イコライザー(EQ)の種類と特徴
イコライザー(EQ)にはいくつかの種類がありますので整理しておきます。
Shelving EQ(シェルビングEQ)
シェルビングイコライザーは、指定した周波数(カットオフ周波数)より上、または下のすべての周波数を同じ量だけブースト(増幅)またはカット(減衰)します。
主に高域と低域の調整に特化しており、通常は中音域には影響を与えません。
カットオフ周波数は固定されている場合(例:100Hzや10kHzなど)と、ユーザーが調整できる可変式の場合があります。
ギターアンプやオーディオ機器などでは、シンプルなシェルビングEQと似た機能が「トーン」や「BASS」「TREBLE」などの名称で搭載されていることが多いためミックス作業をしたことがない方でも馴染みがあるイコライザーです。
Tilt EQ(チルトEQ)
チルトEQは、シンプルなシェルビングEQの一種ですが、高音域をブーストすると同時に低音域をカットする、または高音域をカットすると同時に低音域をブーストするという、周波数特性を傾ける独特の機能を持っています。
この機能により、トラックのサウンドを瞬時に暖かくしたり、明るくしたりといった、音色の大まかな調整が可能です。
周波数特性を傾けるために必要なコントロールは通常ノブが一つだけで操作が非常にシンプルです。
Peaking EQ(ピーキングEQ・ベルEQ)
ピーキングEQは、その形状がベル型に似ていることから「ベルEQ」とも呼ばれます。
通常のシェルビングEQに加え中音域のコントロールが可能になります。
特定の中央周波数を中心とした帯域をブーストまたはカットします。
中央周波数は、固定された段階で調整されることもあれば、連続的に可変であることもあります。
「ピーキングEQ」という名前で呼ばれる場合、Q値(Quality factor、帯域幅)は固定されている機材やプラグインを指すことが多いです。
Parametric EQ(パラメトリックEQ)
パラメトリックEQは、ピーキングイコライザーをさらに進化させたものです。
ブースト/カット量、中央周波数コントロールに加えて「Q値」または帯域幅を調整する機能が追加されています。
Q値(Quality factorの略)が高いほど、影響を受ける周波数帯域は狭くなり、よりピンポイントな調整が可能です。
Q値を広げると、広い帯域をブースト・カットできます。
DTMで使用されるプラグインの多くは、このパラメトリックEQの形式を採用しており非常に柔軟な音作りを可能にします。
Graphic EQ(グラフィックEQ)
グラフィックEQは、一連のピーキングEQを直列に接続したものです。
例えば「60Hz、250Hz、1kHz、4kHz、16kHz」といった固定された複数の周波数帯域を「グラフィカル」に表示されるスライダーで調整できます。
スライダーの位置がそのまま周波数特性のカーブを表すため、直感的に操作できます。
ギター用の機材や、PA(音響設備)用の機材として使われることも多いため、目にしたことがある方も多いと思います。
その他、ダイナミックEQがありますが、こちらは特定の周波数帯域を、入力された音声のレベルに応じて自動でブースト・カットするという特殊な機能を持っており性質が異なるため次項で詳しく説明します。
