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#31 オーストラリア寮生活⑩|セーリングとバレーボール、寮生の「移動問題」

前回の「寮生活と一体化したラグビー」の記事に続いて、今回は12歳でオーストラリアに単身留学した息子が直面している、スポーツに参加する際の「移動問題」について、セーリングとバレーボールを例にお話ししていきます。

親がいない環境で、どうやって遠征や試合に参加しているのか。寮生にとっては大きな課題であり、同時に成長のチャンスでもあるんです。


Term4→Term1は連続シーズン。選ぶのはTerm3期間中

10月上旬開始のTerm 4と翌年1月開始のTerm 1のスポーツは同一シーズンとして扱われます。つまり、Term 3の段階で翌学期(Year 8, Term 1)に参加する競技を決める仕組みです。

わが家は昨年に続いてバレーボールに加え、今年はセーリングにも挑戦することにしました。(正直、私は体重管理のためにスイミングを勧めたかったのですが笑、本人の強い希望を尊重しました。)


日曜はセーリング、平日&土曜はバレーボール

セーリングはラグビーやバレーボールのようなリーグ戦ではなく、一部の学校が集まって行う競技。
毎週日曜日にトレーニングと試合があり、土曜日に試合があるバレーボールと重ならないので両立ができます。

ただし、セーリングは海や湖で行うため必ず移動が必要
これは通学生であっても親の送迎が必須で、寮生にとってはさらに大きなハードルになります。実際、去年セーリングを選んだ寮生はわずか1人だけだったそうです。たったひとりのために学校はバスを出してくれませんからね。

だけど、そんな逆境に敢えて立ち向かうことにした長男。これは、おもしろいことになりそうです。


【セーリング】初心者は3週連続の講習からスタート

初心者講習が行われた湖

セーリングに関して、Term2の終わりに全生徒宛てに連絡がありました。

「Term4からセーリングを始めたい生徒は、Term3中に初心者対象の講習を受けて、修了証(certificate)をもらうこと」

毎週土曜日に3時間の講習を7日間、または日曜日に6時間の講習を3日間受け、修了証をもらわなければTerm4からの練習には参加できません。我が家は日曜日を選びました。

学校から指定のヨットクラブは車で40分ほど。もちろん、寮生一人のために学校はバスを出してはくれません。しかし幸運なことに、そのうち2回は私が滞在中だったので送迎ができました。

さらに初回の講習で同じクラスの子が参加していて、3回目はその子のお父さんが寮まで迎えに来てくれることに!しかも帰りに家に招かれ、お母さんの家庭料理をごちそうになってから寮に戻ったとか。
……本当に長男は運がいいし、懐に入っていくのがウマいなぁ、とつくづく感心しました。


親のサポートとコミュニティのつながり

私はそのご家庭に日本から持ってきたお土産を渡したり、メールやWhatsAppで必ず都度お礼を伝えるようにしました。

また事前に担当の先生に寮生のセーリング参加について問い合わせをしたところ、セーリングは通学生でも親同士のやり取りで送迎を分担している競技なので、そこに寮生が「ジョインする」のは自然なこと。
むしろ「寮生は大歓迎!」という回答。

日本人だと「親がいないのに車に乗せてもらうのは悪い」と思いがちですが、それではせっかくの留学でやりたいことを諦めることになってしまいます。

だからこそ私は切り替えました。
お願いするときはお願いする。その代わり、親の滞在中や日本帰国の際にお土産やお礼をきちんと伝える。

そうやってバランスを取りながら、親子でこの環境を乗り切ろうと考えています。


通学生との積極的なかかわりが寮生には大事

またその話を息子の寮の先生やスクールカウンセラーにしたところ、「寮生は積極的に通学生とかかわるべき」という意外な回答を何度も耳にしました。

理由は、寮という小さな世界だけで人間関係を完結させてしまうと、考え方が偏ってしまいがちだから。どんどん通学生と交流すべき、というものでした。

だから通学生の参加が多いセーリングに参加することは、寮の先生やカウンセラーも大賛成という話。なるほどなと思い、息子のさらなる成長を楽しみに思う気持ちも湧き出てきました。(大賛成なら寮からバスを出してよ、という話ではありますが…)


【バレーボール】寮生に必須「移動の段取り」

ラグビーは参加している寮生の人数が多いので、アウェイゲームには学校のバスが出ます。でもバレーボールは寮生が少ないため、バスが出ない=自力で移動を確保しなければなりません。

長男が聞かせてくれた「移動手順」はこんな感じです。

  1. 次週のスタメン表が出たらすぐに確認、自分と同じチームの子をチェック

  2. チームメンバーに「誰か寮から会場まで連れて行ってくれない?」と一斉メール

  3. 快諾してくれた子の保護者の名前と連絡先を聞く

  4. それを寮のオフィスに登録

  5. 金曜までに寮のオフィスと親(私)の両方から許可をもらう(アプリで手続き)

  6. 寮まで迎えに来てもらって、晴れて土曜のアウエィゲームに参加!

まさに12歳にして交渉能力とマネジメント能力を磨いているようなもの。
「自分のプレーだけでなく、会場までどうたどり着くか」まで責任を負う経験は、日本ではなかなか得られません。

息子が「誰に頼むか」「どうやって移動するか」を考え、実際に手配している姿を見ると、単なるスポーツ活動を超えて、生活力を身につける場になっていると強く感じます。

実際、わたしの初めてのオーストラリア人のママ友は、この送迎に関してお礼のメッセージを送り、やりとりが始まった方です。親のママ友まで作ってしまう長男、おそるべし。


信頼できるママ友が増える大切さ

もちろん、困ったときに親として動ける備えも必要です。
今回の滞在で、私は移動をお願いできる「信頼できるママ友」をさきほど紹介した1人→3人に増やしてきました。

ちなみに送迎に対する金銭のやり取りは、今のところありません。移動距離が短いことと、毎週同じ人に頼むわけではないからです。きちんとお礼のメッセージを親からも送る、長男に持たせてある和柄のハンカチなどのプチギフトを渡す、などの対応をしています。


おわりに

全寮制であればこういった問題はないのかもしれませんが、通学生と寮生が混在している息子の学校では、寮生のスポーツ参加は「移動」が最大の壁。

特に自由な移動が制限されているYear7~8にかけては、そこをどうクリアするかが留学生活そのものを形づくっていくと思います。

12歳の息子が、仲間や通いの生徒保護者の力を借りながら交渉し、移動を確保して試合に臨む姿を見ていると、これも「留学の大事な学び」だと感じました。


ちなみに、前回の記事では「ラグビー」と寮生活の関わりをまとめました。こちらもぜひ読んでみてください。

このようなエピソードをまとめたマガジンもあります。興味のある方はぜひフォローしてみてくださいね!


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