摂氏22度の孤独【詩】
圧倒的な美しさを前にしたとき
すうう、と深く息を吸い
日常に潜む美しさを発見したときは
はっと一瞬、浅く息をする
深く浅く呼吸し
深く浅く感知する
深く浅く追求し
深く浅く思考する
深く浅く接近し
深く浅く愛慕する
呼吸と同時に、わたしは満たされていくのです。
深いと浅いに優劣はなく、どちらもわたしには欠かせません。
物事はどちらかを選んだ方が合理的かもしれません。
でも、心まで合理的である必要がありますか?
心はもっと自由で、混沌としていて、言葉という記号だけでは到底語りきれないはずです。
だから、あなたはメロディを口ずさむのでしょう?
だから、あなたはキャンバスの前に座るのでしょう?
胸の奥にある塊を、言葉以外の方法で表現する、そういう彼らから、わたしは目が離せないのです。
どうしようもなく恋焦がれてしまうのです。
呼吸を止めることができないように、惹かれる心も止められません。
ですから、一つを、一人だけを、選ぶことはわたしにはできないのです。
雨の休日である今日は、独り音楽を聴きながら、窓辺で「深く浅く」について考察したり、愛おしい二人を想ったりして過ごします。
孤独だけれど、摂氏22度の部屋の中で、わたしは呼吸をしながら次第に満たされていくでしょう。
©️2022 ume15
