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#3 「わかってもらえるはず」というエゴを捨てられるか?

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この記事は、連載「世界人の流儀」の一編として、株式会社セブンシーズ取締役・秋吉新平氏との対話をもとに構成しています。


異なる文化的価値観が交差する組織やプロジェクトの中で、私たちはしばしば、こんな経験をします。

  • 伝えたはずなのに、伝わらない

  • 説明したのに、反応が噛み合わない

論理的に説明した!
丁寧に言葉を選んだ!!
背景も補足した!!!

それでも、相手の反応が期待とは違う。
そんな場面に、心当たりはないでしょうか。


多様な価値観が交差する環境では、
「これだけ説明したのだから、わかってもらえるはずだ」という前提そのものが、そもそも成り立たないことがあります。

自分にとって自然な考え方や判断基準が、相手にとっても同じように自然とは限らない。その事実を前にしたとき、違和感や摩擦が生まれます。

ここで問われるのは、
伝え方の工夫やスキル以前に、

どのような前提で
相手と向き合っているか

という点です。


私たちは、知らず知らずのうちに、次のような前提を抱えてしまうことがあります。

理解されて当然
わかってもらえるはず
伝わらないのは、相手の問題

この無意識の期待は、コミュニケーションを一方通行にしてしまいます。相手が理解できない理由を、
相手側だけに求めてしまうからです。


だからこそ、最初に手放す必要があるのは、

「理解されて当然だ」というエゴ

なのかもしれません。

これは自己否定ではありません。
むしろ、関係性を築くための、グローバル・コミュニケーターとしての覚悟です。


異文化の現場では、
完璧な共通理解にたどり着けないことも少なくありません。

  • 言葉の意味

  • 前提

  • 優先順位

  • 暗黙の了解

そのすべてが、互いに異なります。

それでも、相手を理解しようとする姿勢を持ち続け、安易に結論を急がない。そのプロセスそのものが、対話の余地を生み出していきます。


混在する価値観の中では、どちらが正しいかを決めることよりも、

誠実な姿勢を
一つひとつ重ねていくこと

が、信頼につながります。

「わかってもらえるはず」という前提を手放すことも、その誠実さの一部です。


価値観のジレンマは、避けるべきトラブルではありません。

むしろ、それが存在すること自体が、多様な人が関わっている証でもあります。

重要なのは、
違いを消そうとすることではなく、
その違いと、どのような姿勢で向き合い続けるか

「わかってもらえない」状況の中で、
それでも対話を続けようとすること。
そこからこそ、信頼は育っていきます。

Shinpei Akiyoshi - Director, Seven Seas

▼ 次回の記事

リーダーは完璧であるべきなのでしょうか。むしろ「不完全さ」を見せられることが、信頼と心理的安全性を生み出すのかもしれません。
▶ 次回の記事:#4  不完全な自分を見せられるリーダー

▼グローバルにわたり合っていく力


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