トルコの食堂で食べたピーマンの肉詰めが、旅で一番おいしかった話|コーカサス #3
陸路でイスタンブールへ向かう旅の続きです。
バスに乗ってジョージアからトルコへ。
ジョージアの食事が合わなくて、不完全燃焼のまま入国したトルコ。たどり着いた大衆食堂の一皿に、ちょっとだけ救われました。
パンがうまいと聞いたジョージア、なぜか馴染めず

ジョージアにはたいそう期待していました。
以前、インドで仲良くなった旅人から「パンがうまい」と聞いていたし、シュクメルリやハチャプリなどの伝統料理も楽しみでした。

しかし、トビリシに着いた初日。
予約していたホテルがオーバーブッキングで別のホテルを案内されました。立地は悪くなかったけど、ジメッと陰気な部屋。
初手でつまづいた感。

もともと初めての街で美味しいお店を見つけるのが下手な私にトビリシはハードルが高かった。
それを引きずってか、気分が上がらないまま訪れた旧市街のレストランの料理が、口に合わず。なんなら水すらも合わない気がした。
また別の日。期待して入ったちょっと高級な店では、シュクメルリの鶏肉が生焼けで「なんだこれ…」となる始末。

町並みは素敵で歩くのは楽しい。けど、なんか馴染めていない。くすぶった気持ちのまま、バトゥミへ移動することにしました。

雨のビーチリゾート、ホテルでYouTube
トビリシからバスで向かったバトゥミ。
黒海沿岸のリゾート地で、海を見るのを楽しみにしていたけれど雨!それも土砂降り!
海に行くどころか街歩きさえできなくて、テンションだだ下がり。この頃はほぼ無職だったけど多少の仕事はあって、ちょっとした仕事を片付けて、あとはひたすらYouTubeを見ていました。
せめて本でも読めよと思いつつ、罪悪感もありながら流れていくショート動画が止められない。

そうやって無為に過ごした2泊3日。ことごとく期待を裏切られて、これじゃYouTubeを見るためにジョージアに来ようなもんだ、と。
明日の天気予報は晴れ。
気持ちを切り替えてジョージアを去ろうと決心。期待していた場所に馴染めないことって、旅をしていると一度はあるものです。

晴れた朝、さあ行こう!バスで国境越えてトルコへ

バトゥミからトラブゾンまで、国際バスで行きます。
国境越えの日の朝。
予報通り晴れました。無為に過ごした2日間を取り戻すべく、短い時間だけどしっかり街を歩きました。雨じゃなけりゃ、すごく楽しめたのにね〜



昼ごはんを済ませてバスターミナルへ。
バトゥミのバスターミナルからMetro社(トルコ最大手のバス会社)のバスが出ていて、トラブゾンまで直通で行けるとのこと。
当然のように定刻になってもバスは現れず、初めてのトルコ入国ということもあって少し焦りました。Metroの社員っぽいお姉さんに「まだなの?」と確認すると、「ここで待てればOK〜」と軽くあしらわれる。焦るなってことね。
バスはやや遅れて16時20分に出発。バトゥミの市街地はひどい渋滞で、なかなか進まない。「国境も役所だから17時に閉まるんじゃ…バスが遅れて出国できないなんて、ないよな?」とちょい心配。

道路上の「Happy Journey」という表示が目に入り、サルピ国境に到着。
バスを降りて、荷物を抱えて国境を歩いて越える。陸路旅で一番ワクワクする瞬間。
出入国はスムーズでした。30人ほどいた乗客全員の出入国審査を待つため2時間もかかったけれど、懸念していた17時閉鎖は杞憂でした。同じバスに乗り込んで、トラブゾンへ向けて出発しました。

たしかに黒い気がしないでもない?
黒海に沈む夕陽、旅情に浸る
トルコに入って、少しずつ景色が変わっていきました。
建物が小綺麗になり、街中にモスクが見えるようになる。劇的な変化ではないけれど、「ああ、国が変わったんだな」と実感しました。このグラデーションを見るのが国境越えの醍醐味。旅をしていてよかったと思える瞬間のひとつです。

バスは海沿いの幹線道路を気持ちよく走っていきます。交通量は少なく、窓の外には黄昏の黒海。陽がだんだんと海に沈んでいく…
係員のお姉さんが冷えたミネラルウォーターを配ってくれました。プラスチックのパックに入ったやつ。一口飲んで、「あれ、ジョージアの水より美味しいかも」と妙に納得。なんだかトルコは食が合いそうな気がしてきた。
リゼの街を過ぎたあたりで、黒海に夕陽が沈もうとしていました。

33歳になって、新しい土地を訪れても昔ほど驚かなくなった。それでもこの景色は、ちゃんと胸に刺さる。だから旅はやめられない。
やがて前方にキラキラと光る街が見えてきました。トラブゾンです。

トラブゾンの安食堂で旅が報われた気がした
20時40分、トラブゾンに到着。
バスターミナルで翌日のサムスン行きのチケットを買いました。チケット売り場のおじさんが「毎時出発してるよ」「明日は10時半にここに来い」と、聞いてもいないことまで丁寧に教えてくれる。トルコの人との最初の会話が温かくて嬉しい。

次のチケットを買います。
ホテルへチェックイン。親切でやたらテンションの高いスタッフに案内された部屋は、1人には広すぎるダブルルームでした。得した気分。

ひとまず腹が減った!
外に出て、程よく賑わっている大衆食堂に入りました。ガラスケースに並んだおかずを指差して選ぶスタイルです。
ピーマンの肉詰め、サフランライス、ケバブ、パン。テーブルにずらっと並べて、まずピーマンの肉詰めを一口。

噛み締めて数秒、「おいしい…」と声が出る。
とろっと溶けるほど柔らかいピーマン。脂身が多めの挽肉。脂っこいのに、味は濃くない。余計な味付けがなく、素材で勝負してる感があって、旨味と香りがジワっと伝わってくる。
素直に「ジョージアより全然美味しい!」と思っちゃって、トルコが大好きになりました。単純。
まあ、ジョージアは今回たまたましっくりこなかっただけで、また来たらきっと違う印象になるはず。
美味しい食事で、これまでの旅が報われた気がして、いい気分で一日を終えました。
次回:イスタンブールへ

トラブゾンからサムスンを経由して、イスタンブールへ向かいます。上海から始まったユーラシアの旅、いよいよヨーロッパが近づいていました。
次回もお楽しみに!
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