳴らす印象です。トレモロが非常に美しいです。また、高い分離性能がゆえに、歌詞や各楽器を明瞭に聴き分けられます。

 丁寧で混ざりっ気ない各音の表現により、ソロ時の際立ちと、多音時のヒーロー勢揃い感との行き来が非常に楽しく、曲の抑揚でカタルシスのような高揚感が得られます。一音一音が主役級の存在感を放ちます。

耳に寄り添うフィット感

 A10000 の重さに似つかわしくないフィット感(褒)です。また、極太・重量級となった潤工社と共同開発のケーブルが、装着時の安定感に寄与しています。

さいごに

 final さんはとんでもないイヤホンを造ってしまったようです。それを裏付ける個人的な判断基準が、上述とはまた別に2つほどあります。

 ひとつは、聴き疲れしないことです。色があるイヤホンは、インパクトの良さで惹かれるのも早いですが飽きるのも早いです。一方、素直なイヤホンはじわじわ滲み出る良さがあり、どのような音楽であってもずっと聴いていたくなります。

 もうひとつは、うるさく感じないことです。クセのあるイヤホンは、音量の上下で周波数特性の変化や歪み、音の刺さりやブーミーさといった「うるささ」に繋がるほころびを生じやすいです。上述した入出力のリニアリティにも通じますが、音の大小によらず本来の特性を維持できるイヤホンは良いものであるという印象です。

 A10000 はこれらの特徴を兼ね備えています。常に安定した超ハイレベルな特性を体現できる、大変貴重なイヤホンだと結論づけられそうです。

 一方、A8000 と HA-FW10000 の「色」も唯一無二で、自分には非常に好ましいものだと再発見できました。高価なイヤホンは必ずしも他に取って代わる上位互換となるわけではなく、それぞれの色は依然として愛おしいものです。

 これにて、RME ADI-2/4 PRO SE へバランス接続した final A10000 Collector's Edition の ファーストインプレッション & レビューを終えます。最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

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