見出し画像

銀河フェニックス物語<出会い編> 第十九話(2) 恋と伝票の行方

第一話のスタート版
第十九話(1

 ジュディ先輩は、レイターにおつきあいを申し込むつもりだ。

 レイターはどうするのだろう。
 ジュディ先輩とレイター。

 似合わない気がする。

 でも、レイターは、ナンパした女性と一夜限りのおつきあいをしている。
 そのノリでジュディ先輩とも、つきあってしまうのだろうか。

 いや、レイターには『愛しの君』がいる。
 しかも、特定の女性とはつきあわない主義だ。

n205レイター横顔@2前目真面目カラー2

 けど、もし、ジュディ先輩が『愛しの君』だったら・・・。

 自分の思いつきに一瞬、息が止まった。 
 そんなことあるはずがない。いや、わからない。

 わたしとは関係ない。全く関係ない。全然関係ない。

 ジュディ先輩とレイターがつきあえば、もう「俺のティリーさん」と、からかわれることもないのだ。
 うまくいくことを願ったほうがいい。

 なのに、何だろうこの気持ち悪さは。
 とにかく、明日の出張がレイターの船でなくてよかった。

 翌日、豪快なダルダ先輩と、一年ぶりにパキ星へと向かった。
 現地工場を拡張する工事がスタートするのだ。

 去年、厄病神のレイターの船でパキ星を訪れたわたしたちは、工場の拡張に反対する、環境保護テロ組織に命を狙われ、宿泊ホテルが砲撃されるという大変な目にあった。

 その後、環境テロ組織は摘発され、一年を経て、現地工場の隣接地に第二工場を建設することが正式決定した。
 工場予定地に自生していた、きのこのパキールの植え替えがうまくいったのだ。

 ダルダさんがわたしに聞いた。
「ティリー君は、この件でレイターからおごってもらったかい?」

n70にやり

「いえ」
 去年、レイターには命を助けられた。おごることはあっても、おごられる理由は無い。
「そうか。あいつもティリー君におごるぐらいしてもいいのに。マネーは時にロマンだ。ガハハハ」
 意味が分からない。

 今回、第二工場着工の鍬入れ式に、ダルダさんが本社代表として出席する。
 わたしはそのアシスタント、主に記録係だ。

 厄病神の船じゃ無いから、きっと仕事はうまくいく。

v10パキ星透

 新興星系というのは、一年で街の姿が変わる。
 去年より高層ビルが増えて、空が狭くなった気がする。
 砲撃を受けたレイモンダリアホテルも、きれいに再建していた。

 現地工場の隣にあった暗い森が、第二工場の建設予定地だ。
 そこも、去年とはガラリと様子が変わり、整地されて鍬入れ式の会場となっていた。

 わたしとダルダさんが会場に到着すると、パキ星人の工場長が出迎えた。

 わたしの苦手な狐男。
 切れ長の目が、冷たくわたしを見つめる。

 突如、その顔が笑顔になった。ぎこちない営業スマイル。
「皆様、お待ちしておりました。えっと、レイター・フェニックス様は・・・」
 レイター・フェニックス様? 様づけってどういうことだろう。

n11ティリー口少しひらく普通逆

 ダルダさんが答えた。
「あいつはいないよ。もう取引は終わったから、来ることもないだろうとさ」
「そうでしたか。いろいろとご相談に乗っていただき、ありがとうございました」

「気にすることはないさ。あいつは今回、大儲けしたはずだからな。ガハハハハ」
 大儲け? 二人の会話がよく見えない。     (3)へ続く

第一話からの連載をまとめたマガジン 
イラスト集のマガジン

いいなと思ったら応援しよう!

48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」