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国境を越えてジョージアへ!乗り継ぎの暇な時間こそ旅だよね|コーカサス #2

中国人夫婦・インドの青年2人・そして私の5人で、すし詰めバスに乗り込みました。

アゼルバイジャン・シェキのバスターミナル

今回はアゼルバイジャン→ジョージア国境の記録です。緊張とゆるさが同居する、不思議な1日でした。

前回の話:


すし詰めマルシュルートカの修学旅行感

シェキのバスターミナルで、中国人夫婦と運転手が、言葉が通じず困っていました。

ここぞとばかりに、中国語がチョットデキル私が出しゃばって通訳に入る。別に傍観しても良かったんだけど、この先はトラブル多き国境越え。顔見知りになっておくに越したことはない、という私の下心でした。

マルシュルートカのドライバーと交渉中

夫婦の目的地も同じく国境。

バラカン止まりのマルシュルートカを国境まで延長させようと交渉中。国境が開いているかどうか、心配性な私はちゃんと確認できていなかったのですが(たぶん開いてる)、私もそれに便乗し、インド系の青年2人も加わって、5人まとめて連れていってもらえることになりました。ラッキー!

定刻に出発したマルシュルートカは立ち客が出るほどの超満員。

すし詰め状態のマルシュルートカ

180cm超えの身体を折りたたむように座席に収める。逃げ場のないぎゅうぎゅう感!国境越えと言えばこれですよ。中央アジアのそれと全く同じ。

同乗しているインド系の2人がお調子者全開!乗客たちとワイワイ話し始め、私もそこに巻き込まれて会話に加わると、車内に修学旅行のような一体感が生まれてきます。

国境へ行く途中の風景。タバコ畑らしい。

しかし、いくつかの街を過ぎるたび、乗客はバラバラと降りてきました。賑やかだった車内はいつの間にか静まり返り、窓から入る心地よい風のせいで眠気が……。

気づけば、残されたのは中国人夫婦とインド系青年2人、そして私だけ。あれほど狭かった車内にゆとりが戻り、乗客は「国境を目指す5人」だけになりました。

国境へ近づいていく…
目的地に着いちゃうのがちょっと寂しかったりする。

本当に国境は開いているのだろうか──。

一抹の不安を乗せたマルシュルートカは、13時前、ついにアゼルバイジャン側の国境ゲートへと滑り込みました。

国境ゲート前に到着。ここからは徒歩。

さあ、ここからが本番。

ぬるい入国審査「あ〜日本人ね、OKOK」

結論から言うと国境越えは超イージーでした。

あれだけ開いているか不安だった国境ですが、すんなりとアゼルバイジャンの出国手続きが完了。

徒歩で国境を越える。国境にかかる橋をわたる。

国境の川を渡り、ジョージア側の入国ゲートへ。川を渡りながら、ふと思い出す言葉──。

「国境てなもんは地形や民族で決まるもんやない。そのときどきの喧嘩の強さで上にも下にもずれるんや」

黒川博行『国境』

大好きな小説の一節です。川を一本またいだだけで別の国になる。地面は続いているのに不思議だなって思います。

ジョージアのイミグレ係員に「どこから来た?」と聞かれ「日本」と答えた瞬間、「あ〜日本人ね、OKOK」といった軽いノリで、あっさり入国スタンプをゲット。

かつて陸路で越えた中国国境では、荷物を隅々までしつこく検査され、何時間も待たされ、執拗な尋問に冷や汗をかいたものでした。過酷な記憶があるからこそ、今回のぬるさには拍子抜け。

横を見ると、さっきの中国人夫婦がビザの確認などで時間がかかっている様子。こればっかりは、日本のパスポートに感謝するしかありません。

ジョージアに入国。全くジョージア感のない建物。

無事に入国したジョージア側の建物は、冷房がガンガンに効いていて天国!ウォーターサーバーの水で喉を潤すと、張り詰めていた辺境の緊張感が一気にほぐれていきます。

インド系2人のマシンガン交渉にただ乗りする

ここからは次の目的地シグナギへ向かうため、乗り合いタクシーとの価格交渉です。

この乗合タクシーで行きます。
インドの青年2人が交渉役を買ってでてくれた。

国境付近でタクシーをシェアするのは旅の定番ですが、私はとにかくこの手の交渉が苦手。けれど、なぜかいつも、その場に交渉上手な人が現れて代わりに話をまとめてくれる。運が良くて他力本願。

これは才能なのか人徳なのか。

そして今回も、あのお調子者のインドの青年2人が大活躍してくれました。彼らのマシンガントークと屈託のない笑顔にドライバーさんもタジタジ…「しょうがないな〜(苦笑)」って顔で、なんと1人20ラリという好条件で交渉成立!

