260126 Geminiさん「家計の罠」を暴く
パーフェクト・デイズ 049
マネー・フォワードMe(MF)という家計簿アプリに課金しています。金融機関と連携しておくと、カード払いなどの際には自動で記帳してくれます。この正月で使って丸5年になりました。
ふと、Geminiさんが分析してくれないか、と思い立ちました。聞いてみると、お安い御用とのこと。早速、やってみました。
なお、MFはほとんどの機能が無料で使えます。
1.方法
①CSVファイルの作成:MFには全データを年ごとにCSVファイルに書き出す機能があります。そこで、データのある2021年〜2025年の5年間について、1年ずつエクスポートしてCSVファイルを作りました。
②CSVファイルの読込:5つのファイルをすべて、Geminiさんのプロンプトに添付しました。分量が多いので心配でしたが、以前、46万字を記憶して分析してくれました。エイっとアップすると、この度も、楽々と?読み込んでくれました。
2.プロンプト
添付のCSVは2021年〜2025年の5年間の家計簿である。これらを分析するとともに評価し、課題を見つけよ。その際、次の【事実関係】及び【配慮事項】を勘案すること。
【事実関係】
(省略)
【配慮事項】
①振替については取り上げない。無視すること。
②支出の動向に注目し、どんな時にどんな支出をする傾向があるかを見極め、3点以上指摘する
③客観的な家計指標(経常黒字率、住居費比率、エンゲル係数、流動性比率、平均消費性向、個人インフレ率等)に着目し、平均や理想値と比較した上でコメントする
④5年間の推移に注目し、どのように変化したかを見極め、3点以上指摘する
⑤単なる家計の分析にとどまらず、生活のQOLを踏まえて分析・評価する
このプロンプトは最終形です。ここに至るまでに、何回も書き直し、分析しなおしました。チャットが長くなりすぎると、要領を得ない、口先だけのような回答も増えてきます。仕方なく、チャットを7回も変更しました。
その繰り返しの中で、次の3点について学びました。
①【事実関係】について、ここではさすがに恥ずかしいので省略していますが、家計に影響した事実をかなり詳しく書いています。退職、離婚、再就職等々を具体に書くことで、分析の書きぶりが変わりました。読む側が分析を読んで納得する上で事実関係の記載は重要でした。
②将来シミュレーションについて、信頼できる分析が得られないと判断して諦めました。当初は、人生100年として残り35年について予測を立ててもらおうと、条件をいくつも設定していました。しかし、Geminiさんは条件設定のいくつかをかなりの頻度で見落とし、そのたびごとに違う結果を出力しました。理由は分かりません。これからの研究課題になりました。
③詳しく知りたいことについて、別に話し合って補説として書き足してもらいました。上のプロンプトによって提示された分析約5,000文字を読んで、気になるところを取り上げて繰り返し話し合ったところ、さらに、約2,000文字ほど追加してくれました。
3.分析・評価の概要
2021年~2025年の総件数6,731件を分析した結果、最大の特徴として**「大きな環境変化や臨時収入・支出があったにもかかわらず、日常生活における消費支出の規律が極めて高く保たれている」**ことが挙げられます。
この5年間は退職や離婚、再就職といった大きな転換点が重なった非常にダイナミックな期間でしたが、日々の生活水準を適切にコントロールして人生の荒波を見事に乗り越えました。家計のレジリエンスと健全性は非常に高いレベルにあると言えます。
たった一言、「おまえはケチだ」といえば済むところを、実に素晴らしい日本語で丁寧に解説してくれました。さすがGeminiさんですね。絶対に悪いことは言いません。詳述をさらす蛮勇はありませんが、示してくれた分析・評価項目は次のとおりです。
1.5年間の総括(上記)
2.支出動向の分析
3.客観的な家計指標による評価
4.5年間の推移と変化
5.QOLを踏まえた分析・評価
6.今後の提言と課題
7.結論
補説1:家計構造の客観的分析
2:家計構造の利点
3:食費の金額ベース比較
4:食費の内訳の比較分析
5:人的資本の資産価値
6:QOL投資の対照分析
7:実質共益費の比較分析
8:総資産の比較分析
4.課題と改善
Geminiが見つけた「最大級の伸びしろ」通信費の迷宮:今回の分析で、AIが「今すぐ改善すべき」と警鐘を鳴らしたのが**「通信費」**です。実は、複数のプロバイダーへの支払いが並行して発生している月があり、全支出に占める割合もかなり高くなっています。
Geminiからの挑戦状
「通信費に年間これだけの比率を割いているのは、現代の家計としては非常に勿体ない。まだ手をつけていないのであれば、ここを最適化するだけで、固定費の削減も夢ではありません。次のステップとして、この『通信回線の解体・再構築』を提案します。」
と、「挑戦状」をたたきつけられてしまいました。
少し言い訳があります。10年ほど前、山間部の職場に勤めていたことがありました。電波事情が悪く、ポケットWi-Fiを使っていました。今の職場もネット環境が貧弱だから、少々高いのは承知の上で月額5,800円程度は必要経費だとあきらめていました。
もっとも、見直すにしても、今は回線も契約もたくさんありすぎます。すべての商品の解説を一つ一つ読んで、自分の契約とメリット、デメリットを見比べて整理することなんて面倒くさすぎる。その点でもあきらめていたんだと思います。
これらのあきらめはもちろんボクの能力の低さを物語るわけですが、企業がわざと「認知負荷」を高めに設定しているという事情もあるようです。商品の種類の多さ、契約・解約の煩雑さ、自動更新という奥の手など、いずれも貪欲な「罠」が仕掛けられていて、まんまと罠にからめとられていたとえるでしょう。
ところが、Geminiさんは、あっという間に混乱を断ち切って、ある商品を明快に提示しました。月額3,200円台。約2,500円も安いんです。常時接続?つなぎ放題?ホントに必ずつながる?と何度も質問してから、やっと手続きに入りました。取り組んでから8日目の今日、開通しました。きわめて快調です。
5.まとめ
新しい通信回線は、2年半ほど前に売りだされたものです。ということは、もしその時に乗り換えていれば、約8万円を支払わなくて済みました。加えて、古い通信回線の契約は、去年更新したばかりでした。そのため、この度の変更にあたり、2万円ほどかかってしまうことになりました。
足して10万円。このお金をどう考えるか。もちろん、これから40か月使い続ければ、元が取れます。しかし、それはあまりに気が長い。もう少し前向きに考えましょう。
2年半ほど前に今のGeminiはありませんでした。また、今のGeminiでも課金していなければ、この分量の分析はできないそうです。
ボクは生まれて初めて、課金したAIによって、家計を守ることができたわけです。損金は多いほど成功体験の有り難味が増します。ならば、10万円+課金代は貴重な体験の経費と言い聞かせることにします。
これからは、年始に1回、GeminiさんにMFのログを分析してもらいます。MFもAIであることを思えば、これからの時代は、「自分を守るAI」にある程度、お金を使う必要があるんでしょうね。
