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銀河フェニックス物語<出会い編>  第一話 永世中立星の叛乱 (19)

 第一話のスタート版
    永世中立星の叛乱(18)

 わたしは無我夢中で叫んだ。
「レイター! 後ろ、あの人、銃を持ってる」

 とその時、奥から太い声が聞こえた。
「汚い真似はするな」

 男たちはぴたっと動きを止めた。
 銃を手にした男もすぐさま銃をしまった。

 がっしりとした身体つきの男性が近づいてきた。

n160オルダイ

 左頬に大きな傷跡がある。目つきが鋭い。
 どうやらリーダーのようだ。

「おまえらでは分不相応な相手のようだな」
「へぇ、よぅくわかってんじゃん」
 と言いながら、レイターがわたしの手を引いた。

「ティリーさん、走れ。まっすぐだ」
 言われるままに走る。

 男たちが追いかけて来た。

「上りライナーに間違えずに乗れよ。すぐ追いかけるから」
 レイターはわたしの手を離し、男を蹴り倒した。

 思わず立ち止まったわたしを見て怒鳴った。
「走れ!」

n27見上げる叫ぶ逆3

 レイターの声に押されてわたしは走った。

 こんなに走るのはハイスクール以来だ。息が続かない、苦しい。
 顔を上げると、七十二ノ丸駅と書かれたステーションの看板が見えた。

 男たちは追って来ていない。
 レイターが食い止めてくれている。

 遠くにパトカーのサイレンが聞こえた。

 上りのライナーがホームへ入ってくる。あわてて乗り込むと三十五ノ丸エアポート行きだった。

 電車に乗っても身体が震えた。
 レイターは大丈夫だろうか。すぐ追いかけると言っていたけど、次の便に乗れただろうか。

 また、レイターに助けられてしまった。

 見慣れた三十五ノ丸エアポート駅が終点だった。
 乗り換えてフレッド先輩のいる八ノ丸まで向かう気力がない。


 わたしはフェニックス号へと戻った。
「お帰りなさい」
 マザーの声を聞きながらリビングのソファーに腰かけた。

 机の上に置いてあるものに目が止まった。胸がドキンと鳴った。
 銃だ。
 レイターの銃だ。

 彼が忘れていくはずの無い銃がここにある。

n38 @口やや開く

 彼は船へ置いていったのだ。「銃を船に置いていって」と、わたしが言ったから。

「あんたを守るのが俺の仕事だ」
 レイターの言葉が頭の中でリフレインした。

* *

 公園でティリーさんが男たちに囲まれていた。
「俺のティリーさんに手を出すんじゃねぇよ」
 と言いながら男たちの間に入った瞬間、レイターは嫌な感覚に襲われた。

 こいつら変だ。訓練された動きをしてやがる。

 やっぱ銃を持ってくりゃよかったか。
 後悔したのは一瞬だった。
 身体が勝手に男たちを蹴り倒していた。

「汚い真似はするな」と言って、左頬に傷があるボスが出てきた。そいつを見た瞬間、身体中が警報を鳴らした。
 こいつはやり手だ。身のこなしでわかる。

「おまえらでは分不相応な相手のようだな」

 ふむ、こいつと手合わせしてみたい、という欲求に一瞬かられた。いかんいかん。ティリーさんを逃がさねぇと。

 俺はティリーさんの手を握って走った。
 しかし、足の遅いティリーさん連れたままこいつら振り切るのは簡単じゃねぇ。

「走れ!」
 方向音痴なティリーさんを一人で帰すのは不安だが、ステーションまでは一本道だ。とりあえず、ここで奴らを足止めする。

 ボスはゆっくりと近づいてくる。あいつ、俺の動きを観察してやがる。(20)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」