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ヨックモックのシガールに巻かれたい!|シガールのブランケットを前にして

神が「洋菓子をひとつの残せ!」と言ってきたら、迷わず『ヨックモックのシガール』を選ぶ。

ひと口かじると薄い層が静かに崩れ、サクッというより、ほろっと消える。濃ゆいバターの香りを巻いて、身も心も崩れてく感じがたまらず、気づけば缶の中をもう一度覗いている。

問題はお値段だ。

口に入れたら3秒で消えるのに、1本100円もするではないか。

1本100円と思うと、大事に食べな🥺


たいていはデパ地下に存在してるヨックモックに、バラ売りなんて概念は存在しない。いちばん安い10本入りで北里柴三郎が飛んでいくのである。決して財布の中で培養されたりしないのだ。


缶入りともなると、北里さんをふたり呼ばなあかん。

子どもの頃、当たり前のようにおやつとして食べてたけど、当時はシガールが高級菓子だなんて知らなかった。冷蔵庫を開けるくらいの感覚で青い缶を開け、ボロボロ落としながら食べていた。

テーブルの真ん中に置かれてたシガールは、今や棚の奥へと隠さなあかん存在になったのだ。

妻も娘もいない日を見計らって、犬たちに見つめられながら一本を大事に味わう。ビーバーのようにボリボリ食べるなんて、値段を知ったらとてもじゃないが無理である。

これが制限されてた子ども時代を送っていたのであれば、逆の行動をしてたであろう。大人買いという言葉もあるくらいだ。「大人になったら腹一杯シガールを食べてやる!」という夢は子どもの頃に既に叶えていたのである。

そんなケチな大人になってしまった今は、シガールの代用品探しを勤しんでいる。ブルボンの『ルーベラ』なんて、100円で8本も入っているではないか。

確かにルーベラは美味しい。擬人化されたルーベラ姉さんもべっぴんさんだ。さすがブルボンである。しかし、シガールで育ったヒトからすると「違う」のだ。

ルーベラ姉さん


業務スーパーにもシガールに似たベルギーのラングドシャクッキーが売られていた。けれど、やはりどこか物足りない。結局は、棚の奥に隠されたシガールが恋しくなるのだ。

業務スーパーで買ったエセシガール


母の日、日頃の妻への感謝を込めて『シガール』を贈った。

缶にするか最後まで迷ったが、別のお店でいちごパフェも買ってたので箱入りにした。お会計をしている間、お店のPOPを見てたらなんと『くるくるシガールブランケット』が発売されると書かれてるではないか。


またいつか「腹一杯シガールを食い尽くしてやる!」とは思っていたが、巻かれたいとまでの発想に至らなかったのが悔しかった。シガール好きとしては「これは、争奪戦になる」と当日10時、パソコンの前で待機してたのだ。

野球のチケットなど、なかなかサイトに繋がらないと意地でも買ってやるという気持ちになるのに、すんなり繋がると冷静になる。

「渋沢栄一の代わりにブランケットか......どうせ犬たちが噛み噛みしてゲロ吐いて終了か......」

予約終了は5月18日。まだ一週間もある。子どもの頃、シガールがあるくらい“育ち”が良いのだ。贅沢だった記憶を巻きながら考えることにしよう。

◀️ 前話はこちら:御座候⚓️

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