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バッキーズ Buc-ee's アメリカで大人気の店

Buc-ee'sという名称を聞いたことはありますか?
この店はガソリンスタンド併設のコンビニエンス・ストア的な店です。日本でいうパーキングエリアやロードサイドにある大きなガソリンスタンドみたいな形態です。Buc-ee'sは、この店舗形態をトラベル・センターと呼んでいます。

テキサス州を中心にジョージア、アラバマ州に店舗展開していて現在50店舗程がありますが、そのほとんどがテキサス州です。人気と話題からどの店舗も混雑が激しいので、どんどん拡張しています。

何故、テキサスのローカル・チェーンがここまで人気になるのでしょう。
それは歴史を紐解くとわかります。

歴史

1982年、Arch Aplin(アーチ・アプリン)がテキサス州クルートに新しいタイプのガソリンスタンド併設のコンビニエンスストアBuc-ee'sをオープンしました。店名のBuc-ee'sとは、アーチ・アプリンの子供の頃のニックネーム「Bucky Beaver(バッキー・ビーバー)」と、自身の飼い犬の名前を掛け合わせたものです。

1号店

アプリンは子供の頃、おじいさんと一緒に地元の商店に買い物に行くのが好きだったそうです。そこにはローカルの雰囲気が漂い、地元特産の食品が売られていたのです。アプリンは、テキサスの大学を卒業し建築業に従事します。1970年代、工事現場を渡り歩く際に利用するガソリンスタンドは、どこもひどいものでした。トイレは汚く、売られている食べ物はとても不味く、不衛生でした。店員もやる気がなく、仕方なく利用していましたが、なんとかならないものかと思っていたそうです。
そこでアプリンは、自分が満足できるガソリンスタンドを作ろうと思います。25万ドルの資金で自分の住んでいる街にBuc-ee'sをオープンしました。当然、ガソリンスタンドは綺麗で、内装はおじいさんが連れて行ってくれた懐かしい感じ、活気のある店員と美味しくて新鮮なサンドイッチも用意しました。
これが地元住民に受けます。地元で話題になったBuc-ee'sは2003年、Lulingという郊外の高速道路沿いに大きな店舗をオープンします。これが現在のBuc-ee'sの原型となります。ここからBuc-ee'sは急成長を遂げ、次々と巨大店舗(メガ・トラベル・センターと呼びます)がオープンしていきました。

アーチ・アプリン氏

Buc-ee'sの経営の特徴は、株式上場したりせず、今でもファミリー・オウンであることです。株主が現れると会社の方針が効率化にばかり向かうことになります。時には会社が丸ごとどこかに買収されてしまいます。これだと今のBuc-ee'sの特徴が失う可能性があります。アプリンは、現在も店舗拡張は自分の目の届く範囲に限定しています。そしてトイレが綺麗に保たれているか、食事は新鮮か、従業員は楽しく仕事ができているかを管理しているのです。

店舗入口

特徴

Buc-ee'sは、それまでのアメリカにあるガソリンスタンドで満足できない部分を改善して生まれたことがわかりました。現在のBuc-ee'sを見ていきましょう。

ガソリンスタンド

Buc-ee'sにあるガソリンスタンドは、店舗によって異なりますが100機を超えるブースがあります。同時に100台以上の車がガソリンを入れることができるのです。実際に行ってみると、遥か彼方までガソリンスタンドが続いています。これはなかなかみることのできない壮大さです。それなのに昼間は大行列となっているのです。このスケール感には驚きます。
実際にガソリンを入れてみると、このガソリンスタンドが何故人気なのかわかります。まず、とても綺麗です。他のロードサイドのガソリンスタンドは汚いです。ノズルも汚れていますし、窓を清掃する道具も水も汚いのです。しかしBuc-ee'sは常に綺麗に清掃されていますので、気持ちよくガソリンを入れることができます。そして給油選択や支払いに使うタッチパネル端末がとてもわかりやすく誰でも簡単に給油ができます。特に私のような海外からの旅行者にとって、アメリカ以外発行のクレジットカードが使えないことが多い端末ですが、特に問題なく使えます。さらにZIPコードを入れる必要もないです。レンタカードライブをしていて給油に戸惑うことが多いのですがBuc-cee'sでは快適に給油できるのです。ガソリンの価格も高くなく、このクオリティのサービスなら誰もがBuc-cee'sでガソリンを入れようと思うはずです。

延々とつづくガソリンスタンド

素晴らしい店舗

ガソリンスタンドに併設されている店舗が素晴らしいです。観光の目的地になっているほどの店舗はまるでテキサスのディズニーランドのようです。
美味しいBBQ
店内には大きなキッチンがあり、そこでサンドイッチやバーベキューが作られています。店員さんたちは活気があって、次々に大きな肉を焼いて提供しています。ここの食事が美味しいのです。特に牛肉を何日もかけて焼いたブリスケットや、豚肉を茹でて繊維状にしたプルド・ポークは絶品です。これらの肉料理をパンで挟んだサンドイッチは、作っても作っても売れていきます。確かにこのクオリティのBBQはテキサス州にある人気レストランと変わらないです。このサンドイッチを買うためにBuc-ee'sを訪れる客も多いと思います。