ボロい車内。けどタフな走りをします。

ちなみに中国人夫婦は、ビザの手続きでまだ国境の建物に取り残されたままでした。こういう場面では待たないのが暗黙の了解なのかもしれない。彼らを国境へ残し、先に出発することにしました。

(なお、この夫婦とは数時間後のシグナギ、そして2日後のトビリシの街角で再会を果たすことになります。)

乗り合いタクシーでシグナギへ!

心配性な私、本当にタクシーが目的地に着くのか不安でしかない。一蓮托生な気持ちでシグナギへ。

乗り継ぎの暇な時間こそ旅って感じ

シグナギ、美しい街です。

15時前、高台の上の美しい街シグナギに到着。代金を払って、即席の頼もしいチームは解散。

トビリシ行きのマルシュルートカは16時発。約1時間の待ち時間がありました。

トビリシ行きのマルシュルートカ乗り場。

街を歩くと、空気が違うことに気付きます。

アゼルバイジャンは中央アジアの延長という印象を受けましたが、ここですれ違う人々は、佇まいもどこかヨーロッパっぽい。石畳の道や教会の瓦もヨーロッパっぽい!

グラデーションを肌で感じられるのが陸路旅の醍醐味ですね。

ヨーロッパっぽい町並み。素敵です。

せっかくなので、見晴らしの良いカフェに入ってひと休み。

シグナギはワインの名産地なので(ばったり再会した中国人夫婦は意気揚々と酒場へ繰り出して行った)酒が飲めればワインを飲んだんですがね〜

この景色が見られただけで満足。

頼んだコーヒーは8ラリ(約500円)。「まあまあ高いな…」と早くもヨーロッパの物価に驚いたけど、見渡す景色は文句なしの絶景でした。

次の目的地へ向かう前の、何をするでもない乗り継ぎの時間。張り詰めていた緊張がほどけていく瞬間に、なんだか一番「旅をしている」実感が湧いてきました。

路地のなんでもない風景が映える街でした。

「一問一答」で撃沈しながらトビリシへ

トビリシ行きの22人乗りのマルシュルートカは満席で、座席間も狭く、エアコンが効いていなくてめちゃくちゃ暑い!

近くに座っていた中国人と韓国人の女の子2人組。ずっと凄まじい熱量で喋っています。話好きな彼女たちの矛先は、時折私にも向きましたが、「一問一答」のような薄い返ししかできず、そのうち相手にされなくなり、彼女たちはまた2人の世界に戻っていきました。

ちょっと寂しいけれど、(コミュ力無いので)正直ほっとした(笑)。

分かりづらいですがひまわり畑です。

窓の外に目を移すと、一面のひまわり畑が通り過ぎていきました。緑の濃さもアゼルバイジャンとの違いかな?

山道を抜けて幹線道路へ。

ここからの走りがとにかく凄まじい。高低差の大きい坂道を、ものすごいスピードでガンガン下っていきます。「ジョージアは本当に山の国なのだ」と、荒々しい運転の遠心力で実感。

夕方、トビリシのバスターミナルに到着!

18時。長い国境越えの1日の果てに、ようやく首都トビリシへ到着しました。

朝にアゼルバイジャンのシェキを出て、3つの乗り物を乗り継ぎ、境界線をまたいで、夕方にはジョージアのトビリシ。地続きの国境を自分の足で越えたときにだけ味わえる心地よい疲労感がありました。

さて、今日の晩御飯はどうしようか?

次回:雨のジョージアで引きこもる

雨上がりのジョージア・バトゥミの街。

ジョージアに着いたものの、なんでかこの国に馴染めず、雨にも振られてホテルに引きこもっていました。

次回もお楽しみに!


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