【DTM】パラレルコンプレッションとは? トランジェントを保ちつつ音を太くするテクニック
ミックス作業でコンプレッサーを強くかけると、音の立ち上がりであるトランジェントが潰れてしまい、元の良さが失われてしまうことがあります。
そのような悩みを解決するための手法の1つが「パラレルコンプレッション(並列圧縮)」です。
「パラレルコンプレッション」とは、「コンプレッサーをかけていない元のサウンド(ドライサウンド)」と「コンプレッサーをかけたサウンド(ウェットサウンド)」を混ぜ合わせることで、元のサウンドのパンチ感やトランジェントを保ちながら、音に厚みや迫力を加える手法です。
圧縮したサウンドを少しだけブレンドすることで、自然な音の太さを得られるのが大きなメリットです。
パラレルコンプレッションの方法
パラレルコンプレッションには、主に2つの方法があります。
1. プラグインの「Mix」ノブを使う
コンプレッサー系プラグインの中には「Mix」や「Blend」などの名前のノブが搭載されていることがあります。
このノブを調整することで、ドライサウンドとウェットサウンドのミックス具合を簡単にコントロールできます。
ノブを0%にすればドライサウンドのみ、100%にすればウェットサウンドのみとなり、中間値に設定することで両方のサウンドをブレンドします。
2. トラックを複製してルーティングする
使用しているコンプレッサーに「Mix」ノブがない場合は、以下の手順でパラレルコンプレッションを実現することができます。
①コンプレッションをかけたいトラックを複製します。
②一方のトラックはコンプレッサーをかけないドライの状態に保ちます。
③もう一方のトラックには、後述する設定でコンプレッサーをかけます。
④ミキサーのフェーダーを使って、2つのトラックの音量バランスを調整します。通常は、ドライサウンドがメインで聴こえ、ウェットサウンドがわずかに聞こえる程度に混ぜるケースが多いです。
⑤これらのトラックを1つのバストラックにまとめておくと、全体の音量を調整する際に便利です。
パラレルコンプレッションの設定例
強くコンプレッサーをかけたウェットサウンドの作り方に決まりはありませんが、迷った場合のために設定の参考例を挙げておきます。
ゲインリダクション: -10dB以上と、かなり強めに圧縮します。元のサウンドと混ぜるため、大胆にコンプレッションをかけたほうが良いケースが多いです。
レシオ: 4:1程度。
アタック: 速めに設定し、音の立ち上がりをしっかりと圧縮します。
リリース: BPMに合わせて、自然なグルーヴになるように調整します。
コンプレッサーが掛かっていないトラックと、コンプレッサーが掛かっているトラックを混ぜる時には、コンプレッサーが掛かっているトラックの音が少し聞こえる程度に止めます。
また、音にさらに迫力を加えたい場合は、ウェットサウンドにEQを挿して100Hz付近と10kHz付近を数dB〜10dB程度ブーストするテクニックも効果的です。
これにより低音の太さと高音のきらびやかさが強調され、より存在感のあるサウンドになります。
