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短歌|傷口


きみの名前を呼ぶためだけに存在している喉の奥の傷口

スマホの画面に付いた指紋を拭くときの理由もない寂しさについて

絶望を説明するための言葉ならもう十分すぎるほど持っている

花束の包み紙を破くときのようなさびしさで夜を明かして

朝が来て光が部屋を満たすときぼくらは生きてしまっている

信号が赤になるたびこの街のどこかで誰かが諦めている

死なない程度の傷を傷と呼ぶのかと問うように鳴く蝉の声は

生存の確認印は月曜のタイムカードという名の虚無へ

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