「民間さい帯血バンク」がアメリカでめちゃくちゃ批判されてる件──州司法長官が「最悪の消費者詐欺」と糾弾、世界的医学者は「子どもたちとその家族を搾取」とバッサリ
先日の「さい帯血保管ビジネス」についての記事、かなり多くの方に読んでいただいています。
今回は、「海外における民間さい帯血ビジネス」について調べました。ちょっと長いですが、非常に衝撃的な内容なので、「さい帯血保管」について考えている方はぜひ最後まで読んでください。
前回の記事はこちら。
産婦人科医やっきーさんからは「めっちゃいい!!!」との言葉をいただきました。そして、民間のバンクは現状「クソたっけえお守り」とのこと。
この記事、めっちゃいい!!!
— 産婦人科医やっきー (@yacky_sanfu) August 2, 2025
民間さい帯血バンクについて私が解説した内容から、いい感じに別の角度から考察してる。私も新たな知見が得られた。
公的バンク(日本赤十字社がやってるやつ)は産院が対応してるなら是非にとお勧めできるけど、
民間のバンクは現状「クソたっけえお守り」なんや🐻❄️ https://t.co/BLTnpxRoMX
本当に不思議なのは、やっきーさんの記事以外に、民間さい帯血バンクについて詳しく書いている専門家の記事が、ほとんど見つからないことです(未読の方は、とにかくこの記事を読みましょう)。
あったとしても、2017年に民間バンクの1つ「つくばブレーンズ」が引き起こしたさい帯血流出事件の時期のものばかりで、それ以降に書かれたものがほぼありません。
このとき批判されたのは、ずさんな管理体制や無断のさい帯血売買といった法令違反やルール違反。つまり、流出事件以後の、管理体制や法令違反以外の民間バンクの問題点を正面から取り上げた記事が非常に少ないんです。
そこで、ほかの観点を知るために、海外の事情を調べてみました。ステムセル研究所の資料によれば、さい帯血保管率はアメリカ約3%、韓国約7%、シンガポール約20%で、少なくともこの3カ国は日本より高い。とりあえずアメリカについて調べてみます。
Geminiに、「アメリカでは、民間のさい帯血バンクのビジネスについて、批判的な意見は出ていないの?」と質問してみました。
アメリカでは民間の臍帯血バンクのビジネスに対して、多くの批判的な意見が存在します。主な批判点は、商業的なマーケティング手法、費用対効果の低さ、そして品質管理の問題に集中しています。
まず、批判の中心となっているのは、民間の臍帯血バンクが親の不安に訴えかけ、臍帯血の潜在的な有用性を誇張して宣伝しているという点です。例えば、将来的に白血病やその他80種類以上の疾患の治療に役立つ可能性があると謳う一方で、それらの疾患のほとんどは非常に稀であり、実際に自家臍帯血が使われる可能性は極めて低いことが指摘されています。さらに、多くの専門機関、例えば米国小児科学会(AAP)などは、家族に遺伝的な疾患の既往がない限り、臍帯血を「生物学的保険」として個人的に保管することを推奨していません。
次に、経済的な側面からの批判も強いです。民間の臍帯血バンクは、初期費用として数百ドルから数千ドル、それに加えて年間保管料を支払う必要があり、長期間にわたる多額のコストがかかります。しかし、多くの専門家は、その費用に対して実際に使用される可能性が非常に低いことから、費用対効果が低いと指摘しています。また、一部の医師や看護師が、臍帯血バンクから金銭的なインセンティブを受け取って親に勧めているという利益相反の問題も報じられています。
さらに、品質管理に関する懸念も挙げられます。過去には、臍帯血サンプルが細菌に汚染されていたり、保管容器に問題があったりして、いざという時に使えなかったという事例が報告されています。また、採取された臍帯血の細胞数が少なく、治療に十分な量がない場合があることも問題視されています。
品質管理に関しては、日本のステムセル研究所はしっかりやっていると信じたいところですが、「商業的なマーケティング手法」「費用対効果の低さ」という問題点については十分に当てはまるでしょう。
Geminiが、民間さい帯血バンクについてのファクトチェック記事を教えてくれました(https://ipscell.com/2022/08/cryo-cell-reviews-dubious-cord-cell-clinic-plans-risks-other-issues/)。
2021年1月なので、ちょっと古いですが、なかなか衝撃的なことが書いてあります(日本語訳はGoogle翻訳。太字の箇所から関連記事にも飛べます)。
営利目的の臍帯血バンク企業は様々な主張をしていますが、私の見解では、その主張の中には確固たるデータによって裏付けられていないものもあります。
ニューヨーク・タイムズより:米国最大級の民間バンクの一つであるViaCordは、ウェブサイト上で「臍帯血幹細胞の特殊な特性」が、脳細胞の修復を促し、免疫システムを強化することで、自閉症の患者に効果がある可能性があると述べています。この主張の根拠として、同社は 2017年に臍帯血輸血を受けた自閉症児25人を対象とした臨床試験の結果を挙げています。
彼らはデューク大学の過去の臨床試験に言及していますが、実際には臍帯血が自閉症に明確な効果を示さなかったのです。2020年に発表されたデューク大学のより最近の臨床試験では、臍帯血は自閉症に効果がないという決定的な結果が出ています。しかし、デューク大学は諦めていません。注目すべきは、Business Insiderの最近の記事で引用されているように、デューク大学自閉症センターは臍帯血バンク企業であるCryo-Cellと関係があるということです。この企業の詳細については、私のCryo-Cellのレビューをご覧ください。
「2020年に発表されたデューク大学のより最近の臨床試験では、臍帯血は自閉症に効果がないという決定的な結果が出ています」という記述もあります。
記事を書いたのはポール・ノフラー博士。調べたらめちゃめちゃ有名人でした。「2013年にノーベル賞受賞者の山中伸弥とジョン·ガードン、ロバート·ランザなどとともに幹細胞研究分野の『最も影響力のある50人』の一人に選ばれた」そうです。
記事にあるデューク大学は、ステムセル研究所の資料でも大きく取り上げられています。2024年10月時点で、「ステムセル研究所の保管者様では、これまでに13名の方がデューク大学でさい帯血投与を受けています」とのこと。
ポール・ノフラー教授は、デューク大学と、この大学と提携している民間さい帯血バンク・クライオセル社を強く批判しています。
臍帯血輸血は一般的に安全ですが、デューク大学とクライオセルが現在行っていること、そして今後計画していることにはリスクが伴います。
たとえば、子どもは臍帯細胞を採取した後に注入反応を起こすことがあります。
また、FDA承認の拡大アクセスプログラムに基づきデューク大学が既に輸血を行っている一部の子どもたちは、輸血を受けるために鎮静剤を投与されています。この鎮静剤投与には独自のリスクが伴います。臍帯血輸血に明確なメリットがない中で、子どもたちに鎮静剤を投与するという、かなり強い処置は倫理的に正当化されるのでしょうか?
