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【TRPG】同じシナリオを何度も回そう


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■はじめに

 前にも同じような話をしましたが、今回は別の角度からお話ししたいと思います。
 前のお話(必読ではない)。

 自作シナリオは何度も回すことで完成度が高まっていきます。たまに、なおす前の方がよかったということもありますが、多くの場合、なおせばなおすほどよくなります。
 では、どこをなおすのか。
 一度回したとき、気になった部分をなおせばよいのですが、それではよくわからない、何らかの指針がほしいという方はいるでしょう。
 今回は、シナリオのなおし方についてお話しします。

■戦闘バランス

 戦闘がないTRPGというのは少ないので、真っ先に見なおすべきはここでしょう。何しろ、プレイヤーが楽しみにしている部分でもありますから(ダイスを振るシステムなら、一番ダイスを振る場面ですしね)。

 一度シナリオを回したとき、敵が強すぎると感じたなら、能力値やレベルをさげたり、特殊能力を削ってみたりしましょう。
 そのうえで、同じキャラクターと模擬戦をひとりで行ってみるとよいでしょう。その際、プレイヤーキャラクター(以下PC)のコピーをとらせてもらえると助かりますが、サンプルキャラクターが掲載されているなら、それを使ってもよいでしょう。

 敵が強すぎるとセッションが「全滅」で終わりかねないので、注意が必要です。
 2D6で判定を行うシステムに限られますが、確率的に「2D6で9以上が出ないと攻撃が当たらない敵は強い」という感じがします。「8以上」と「9以上」では結構確率が変わりますので。ただし6ゾロが出れば必中であったり、「セブン=フォートレス」「ナイトウィザード」のようにクリティカルヒットの値が変動するシステムなどでは、多少の誤差が生じます。

 逆に、敵が弱いのは問題になりません。TRPGというのは、基本ハッピーエンドになるシナリオばかりなので、PCの方が強いのは構わないのです(※)
 敵が弱いせいで起こる問題をあげるとしたら、敵が弱すぎると、すべてのキャラクターに攻撃の機会がまわってこないおそれがあります。これではプレイヤーの不満がたまります。
 こういうときは、敵の攻撃力を少しあげたり、攻撃の種類を増やしたり(単一攻撃と範囲攻撃の両方を行う、状態異常を付与する、など)するとうまくいくことがあります。
 ただし、敵の回避力をあげることはおすすめしません。敵に攻撃が当たらないというのは、プレイヤーにとってかなりストレスになるからです。回避力をあげるぐらいなら、HPを増やす方向でバランスをとった方がよいでしょう。

※ハッピーエンドになるシナリオばかり
 このあたりはGMやシナリオ制作者、システムの傾向によって差は出ると思いますが、何らかの制約が特にないのなら、シナリオはハッピーエンドにすべきです。それが、数時間頑張ってくれたプレイヤーへのごほうびになるからです。

■情報を与えるタイミング

 情報がうまく回らずセッションが停滞した場合、情報を与えるタイミングを見なおしてみましょう。
 ひとつの方法として、「シナリオを終了させるために絶対に必要な情報は、自動的に手に入るか、複数の箇所で入手できるようにする」というものがあげられます。

 たとえば、ある部屋で「本」を見つけないといけないとき、判定に失敗して手に入れ損ねるとセッションが停滞する、というシナリオは作らない方がよいでしょう。ここは、判定だけさせて自動的に手に入るようにするとよいかと思います。
 ただし、判定には失敗しているので、ペナルティがつきます。
 本を自力で見つけられなかったことで時間がかかってしまい、敵が戦力を整えてしまったり、本来なら通れる通路が隔壁で閉鎖されてしまったりといった「不利なできごと」が起こるようにすれば、判定に意味が出てきます。

 「複数箇所で情報が手に入る」というのは、たとえば人物Aから情報を手に入れ損ねても、アパートの一室を調べれば同じ情報が出てくる、というものです。
 これはシナリオを書く段階で準備することもできますが、セッション中にアドリブでわたすということもできます。なれていないGMは、あらかじめシナリオに書いておくとよいでしょう。

