32歳、また無職になったのでインドに行きました #3 ラダック編
バンコクから始めた約1ヶ月の無職旅。
山が見たい一心で、カトマンズからラダックへとやって来ました。
▼ 前回の話
10年ぶりのインド・デリー
乗り継ぎでデリーに1泊することになりました。

10年ぶりのデリー。
かつての私は、この街で数えきれないほどの嘘をつかれ、ぼったくられ、見事に騙されてきました。他の旅行者もそうでしょう。インドのデリーとはそういう街です。
ボラれても騙されても変わらない安心感がある

ここも10年前からある。
空港の外へ出た瞬間、タクシーの客引きがどわーっと押し寄せてきました。10年ぶりのこの感じ、もはや感動すら覚える。
「1泊だけだし騙されてもいいや」 と、確信犯的に客引きの車へ。予約していたホテル名を告げると、案の定、「そのホテルはクローズした!俺が知ってる宿に泊まれ!グッドホテルだ!」と、教科書通りの嘘!
結果、タクシー代をボラれた挙句に知らないホテルへ。
そうそう、これだよな〜
理不尽な展開を腹立たしく思いながらも、どこか懐かしい。実家のような安心感がありました。
ラダックに到着

デリーの何の特徴もないホテルに1泊し、翌朝の便でレーに出発。飛行機の窓から雪山と、チベット仏教の寺院のような建物が見えて、期待は最高潮。
かっこいい空港の名前
空港を出ると、周りが険しい山々に囲まれていて、感動でした。これが私が求めていた山。涼しくてカラっとした空気。来てよかった。

空港の施設は超簡易的です。プレハブみたい。
レーの空港はその名を「クショク・バクラ・リンポチェ空港」と言います。ラダックの高僧の名を冠した、神秘的な響きがかっこいい。インドは偉人の名を空港に刻むセンスが抜群。(ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港とかね。)
何もかもがデリーとは違う!
空港の外に出てもまったく客引きが寄ってこず、やっぱデリーとは違うな〜と感動。ロータリーでタクシーを捕まえて、レーの中心部へ。

メインバザールまで徒歩5分の好立地。
予約していた宿に無事到着(やはりデリーとは違う)。
宿のオーナーさんは「初日は高山病の心配があるからね」とゆっくり休むよう気遣ってくれました。ラダックは標高が3,000m以上あるため適応しないといけません。そういえば少し頭が重い。
さらに、部屋の真ん前で工事をしていることに「うるさくてごめんね」と何度も謝られました。優しい。殺伐としたデリーから抜け出したことを実感しました。

ここがレーの中心部で、様々なお店が揃う。
(フィルムカメラで撮影)
レーの初日は近場のメインバザールを散歩するにとどめ、ゆっくり休みました。
王宮と僧院(ゴンパ)巡り

ゴミ一つないのは誰かが掃除してくれているから。
翌日。
張りきって早起きして、レー王宮へ行きました。
街を見下ろすレー王宮で目的を達成する
メインバザールの路地から王宮へ続く坂道を登って行きます。途中で牛と遭遇。やはりインド。

半分くらい登って、市街地と王宮の両方がよく見える場所がありました。思わず何度も写真を撮る。持ってきたフィルムカメラ(Kodak ULTRA F9だったはず)でも撮影。

(iPhoneで撮影)

(フィルムカメラで撮影)
入場料を支払って王宮の中へ。
9階建ての王宮の中を上へ上へと登っていく。一番上まで登って来るとレーの街が見渡せました。
茶褐色の街並みの先に、追い求めてきた「青い空と白い雪山」が、これ以上ない鮮やかさで横たわっていました。

その先に雪山があって、これで満足した。
「ああ、もうこれでいいな」
ネパールで見られなかった景色に、ようやく追いついた。目的を達成した安堵感。
レー王宮からさらに山を登ると、「ナムギャル・ツェモ・ゴンパ」というチベット僧院があります。せっかくなので登りました。(疲れるからタクシー使ったけどね。)

(iPhoneで撮影)

(フィルムカメラで撮影)

あまりの絶景に圧倒されました。
確かな満足感を得た。
ふと気付くと、薄い空気の中を歩いたためか頭痛がしてきたので、ホテルに戻って休息。ベッドの上でずっと『キングダム』を読んでました。
じっくり僧院(ゴンパ)巡りをする
翌日には体調もすっかり回復し、本格的にラダックを巡ることに。
レー中心部のタクシー乗り場へ向かい、車をチャーターしました。行き先は近郊の僧院(ゴンパ)4箇所。丸1日かけて、効率的かつじっくり見ることができました。
その中で一番気に入ったのはチェムレゴンパ。