デューク大学クライオセルとの協力に関する倫理的および政策的な懸念については、これまで何度も記事を書いてきました。このクリニックの計画は、脆弱な立場にある子どもたちとその家族を搾取するものだと私は考えています。点滴による子どもたちの健康へのリスクに加え、チームの取り組みは家族の経済にも大きな打撃を与えます。
主な目的は、子供たちの家族から得られる数千万ドルの収益を生み出すことだと思われます。
全体的に、子供たちとその家族にとって大きなメリットはないように思えます。
ただ、ポール・ノフラー教授の記事は3~4年前のものなので、もっと最近の記事がないかGeminiに聞いてみました。
すると、「アリゾナ州司法長官が、アメリカの大手民間臍帯血バンクであるCBRシステムズ社に対して、欺瞞的で不公正な慣行を行ったとして提訴した」という今年5月の記事を教えてくれました。
マリコパ郡上級裁判所に提出された訴訟では、CBRが組織的に消費者を欺き、約束を果たさず、医療提供者と非倫理的なキックバック計画に関与していたと主張している。
「家族は、子どもの誕生という非常に個人的で感情的な瞬間に、CBRに信頼を寄せます。それは、赤ちゃんの未来のために、責任ある、命を救う可能性のある投資をしていると信じていたからです」とメイズ司法長官は述べた。
「しかし、私たちの訴状は、CBRが子どもの臍帯血と組織の潜在的な用途と生存可能性について親を欺き、サービスを勧めた医師にひそかにキックバックを支払っていたと主張しています。これは最悪の消費者詐欺です」
訴状によると、CBRは臍帯血および組織の取り扱いと保管方法について虚偽の説明を行い、赤ちゃんの臍帯血および組織は医療用途に使用できると両親に保証しながら、サンプルの完全性を危険にさらすような行為を行っていた。訴状は、CBRが臍帯血サンプルをツーソン施設まで安全かつ確実に輸送すると主張して消費者を欺いたと主張している。実際には、訴状によると、サンプルは厳格な温度管理や監視なしに輸送され、輸送中にサンプルが損傷したかどうかを消費者が判断する手段がなく、使用できなくなる可能性があったとしている。
CBRのサービスに投資するために経済的犠牲を払った家族にとって、この疑惑の詐欺行為は、お金の無駄遣いを意味するだけでなく、子どもの将来の健康のために頼りにしていた重要な医療資源を失う可能性も意味した。
訴状はまた、CBRが公的臍帯血バンキングの選択肢を軽視し、それらを劣悪または信頼できないものとして描写することで消費者を欺き、実用的でより安価な代替手段を十分に説明することなく、高額なプライベートバンキングへと誘導したと主張している。訴状によると、CBRは無料の昼食、ギフトカード、サンプル1個につき最大700ドルのキックバックなどの金銭的インセンティブを提供することで、自社のサービスを宣伝するために医師を募集したとされている。妊婦にとって信頼できるアドバイザーである産婦人科医を起用することで、CBRはこれらの医師が自社のサービスを宣伝するために報酬を受け取っていたことを明らかにすることなく、医療的な推奨をしているように見せかけていた。
普通にGoogle翻訳しただけなんですけど、めちゃくちゃ激しい口調で批判されてますね……。
CBRは、100万件以上のさい帯血およびさい帯組織サンプルを保管している最大手企業です。アメリカの最大手がこんなにひどい有様だと批判されているんです。
もちろん、ステムセル研究所とCBRはまったく別企業なので、同一視することはできません。しかしながら、さい帯血保管ビジネスにはこういった土壌があることは知っておくべきでしょう。医師に多額のキックバックを支払っても成り立つほど、非常に儲かるビジネスなのです。
さて、今回の記事はあくまで、下調べにすぎません。みんなで「#AIと自由研究」しましょう!
そもそも私、医学の専門家でもないし、英語も得意じゃないです。Geminiに助けてもらって書いた記事なので、せっかくなので「お題」に参加してみました。この記事が本当に正しいのかどうかもご自身で検証してくださいね。
いま、日本語で読める「さい帯血保管ビジネス」「民間さい帯血バンク」の記事が圧倒的に少ないのです。ないなら作りましょう。当事者のパパママからの発信が増えれば、専門家の方も呼応してくれると信じています。
ぜひご自身で「民間さい帯血バンク」について調べてみてください。そして、発信してください!
