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弱冷房車を探せ

 気温が高くなってくると、さまざまな場所で冷房がかかってくる。

 遠い昔は、夏になると家にエアコンがある家庭は少なかったから、すでに冷房が設置されている銀行に、それほど用事がなくても涼みに行っていた、という話を聞いたことがあった。それは、もしかしたら、暑くなってもエアコンをつけることに抵抗がある高齢者のことと、どこか関係があるかもしれない。それだけ、冷房が、自分とは距離があることだった可能性がある。


エアコン

 今では自分さえエアコンを設置している。

 部屋がいくつかあると、それぞれの部屋に機械がある。少し昔まで、ぜいたくなことだという思いもあったのは、自分が収入の少なさもあった。

 だけど、あるとき、暑い季節にエアコンが故障したとき眠っていたら、ちょっと気持ち悪くなるような、頭が痛いような気がして目がさめて、あわてて起きて冷蔵庫の中の保冷剤を首筋に当てたことがあり、ここ何年かの夏の暑さは、危険だと思い、そのときは修理ができなかったけれど、エアコンを買い替えた。

 ただ、基本的に私だけでなく、妻も寒がりなので、温度設定が29度くらいにしている上にしばらくつけてはスイッチを消す、ということを繰り返している。

 それでも、夏の気温が下がる気配もなく、これから先も命に危険のある暑さが続きそうだから、うちでもエアコンが必要不可欠なものであるはずで、ということは10年に一度くらいは壊れてしまうはずだから、そのための費用もかかる。

 そんなことを思うと、ちょっと憂うつにはなる。

電車

 普段から荷物が多めで、それは自分ではどうしようもないことだと最近はあきらめているが、夏の方が荷物が増えてしまうのは、冷房事情が関係している。

 寒がりなのに、汗かきで、さらに体が弱い。だから、マメに着替えをしないと、カゼをひいてしまうので、多めに服を持つことになる。さらには、建物の中だけではなく、特に気温が低いと感じるのは電車で、しかも個人的には都営地下鉄・三田線が最も寒いような気がする。

 そういうときは、半袖のTシャツの上に長袖のTシャツを着て、薄いセーターも重ね着をした上に、ウインドブレーカーまで着込んで、やっと体が冷え込んでくるのを防ぐことができる。

 それでも30分以上乗っていると、体が冷えているので、地下鉄を降りて、暑い地上に出ても体が温まらないから、しばらくウインドブレーカーまで着ていて、それは周囲の人から比べると浮いているのはわかる。

 寒がりにとっては、夏の冷房はちょっと怖い。

寒がりの違い

 私だけではなく、妻も寒がりなので、特に30分以上冷房の効いた電車に乗るときは、複数のカーディガンだけではなく、レッグウォーマーが必要になることもある。

 そういうときは、二人で電車の中で縮こまるような気持ちにもなるが、さらには、周囲を見ると、多くの人は半袖やノースリーブで、しかも小さい扇風機を顔付近にあてたり、センスであおいだりもしているので、こんなに寒いのにまだ暑い人が少なくない、どころか多数派であることに気がつくと、より気持ちがすみっこに追いやられていくようだ。

 そんなことが続いたせいか、まだ暑いときが続くと、電車に乗るときは冷房が強めなことが多いままなので、妻は電車に乗るときは、弱冷房車を見つけるようになったらしい。

 これまで、自分も夏の交通機関は寒いと思いつつも、そうした努力をしてこなかった。それは、自分にとっては弱冷房車の「弱」具合いを、それほど実感できなかったからだけど、妻にとっては「弱冷房車」は、通常の車両よりは明らかに冷房がマイルドらしい。

 そんな話を聞くと、自分が寒がりだと思っていたのだけど、妻と比べると、大げさだけど、寒がりとしては感覚的には繊細さに欠けて粗いのだと思い知らされる。

 だから、冷房がまだ効いているときに、妻と出かけるときは、弱冷房車を探すようになった。

弱冷房車を探せ

 そうなると、今までは気がついていなかった駅の表示にも目が行くようになったし、実際に電車に乗ると、今は、多くの車両に弱冷房車があることにも気がつく。

 ただ、10両くらいの列車に乗ると、何号車が「弱冷房車」なのかわからないことが多い。ホームの表示に「弱冷房車」とあっても、車両の数が違う場合は、ずれたりして、結局、わからなくなったりする。

 乗り込むときに、弱冷房車がわかればありがたいので、ホームにいる駅員さんに聞いたら、「弱冷房車があるのは間違いないですが、どの車両かまではわかりません」と言われたこともある。

 だから、まずは乗り込んで、そのあとに弱冷房車を探すことになる。

 進行方向に向かって3両くらい。
 それでもなければ、元に戻って、今度は後方へ向かって3両くらい。

 その程度探しても、弱冷房車がある時もあれば、ない場合もある。

 普段は、電車に乗って、「弱冷房車」であることに気がついたりすることもあるのに、こうやって探すと、思った以上に見つからなかったりもする。

 トイレは何両目にあります、というような表示が、他の車両にもあったりするし、それは、必要性というか緊急性が高いから当然のようにも思うけれど、できたら、ホームだけではなく、どの車両に乗っても、弱冷房車が何号車かわかるようにしてもらえたら、ありがたいと思う。

 もし、できたら、グリーン車が、だいたいこのくらいの位置にあるのが共通しているように、弱冷房車は2号車というように、鉄道会社の協力によって、決めてもらえたら、とてもありがたいのだけど、それは、無理なことなのだろうか。

 冷房が苦手、という人は、時々いて、そのことを大声で主張しない人が多いだけで、実はかなりの人がいるような気もするので、そういったことも検討する意味があるように思う。

 できたら、よろしくお願いします。


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