岩山全体がゴンパとなっている。
要塞然とした佇まいが素晴らしいですね。
岩山の上に建つゴンパですが、もはや岩山そのものがゴンパになっています。

(フィルムカメラで撮影)
僧院なので、中では僧侶の方々が暮らしています。こんな世界の果てのような場所で、いったいどんな生活をしているのか…

その他、ティクセゴンパ、タクトクゴンパ、ストク王宮を見てまわりました。満足。
1泊2日のラマユル旅行
バスに乗ってラマユルという街にも行きました。

行き先、料金、スケジュールが書いてあり便利。
レーから西へ約127km、シュリナガルへと続く街道沿いに位置しています。ローカルバスで片道7時間かかりました。さすがに疲れましたが、バスから見える景色が楽しくてあっという間でした。こういう時間の使い方ができるのが、無職旅のいいところ。
ラマユルには大きな僧院があります。
それ以外は、ホテルと食堂が数軒あるだけの小さな街。

チャイと素朴なトーストサンド。
僧院を訪れると、偶然にもお祭り(儀式?)をやっていて、興味深く見させてもらいました。

やはりここも景色が素晴らしく、歩いては写真を撮り、歩いては写真を撮り…飽きるまで楽しみました。

(iPhoneで撮影)

(フィルムカメラで撮影)
バスで8時間、自力でパンゴン湖へ行ってみる
ラダックと言えば「パンゴン湖」です。
映画のロケ地として有名で、ミーハーな感じもあるけど、さすがに見ずに帰ることはできない。

ツアーへの抵抗感
パンゴン湖へ行くには入域許可証(パーミッション)が必要で、メインバザールの旅行代理店を通して取得しました。
その代理店でツアーに参加することを勧められたのだけど、「見知らぬ数名と同じ車で行く」と聞いて、う〜ん…となりました。コミュ障だし。
そんなわけで、一人でローカルバスに乗って行くことにしました。
目的地そのものより道中にこそ「真髄」がある

朝6時半のバスに乗りました。
満席で、ほとんどがインド国内からの旅行客。
レーを出発して最初の2時間は幹線道路を進みますが、途中から山道になります。峠を登り、標高が少し上がったところで、息を呑むような光景に遭遇。

これぞ、私が見たかった風景!
鮮やかな黄色い菜の花と緑の盆地。それらを荒々しく囲む岩山。遥か奥にそびえ立つ雪山。そして深い青空。
「これは、きっとパンゴン湖よりもすごい……」
有名な湖を目指していたはずなのに、名もなき道端の景色に心を奪われる。大げさだけど、これこそ旅の真髄なんじゃないか、と思いました。

15時頃、パンゴン湖に到着。
同じバスで来たインド人観光客たちも興奮気味に湖の写真を撮っていました。たしかに美しい…

青春を感じた。
1泊して翌朝帰るスケジュール。すぐに宿を探して(予約サイトに載っていないため現地で見つけた)、荷物を置いて、近くのカフェで簡単な食事をとりました。


夕方になるにつれ雲が増えてきたので、急ぎ足で湖畔を歩き、写真を撮っていきました。美しい。湖の先に中国との国境があると思うと、余計に美しく見えました。

急いで湖畔を歩きました。

(フィルムカメラで撮影)
翌朝、同じバスに乗って、同じ絶景を眺めながら、同じ道を帰りました。2回目なのでちょっと飽きた。
さいごに & その後
ラダックを十分に堪能して、インドをあとにしました。
帰りに立ち寄ったクアラルンプールで体調を崩したけど(たぶんコロナに罹患した)、無事に日本に帰ってきました。

げろ甘いクッキーとコーヒー。
時間的制約のない無職旅で、自由に行き先を選び、自分の納得感だけを基準に進む。素晴らしく贅沢な旅でした。
『深夜特急』に、こんなフレーズがあります。
行きたいところに行き、見たいものを見る。それで日本に帰るのが遅くなろうとも、心を残してまで急ぐよりはどれだけいいかわからない。
今回の無職旅は、まさにこの言葉を体現するような時間となりました。バンコクから始まった「山が見たい」という一心に、ようやく自分なりの終止符を打てた気がします。

ここの景色も素晴らしかった。
その後のことも書いておきます。
帰国しても無職のまま数ヶ月を過ごした後、法人を設立して営業を開始。気楽な一人社長ですが、取引先に恵まれて今年で4期目。気軽に旅に出られないくらい忙しくしています。
またいつか、せめて1ヶ月ぐらい、あてもなくどこかへ行きたいな〜
以上、読んでいただきありがとうございました!