■迷宮の構造(ダンジョン探索シナリオの場合)

 ダンジョンシナリオの失敗のひとつに「プレイヤーが全ての部屋を探索してくれなかった」というものがあります。
 たとえば

部屋A → 部屋B → 部屋C → ボスの部屋

という順番で探索してほしかったのに、

部屋A → 部屋C → ボスの部屋

というように、部屋をひとつ飛ばしてしまった場合があげられます。
 もし、部屋Bにボスを倒すための特別な道具が置いてあった場合、PCはボス戦で苦戦を強いられ、全滅することもありえます。
 こういう場合は、ボスと戦っているときに「ボスにダメージが通った様子はない。何かで守られているようだ」という説明をして、一度逃げることをすすめるようにしましょう。プレイヤーも部屋Bを調べていないことがわかっているので、部屋Bに何かあると思って調べてくれるでしょう。

 もちろん、はじめから部屋Bを飛ばさないような構造にすることも手です。
 たとえば迷宮の形を下記のようにします。

    ┌─ 部屋C ─┐
部屋A ┤       ├─ 部屋B ─ ボスの部屋
    └─ 部屋D ─┘

 このような構造にすれば、PCは必ず部屋Bを通ります。
 ただ、この構造は不自然です。ボスが自分の部屋の前に、「自分の弱点となるもの」を置いたりしないでしょう。
 その場合、ボスの部屋へ向かう通路に落とし穴や隠し扉を設け、その先に「何かがある」という仕組みにするとよいでしょう。PCからは一見して何もないように見せることで「ボスは自分の弱点を隠している」という説明も一応成り立ちます(自分の居城……迷宮に弱点を置くこと自体が不自然ではありますが)。

 ここでの要点は、「PCに絶対通ってほしい部屋は、正しい進路の上に置く」ということです。不自然な床、不自然な壁などで隠しておくと、ダンジョンっぽさが出てよいかと思います。
 このとき、隠し扉や落とし穴がわかるような描写をすると、プレイヤーにも伝わりやすくなります。
 「地面に何かを擦ったような跡がある」(隠し扉を開閉した跡)
 「床の一部分が埃をかぶらずきれいになっている」(落とし穴の描写)

 このように、プレイヤーが注意を向けるような描写をすれば、単に判定だけで隠し扉や落とし穴を見つけさせるより、確実に発見してもらえるようになります。

■時間の調整──何時間かかるシナリオなのか

 私はシナリオを作るとき、だいたい3~4時間もたせられるものを目指して作っています。ですが実際に遊んでみると、思ったより早く終わったり、長くなってしまったりします。こればかりは、一度シナリオを回してみないとわかりません。

 もし早く終わってしまうようなら、情報の数やイベントの数、ダンジョンの部屋の数などを増やす必要があります。ただ、コンピュータゲームでいう「お使いイベント」ばかりにならないよう、注意する必要があります。
 大切なことは、「情報を得たりイベントをこなしたりすることで、セッションが前に進んでいるという実感を与えること」です。これがないと。あくびをするプレイヤーが増えてきます。

 逆に長くかかるようなら、情報やイベントの統廃合、ダンジョンの縮小などが必要になるでしょう。

■終わりに

 同じシナリオを何度も回すのは、簡単なようで難しいものです。
 「同じシナリオを同じプレイヤーで遊ぶことはできない」と思っている方は多いので(私もそのひとりでした)、それなりに人が大勢いる場所……コンベンションやサークル……にいないと難しいかと思います。

 ですが昨今では、ゲームデザイナーの方でも「一度プレイしたシナリオを同じプレイヤーで遊ぶ」という遊び方を提唱するようになりました。
 これはひとつのチャンスではないかなと私は思っています。

 使う、使わないにかかわらず、シナリオの手なおしは得るものが大きいと思います。
 同じ轍を踏まないためにも、一度使ったシナリオを見なおしてみるのはよいものです。

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