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シアターピースという世界=柴田南雄「宇宙について」 と混声六連の演奏=

柴田南雄の「人間3部作」言われる合唱団が主役のシアターピースの2曲目にあたる「宇宙について」は東京六大学混声合唱連盟の委嘱で作曲され2回にわたって上演された。6団体総勢400人の合唱団全員で演奏する合同演奏に力を入れてきた混声六連の特色に、とりわけバブル時代の良い影響が大学合唱団の経済力を物語っており委嘱作品への挑戦が可能だったというのも合唱が熱いこの時代を反映しているといえよう。
今回は、YouTube上に初演の貴重な音源がアップロードされたのを機会に、私自身は2回目の「宇宙について」演奏を目の当たりにし、3部作目の「人間と死」の初演舞台に立った。あの日の2回目上演の東京文化会館での演出と演奏での印象を書き残しておくことにする。だいぶ初演の趣と違う演出と演奏がなされていたことは間違いない。初演では「柴田山」を全員が唱和してステージを終えている。2回目の上演ではこれをクライマックスとしながら華厳経を唱えながら再び客席と舞台を練り歩きながら合唱団の魂たちはどこかとおくへたちさっていったあと、舞台の上にかれらが落としていった光たちが星空をのこしていく・・という舞台へ大胆に変更された。
これによって全体がどういう風に印象付けられる構成となっていったのかについて触れていく。

4番目の楽章から徐々に宇宙の諸種層へと移行していくにつれ合唱のステージそのものがカオスの状況へと変わって行く。既成の音楽や決まり事への反目や否定も含まれる演出で、白装束の合唱団員はステージから観客席へ降りていきながら楽譜を全員上に放り投げ、ガムランやおらっしょ、声明、20、30のグループにわかれた様々な部隊がそれぞれのアンサンブルを繰り広げたながら練り歩き、隠れキリシタンの「きりやでんず(ミサのKrie)」「あめまりあ(同AveMaria)」を400人全員が一線に並んで歌い上げ、「柴田山」の唱和で石を打ち鳴らして魂の浄化を願いながら「きりやでんず」の大行進はふたたびホール全体を練り歩きながら妖怪田中信昭を一人残して全員いなくなり静寂がおとずれる。舞台には投げ捨てられた楽譜と、祈りとともに大ホールの大きな舞台上にともされた光(ろうそくを模したペンライト)が星空のように無数に光り輝く。観客はこの静寂と星空に放り出された感覚に陥るのである。
「人間と死」の初演については、音源をアップロードしてくださる方が出た段階で述べたいと思う。

演奏:東京六大学混声合唱団連盟 (東京大学柏葉会合唱団、早稲田大学混声合唱団 慶応義塾大学混声合唱団楽友会、明治大学混声合唱団 法政大学アカデミー合唱団、青山学院大学グリーンハーモニー合唱団) 指揮:田中信昭   演出:佐藤信




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