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銀河フェニックス物語<出会い編> 第二十四話(2) 展覧会へようこそ

第一話のスタート版 
第二十四話(1

 俺が不貞腐れているのを見て、アーサーが続けた。
「とは言え、展覧会の観客人員は膨大な数になる。一般人を巻き込まないために、簡単には暗殺協定は発動しないだろう」

 暗殺協定には、一般人を巻き込まないことが条件に入っている。だが、
「あいつは、時々協定を破るぞ」
「彼も、このソラ系ではそこまで動けない」

 確かに、敵陣まっただ中だからな。
 何をしに、ここまであいつが出ばってきたのか、気にはなる。

「お前が見張っていれば、ライロットも下手に動けないだろう」
「嫌がらせ、ってわけだ」

アーサー横

「平和と友好を謳ったアリオロンの企画展は、展覧会最大の目玉だ。要人も訪れる。お前はアリオロン語もできるから、ボディーガード協会も適任だと考えている」
「特別手当を上乗せしろよっ」
「任務が終わってから検討する。大切な芸術作品が傷つけられてはたまらないからな」
「ふんっ」

 アレンカトゥーナ展覧会の警備は、銀河総合警備が担当している。
「よろしく頼むよ」

n135クリス笑顔

 ガキの頃から知っているクリスが、ニコニコ笑って俺に制服を渡した。
 相変わらずカバみたいにでかい。

「お前がいてくれると安心だよ。数少ないアリオロン帰りだしな」
「通訳代取るぞ」
「アリオロンの学芸員は、銀河連邦語が達者だから通訳はいらないそうだ」

 俺は警備員の制服を着用して、アリオロンの絵画が展示してある企画展の会場へ入った。
 と、同時に指の先まで緊張した。

 あいつが、工作員のライロットがいた。

 ドロスン・バルーダ学芸員、と言う偽名で、ライロットは働いていた。
 あいつは、にこやかな笑顔を見せて俺に近づいてきた。

n81ライロット眼鏡後ろ目微笑カラー

 直接顔を合わせるのは、ハイジャックん時以来だ
「警備ご苦労さまです」
 流暢な銀河連邦共通語。

 俺は無視する。

「君が守ってくれるなら、誰も指一本触れられないだろうね」
 気軽に声をかけてくんな。

 俺はライロットとは目を合わせず、展示された絵画を見ながら答えた。
「裸婦の絵でもあれば、もうちっとやる気もでるけどな」
「君は、音楽については才能があるようだが、美術、こと絵画については勉強が足りない」
 こいつ、他人の個人情報をベラベラしゃべりやがって。

 俺もアリオロン語で言ってやった。
「あんたほんとに学芸員なのか。剣術を極めているんだってな。今年もどこぞの大会で優勝されたそうで」

 周りにいるアリオロン人の職員が、俺たちの会話を気にしているのがわかる。
「趣味ですよ。健康のためにたしなんでいるんだ。一度、君とお手合わせをしてみたいものだな」
「ご遠慮させていただくぜ」

n25よそいきレイター逆

 あんたと手合わせなんて、絶対っしたくねぇよ。

 企画展の一番の目玉は、巨大なアリオロンの風景画だった。

『山河の春』と題されたその絵画を見た瞬間、俺の胸に懐かしさと痛みが走った。
 こんなにでかい絵だったんだ。

 ライロット、いやバルーダ学芸員が話しかけてきた。
「これほど素晴らしい絵画を直に見ることができて、君も幸せだな」
「ああ、再会に感動してるところさ。俺は、これを毎日見てたぜ」
「毎日?」
「こいつは、五月のカレンダーだった」

 十六の頃、俺はアリオロン軍の捕虜になって、帝都ログイオンの児童福祉施設に保護された。
 そこに飾られていた五月のカレンダーが『山河の春』だった。

 この題名は、今回初めて知った。     (3)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」