「リミッター」とは?コンプレッサーとの違いと主な役割を解説(音楽制作)
リミッターはコンプレッサーと同様に「一定の大きさ」を超えた音を圧縮するエフェクトですが、一般的に圧縮量(レシオ)が大きい場合(10:1程度~∞)には「リミッター」と呼ばれています。
リミッターの主な用途
リミッターの主な役割は設定した音量のピークを超えないようにすることです。
音楽制作で主流となっているデジタルの世界では、「−∞〜 0dBFS(最大)」 の範囲でしか扱うことができないため、0dBFS(フルスケール) に達すると波形が切り落とされクリッピング(歪み) が発生します。
またアナログの機材でも音声信号の入力レベルが一定の数値を超えると歪みが生じたり、機器の故障に繋がる場合があります。
そこで、リミッターは主に以下のような場面で活用されます。
1. ミックス・マスタリングでの活用
音圧の向上とピークコントロール: マスタリングにおいて最終的な音源の音圧(ラウドネス)を上げる際に使用されることがあります。リミッターをインサートし、スレッショルドを設定してインプットゲイン(入力音量)を上げることで、全体の音圧を持ち上げることができます。
クリッピングの防止: マスター音源のピークレベルが0dBFS(デジタルにおける最大音量)を超えないようにするためにも使用されることがあります。
実際には、デジタル-アナログ変換(D/A)時のオーバーシュートや、データ圧縮時の音量の変化を考慮し、0dBFSよりもわずかに低い数値アウトプットシーリング(出力制限レベル)として設定することが一般的です。
マキシマイザーについて:音圧を上げる場面では「マキシマイザー」と呼ばれる専用のリミッターを使うことが多いです。マキシマイザーはリミッターの一種ですが、音圧を上げる(Maximize)する上で、より自然な音圧の向上や音質の補正などの機能をを備えている製品が多いです。
2. レコーディングでの活用
レコーディングの段階でもリミッター的な処理が活用されることがあります。
過大入力の防止: 録音中に、予期せぬ大きな音や急激な音量の変化があった場合、マイクのプリアンプやA/Dコンバーター(アナログ信号をデジタル信号に変換する機器)への過負荷(オーバーロード)を防ぐために使用されます。
💡 リミッター設定のコツ
ミックス・マスタリングにおいては単に音圧(ラウドネス)を上げれば良いというわけではありません。
音圧を上げすぎると音源のダイナミクス(強弱)が失われたり、ポンピング(音量が不自然に上下する現象)、歪みなどを引き起こす可能性があります。
適切なゲインリダクション: ゲインリダクションの量を極端に大きくしないようにすることで、音質を維持しつつ音圧を稼ぐことができます。
リリース・タイムの設定: リミッターが音量の制限を解除するまでの時間(リリース・タイム)は、曲のテンポやアタック感に合わせて調整します。長すぎると次のピークが来るまでに制限が解除されず、不自然な圧縮感になることがあります。
リミッターの処理を行う前に、コンプレッサーなどでピークをある程度抑えておくと、リミッターが過剰に動作するのを防ぎ、自然な圧縮感を得られやすくなる傾向があります。
