口うるさい大阪のおばちゃんが焼いた「たこ焼き8個」が、涙の「形見」になった日
◆ はじめに
本記事は、ふだん投稿している「お勉強系」の内容ではなく、当アカウント主である宮本真愿のプライベートと日常の風景を紹介するものです。
ゆえに、どうしても「自分語り」「アイメッセージ」「関西弁テイスト」が強めの内容になりますことをご了承ください。
◆ あの「たこ焼き」の中に、おばちゃんの愛情が詰まっていた
たこ焼きって、僕たち大阪人にとっては普段から身近に存在しているソウルフードです。
子どものころは、おやつに食べるのが当たり前で、その存在について特に深く考えることもありませんでした。
でも、大人になった今、ふとした瞬間に、19年前に口にした「心に沁みた」たこ焼きのことを思い出すことがあるんです。
僕にとって「人生が詰まった」そのたこ焼きは…
公園の片隅で、泣きながら食べた、あの8個入りの大玉でした。
◆ 33歳の頃、僕はホームレスでした
これは、僕がまだホームレスをしていた頃の話です。
当時はお金もなく、仕事もなく、生きる目的も見えなくて…
昼間はホームレス仲間のおっちゃんたちと酒を飲みながら博打をし、夜は公園でダンボールを敷いて寝るような生活をしていました。
その近くに、小さなたこ焼き屋さんがあったんです。
昔ながらの屋台。
銀のシャッターをガラガラと開けて、ジュウジュウとたこ焼きを焼く音と、ソースの香りがいつもしていました。
僕はその屋台の前を、いつもふらふらと通っていました。
すると、決まって聞こえてくるんです。
アンタ、また昼間っからフラフラしとるんかいな!
まだ若いんやから、ちゃんと働かなあかんで!
僕の顔を見ればいつも小言ばっかり言う、まさに「The大阪のおばちゃん」を絵にかいたような、口うるさい人でした。
正直、うっとうしいなぁと思ったこともありましたが、どこかでその言葉を「自分に向けられた愛情」として受け取っていた気もします。
■人生でいちばん心に沁みた「8個入り」
ある夜、僕はいつものように腹を空かせて公園のベンチに座っていました。
すると、いつものあのおばちゃんが近づいてきて、何も言わず紙袋を差し出してきたんです。
あんた、これ食べ
焼きすぎて余ったやつやけどな
それだけ言って、すぐにさっと立ち去っていきました。
中を見たら、大玉のたこ焼きが8個。
あつあつの作りたてで、湯気が立っていて、ソースもかつお節もたっぷりで…
それはもう、余りものなんてものじゃなく、まるで「ごちそう」でした。
人目を避けて、木陰に隠れて食べることにしました。
そして、ふうふうしながら、そっと、ひとつ口に入れてみたんです。
外はカリッと香ばしく、中はトロッととろけて、タコはぷりっとしていて、熱々。
……うっま……なにこれ、やばっ……
……なんで俺……たこ焼き食うて、泣いてるねん……
涙が勝手にあふれてきました。
熱すぎて口の中がヤケドしそうなのに、胸の奥のほうが、もっと熱かったんです。
◆ あの味が、僕を立ち上がらせた
たこ焼きって、ただの粉もんです。
でも、あのときのたこ焼きには「あんた、ちゃんと真っ当に生きなさい」っていう、おばちゃんからのメッセージと優しさが詰まっていたように思います。
それからです。
僕の中で、何かが少しずつ変わっていきました。
お酒の量を減らし、博打をやめ、少しずつでも働こうと思い始めました。
もちろん、すぐに状況が良くなるわけじゃありませんでした。
でも、心のどこかで、あのたこ焼きの味が、いつも自分の背中をそっと押してくれていたような気がします。
◆ 「ありがとう」を言いたかったのに…
そこから数年が経ち、生活も安定し、ようやく「ありがとう」を伝えられる立場になりました。
「今こそちゃんと、あのおばちゃんに感謝を伝えたい」と思い、おばちゃんの店に向かいました。
でも、あのたこ焼き屋はもうそこにはありませんでした。
シャッターには「貸店舗」の紙が貼られていて、たこ焼き台も、あの香りも、何も残っていませんでした。
近所の方に聞いてみたところ、こんな言葉が返ってきました。
あのたこ焼き屋のおばちゃんか?
あぁ…亡くなりはってんで。去年のことや。身体壊しはってなぁ
僕は、言葉がでず、その場で呆然と立ち尽くしました。
マジか、うそやろ……
もっと早く来るべきやった……
せっかく「ありがとう」を言えるようになったのに、もうその言葉を届ける相手はいなくなっていたんです。
◆ おばちゃんのたこ焼きの中には、人生が詰まっていた
あのたこ焼きは、ただのたこ焼きじゃなかったと思います。
そこには、おばちゃんの「人生」が詰まっていた気がします。
言葉で多くを語らなくても、ソースの下に、やさしさや願いや祈りみたいなものが、そっと隠れていた。
そして何よりも…
僕という人間を、まだ「見捨ててない誰か」がいたんだと気づかせてくれた。
そのことが、どれだけ僕を救ってくれたか…
おばちゃんの訃報を1年も遅くに聞かされた僕は、涙が止まりませんでした。
◆ あなたには、そんな「忘れられない味」がありますか?
今でもたまに、たこ焼きを食べます。
でも、あの夜、涙をこぼしながら食べた8個入りのたこ焼きを超える味には、まだ出会っていません。
僕にとっての「おばちゃんが焼いてくれた、あのたこ焼き」のように、あなたにも、何か「心に沁みる味」があるのではないでしょうか?
よければ、コメントで教えてください。
その味には、どんな思い出が詰まっていたのでしょうか?
◆ 天国のおばちゃんへ
おばちゃん、あの時はホンマにありがとう。
おばちゃんに食べさせてもらった、あのたこ焼きの味、今でもちゃんと覚えてるよ。
そして、俺は今、ちゃんと働いてる。
ちょっと時間はかかったけど、ええ報告できてると思う。
涙しながら食べた、あの8個のたこ焼きの味は、おばちゃんの「形見」として、ずっと俺の心の中に残ってるよ。

◆ 追伸
本投稿は「プライベート」な記事なので、どうしても「自分語り」「アイメッセージ」が多くなってしまい、文章術のセオリーからかけ離れてしまっているので、どうか「箸休め」的な感じでお付き合いいただけると幸いです。
なお「アイメッセージ」に関しては、以下の記事の中で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧になってください。
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