銀河フェニックス物語<出会い編> 第二十四話(1) 展覧会へようこそ
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・第二十三話「気まぐれな音楽の女神」
月の御屋敷でレイターはアーサーと向かい合っていた。
「今度の任務は美術展の警備だ」
アーサーの言葉に、俺は眉をひそめた。
「美術展?」

「絵画に全く興味のないお前でも知っているだろう。アレンカトゥーナ展覧会」
「『宇宙は一つ』って、あれだけ宣伝してりゃな」
このところ、どこでもかしこでもみかける。『宇宙は一つ・アレンカトゥーナ』の文字。
来週から一か月、ソラ系の美術館で開催される大規模美術展だ。
「あんたがやればいいじゃん。好きなんだろ、ああいうの」
アーサーは文化芸術の類が好きだ。
「内覧会に招待されて行ってきた。素晴らしかった」
「ふ~ん、そりゃよござんしたね」
「展覧会の企画展に、アリオロンの名画が出展している」
「知ってる」
この展覧会の目玉が、アリオロンの絵だ。
銀河連邦とアリオロン同盟は見えない戦争中。
連邦内じゃアリオロンの絵なんて見る機会がねぇから、話題になっている。『宇宙は一つ』の象徴らしい。
「そこの警備にあたって欲しい」
「なんで俺が、敵さんのお絵描きを警備しなきゃなんねぇんだよ」
嫌な予感がしてきた。
「企画展の学芸員としてライロットが働いている」
「は? 何で?」
思わず間抜けな声が出る。
俺と暗殺協定が結ばれているアリオロンの工作員、ライロット・エルカービレ。

「それを調べて欲しい」
「おいおい。あいつと俺が接触したら『暗殺協定』が発動しちまうじゃねぇか」
「そう、ライロットを動かしたいんだ」
面倒くせぇ仕事だ。
続けてアーサーが驚くことを言った。
「先に言っておくが、展示室で銃を使うなよ」
「冗談か?」
暗殺協定だろ。
俺もあいつも、出会ったら殺し合うって話だぞ。
銃を使うな、ってティリーさんじゃあるまいし。何言ってんだ、こいつは?
「冗談ではない。名画を絶対に傷付けるな、ということだ」
「俺が殺されてもいいのかよ」
「ライロットも銃は使わないはずだ。アリオロンの重要文化財だからな。そこはお前よりわかっている」
「って、あいつが剣で切りかかってきたらどうすんだよ」
「剣には剣で応戦しろ」
「まじかよ。あんたも知ってるだろが。あいつはアリオロン一の剣術使いだぞ」
ライロットはアリオロンの剣術大会で今年も優勝している。
俺は銀河一の操縦士だが、剣術使いじゃねぇ。
あいつと船で撃ち合えば、ぶち落とす自信がある。だから、あいつは俺の前で船に乗るのを避けてやがる。
なのに、何で俺があいつと剣を交えなきゃなんねぇんだよ。ずるいじゃねぇか。
「お前も皇宮警備の授業で剣術は習っただろう」
「レベルが違いすぎる、っつうの」
「とにかく、絵画に傷をつけたら弁償してもらう」
「弁償っていくらだよ」
「お前の末代まで、借金まみれになるんじゃないか」
「マジかよ」
「冗談だ」

アーサーの笑っていない笑顔からわかる。これは冗談じゃねぇ。 (2)へ続く
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ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」
レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」
ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」
レイター「なんか、すげぇな……」