【DTM】ミックス作業を行う環境について
ミックスの結果は、作業を行う環境や使用する機材によって大きく左右されます。
理想的なのは、音響調整された専用スタジオで業務用のモニタースピーカーを使用することですが、個人でそのような環境を整えるのは現実的ではない場合が多いです。
ここでは、自宅でミックス作業を行う際の環境構築について、いくつかのポイントを整理します。
スピーカーについて
自宅用のモニタースピーカーについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
モニタースピーカーは「高価なスピーカーほど良い」と考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。
スピーカーの性能は「絶対値」的なものではなく「環境との相互作用」によって決まりますが、高価格帯のモニタースピーカーは、音響調整されたプロ仕様のスタジオでの使用を前提としているものも多く、調音されていない6畳~10畳程度の小さな部屋では、その性能を十分に発揮できないこともあります。
そのため、自宅の小さな部屋で使うスピーカーを選ぶ際は、以下のポイントを参考にすると良いと思われます。
ニアフィールド(近距離)での使用に適しているか
小さな音量でも周波数特性が大きく変化しないか
小さな音量でも低域がしっかり把握できるか(ウーハーが5インチ以上だと低域が把握しやすいと言われているが例外もあり)
ヘッドホンでミックス作業をしても良いのか?
昔は「ミックス作業はスピーカーで行うべきだ」と言われていました。
スピーカーから出る音は、左右の耳にわずかな時間差で届くため、私たちは音の立体感を感じ取ることができます。
しかし、ヘッドホンは左右の耳に直接音が入るため、この時間差が生まれず、立体感を把握するのが難しいとされていました。
そのため、音の配置が重要なミックス作業において、ヘッドホンだけで完結させるのは難しいと考えられていたのです。
しかし、近年はヘッドホンの性能が飛躍的に向上していますし、SN比、定在差や共鳴の量、周波数特性の安定性等の点で言えば、高額なスピーカーを使うよりも5万円程度のヘッドホンのほうが作業がしやすい場合もあります。
また、賃貸物件などでスピーカーの使用が難しいDTMerが増えたこともあり、ヘッドホンでミックスを行う人も増えてきました。
さらに、この「立体感を把握できない」という問題を解決するためのプラグインも登場しています。
例えば、WAVESの「Nx Virtual Studio」のようなプラグインは、ヘッドホンを装着した状態でも、まるでスタジオで聴いているかのような立体的なサウンドを再現してくれます。
スピーカーで音を鳴らすことができない場合は、このようなプラグインを活用してヘッドホンでミックスを行うのも有効な選択肢です。
ただし、「Nx Virtual Studio」などのスタジオ再現系プラグインは人工的に空間を作り出しているため、長時間使用すると聴き疲れしやすかったり、音が不自然に感じられる場合があります。
ミックスの全工程で使い続けるのではなく、立体感を作る作業の時だけ活用するなど、用途を限定して使うのもおすすめです。
可能であれば、スピーカーでの再生も定期的に行い、さまざまな環境で音を確認する「リファレンスチェック」を行うことで、より精度の高いミックスに繋げることができます。
