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銀河フェニックス物語<出会い編> 第二十四話(3) 展覧会へようこそ

第一話のスタート版 
第二十四話(1)(2

「君はいい季節にアリオロンで暮らしたな。あのまま亡命していれば良かったものを」
 ライロットの言葉は、冗談とも本気ともつかなかった。

 あの時、俺はこのカレンダーを見ながらアリオロンへの亡命を希望した。

15ハイスクール横顔前目真面目見上げるぼかし

 暑くも寒くもない、何とも過ごしやすい季節だった。
 アリオロンのテレビでやってた連ドラは面白かった。

 あのままアリオロンへ残っていたら、こうやってライロットと殺しあうことも無かったろう。

「あんたもいい季節にソラ系へ来たじゃん。亡命するなら相談に乗るぜ」
 俺も、冗談とも本気ともつかない返事で返した。



 アレンカトゥーナ展覧会が開幕した。

 ライロット扮するバルーダ学芸員は、流暢な銀河共通語で来場客に絵画の案内をしていた。
『山河の春』の前に学芸員用の椅子がある。
 ライロットはそこに腰かけ、質問を受けると立ち上がって答えていた。

 大概の客は、敵国のアリオロン人を見るのも始めてだ。 
  
 客の質問は、絵画にとどまっていなかった。
 時には政治的な話題をふっかける。

 しかし、やっぱあいつ頭がいいな。機転をきかせた回答でトラブルを回避してる。
 だが、時にはそうもいかないことがある。
「敵国人、恥を知れ!」
 怒鳴り声が聞こえた。

 俺は、急いでライロットのもとへ駆けつける。
「お客様、ほかのお客様のご迷惑になります。お静かに願います」

n2@正面2@2

 興奮した客をなだめて、展示室の外へ出す。
 なんで俺が、ライロットを守んなきゃいけねぇんだよ。理不尽過ぎる。

 俺は耳がいい。

「コンニチワ」
 赤いベレー帽を被った年配の女性客が、ライロットにアリオロン語で話しかけた。

 緊張が走る。
 こいつ、ライロットと接触しようとしてるのか。
「ワタシ、勉強、アリオロン語、シテマス」

 おい、下手なアリオロン語なのか、暗号なのかどっちだよ。
「お上手ですね」

n81ライロット笑顔眼鏡逆カラー

 ライロットが笑顔を見せ、アリオロン語で応対する。
「ありがとうございます」
 この女、挨拶だけ、やたら発音がいい。

「ワタシ、友ダチ、ナリタイ、アリオロン人」 

 ライロットがゆっくりとアリオロン語で応える。
「私も、連邦の皆さんとお友だちになりたいです。宇宙は一つです」
 どの口で言ってるんだか。

 アリオロン語はそんなに難しくねぇ。
 敵国語とはいえ本屋で教材も売られてる。
 だが、本物のアリオロン人と話す機会はほとんどない。

 あの女性は話してみたかっただけだろうが、念のため、連絡を入れておく。
「赤いベレー帽の女、ライロットと接触」

 後は特命諜報部が、シロかクロか調べ上げるだろう。



 ライロットはアリオロン芸術団御一行様、として会場に隣接したホテルに宿泊している。
 そのホテルは、アーサーの部下の別の諜報部員が見張っていた。

 暗殺協定が結ばれているライロットと俺が、誰もいないところで出会ったら殺しあっちまうからな。

 そこはアーサーの奴も一応考えている。

n30アーサー@軍服一文字

 平和のため芸術で友好って謳ってるのに、バルーダ学芸員が殺害されたとなったら大変だ。
 外交問題になっちまう。

 だから、殺すにしても手間がかかる。
 巧妙に不慮の事故に見せかけるか、連邦に亡命したかのように、欺かなきゃなんねぇ。
 死体を隠して、バルーダ学芸員の偽物の手紙をでっち上げる、ってところだが、なんせ相手はライロットだ。そう簡単にはいかねぇ。          (4)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」