ずらっと並んだサンドイッチ。どんどん売れていきます

豊富なスナック
私がBuc-ee'sに行く目的となっているビーフジャーキー。もちろん自家製ですが、フレーバーが30種類くらいあります。私はいつも肉屋のようなガラス張りの冷蔵庫にあるビーフジャーキーを量り売りで購入します。このビーフジャーキー、今まで食べたどのジャーキーよりも美味しいのです。パックされたジャーキーも売っていますが、量り売りの方が美味しいと思います。
そのほか、「Beaver Nuggets」というポップコーンが人気のようでほとんどの客が買っています。スナックは何百というオリジナルの商品を展開しているので、全てを食べてはいませんがどれも美味しいようです。私はBuc-cee'sに行ったら日本へのお土産はここのスナックにしています。店のことを知らなくても圧倒的に美味しいんです。
バッキー
Buc-ee'sのマスコット・キャラクターはビーバーのバッキーです。ちょっとダサ可愛いバッキーは店舗と共に大人気です。このバッキーのロゴが入ったグッズの品揃えが半端ないです。Tシャツからタンブラー、キーホルダーキャンプ用品までなんでも揃います。特に子供たちはこのキャラクターが好きなようで、グッヅが売れています。数ヶ月時期を変えていくとこれらグッズはデザインが入れ替わっているので、かなり売れているようです。おそらく一定の在庫を作って売り切ってしまっているのでしょう。そうなると限定グッズのようにコレクター性が出るようです。
私もエコバックや犬用品などを購入しましたが、商品自体はしっかりしていて、よくある粗悪品ではなかったです。

キャラクターグッズ

トイレ
Buc-ee'sの特徴としてよく言われているのが、トイレの綺麗さです。大きなトイレがあるのですが、常にスタッフが清掃していて綺麗です。今まで何度もBuc-ee'sに行っていますが、トイレが汚かったことは一度もありません。日本のコンビニや高速道路のパーキングエリアよりもはるかに綺麗です。

Buc-cee'sの未来

Buc-ee'sは、まだテキサス州とその周辺に展開しているローカルな成功店です。これから更なる拡大をしていくのはわかりますが、どのようなプロセスを踏み、どのような障害があるかを記したいと思います。

まず、テキサス州から徐々に店舗を拡大していくことが会社から発表されています。しかし強引な拡大路線ではなく、可能な限りゆっくりと店舗を増やしていくそうです。個人経営なので経営者の目が届く範囲でクオリティ・コントロールをしていくのだと思います。これは店舗が今のクオリティを維持することを約束しているようなものなので好感が持てます。おそらくBBQやビーフジャーキー、オリジナルのお菓子などを作るのにも手間がかかっているので誰もがレシピを渡せば作ることができないのだと思います。

その反面、全米の多店舗展開をするのは難しいでしょう。少数の経営陣が全米でこのはい・クオリティの店舗を維持するのは無理です。どうシステム化をしてもクオリティは下がるので、今後10年くらいはミッドウエストに徐々に店舗が増えていくのだと思います。
これはイン・アンド・アウトも同様で、急な拡大はできないのです。

長期的なビジョンに立つとアブリンさんと数人によって管理されているこの店が、アブリンさん亡き後、どう維持するのかという問題があります。彼の考えや経営魂がバッキーズの魅力となっています。彼がいなくなった時、誰がバッキーズを維持しさらに経営を推し進めるのでしょうか。アメリカではファンドや同業他社が買収してしまうケースがよくありますが、きっとそのタイミングでバッキーズの魅力は半減するでしょう。あるいはアブリンさんの魂を受け継ぐ2代目が現れるかどうか、です。アブリンさんのようなカリスマは誰にも備わっているわけではありません。例えばAppleはスティーブ・ジョブスの意を理解しているティム・クックさんがジョブスの死後、堅実な経営をしてきましたが、ジョブスのような未来を見据えた新しいチャレンジはできませんでした。ひたすらジョブスの考えを模倣してきただけです。ディズニーは、もはやウォルトの魂は失われて、ただの金の亡者と化しています。誰もクリエイティブに興味はなく過去の権利にしがみついているのです。

さて、バッキーズは今後、どのような会社の道を歩むのでしょうか。ラッキーなことにアブリンさんはまだ若いです。彼が元気なうちに長期的なビジョンを確立し、私たちがここに行きたいと思うような素晴らしい店舗を維持してほしいものです。


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