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転シバ 第14話:わたくし、あなたたちの柴犬になりますわ!(最終回)

雷鳴が、夜空を裂きましたの。
集うのは、転生した犬たちの、宿命と誇り。

かつて貴族だったわたくしも──
今はただ、一匹の柴犬として立ちますわ。

家族の名のもとに、すべての戦いに
……終止符を打ちますの!


夜空を覆う黒雲が雷鳴を呼び、稲光が廃墟を照らす。

大阪郊外の元防災基地跡地。

そこに、数十匹の犬たちが集結していた。

「いよいよですわね……この転生の物語に、決着をつけて差し上げますわ」

柴犬アンこと、元・貴族令嬢フランソワは、凛とした瞳で夜空を見上げた。

背後には、元軍用犬のボリス、ポメラニアン姫エリザ、チワワのゲンジら、転生ペット軍団。

マリー・アントワネット率いる野良犬軍団もすでに合流し、全員が戦の覚悟を宿していた。

「アンちゃんーっ!」

崖の上から声がした。あいこ、ここ、作之助の三人が駆け下りてくる。

「お前、俺たちの大事な家族だろ? なら、戦うよ。アンちゃん、俺たちも家族だろ!」

その言葉に、アンの耳がぴくりと動く。

「……愚かながら、胸が熱くなりましたわ……!」

そこに、暗がりから浮かび上がる黒スーツの人影たち。

CODE-BOWWOW実働部隊“K9”の精鋭が、Ωの号令とともに現れた。

「対象フランソワ、確保せよ。全戦力、展開」

嵐の中、決戦の幕が上がった。

「スモークボーン、展開ですわ!」

アンが放つ骨型爆弾が白煙を上げる。

続けて繰り出すは毛玉カッター、吠え波動。

「高貴なる一撃、受けなさいませぇッ!」

あいこ「その武器、どこで買ったの!? てか、どこに隠してたの!?」

パパ・忍はいつもの黒装束で登場。

「我が名は……忍。影より来たりて、影に還る者」

謎のスモーク玉を投げ、ドローン操作でK9の通信妨害を開始。

あいこ「父、仕事辞めてよかったかも……逆に才能あるよね?」

ママ・静花は優雅に登場。

「まんじゅい補給、いきますよ〜♪」

被弾した犬たちに即座に甘味投与、全員がフル回復。軍団が無敵と化す。

あいこ「ママが一番チートじゃん!!」

作之助は竹刀を一閃し、敵ドローンを真っ二つ。

「これが……全国ベスト64の底力や!」

ここは干し芋弾を連射。

「アンちゃん、エネルギーチャージやで!」

あいこ「いや芋で充電されるのおかしいからね!?」

転生ペット軍団は必殺技ラッシュ。

ボリスの重戦車突撃、エリザの毛玉トルネード、ゲンジの飛び蹴りに、

「ワレ、犬をナメとったらアカンぞォオ!」

あいこ「キャラ濃すぎ! 全員まとめてスピンオフ出せるレベル!!」

野良犬軍団も自由すぎる戦法。

スリッパ爆弾、顔面マスク攻撃、奇襲ゲリラ。



あいこ「いやもう仲間だから! 革命じゃなくて協力だから!」

クロエがシステムシャットダウンし、防御システムとセキュリティが無効になった。

クロエはフッと笑った。

「あとは……自分で道を切り開くだけ!」

激しい戦いの最中、Ωの背後に冷たい檻が出現した。

「これは……転生予備個体……?」

アンが駆け寄る。

中に横たわっていたのは、黄金の毛並みをもつ1匹の柴犬。

「まさか……オスカル兄様……?」

その声に反応するように、柴犬がうっすらと目を開けた。

「フランソワ……我が妹よ……」

兄妹の記憶が、過去が、すべての想いが重なった。

あいこ「アンちゃん……ずっと誰かを、待ってたんだね……」


追い詰められたΩは、巨大な機械に身を投じた。

「転生装置……? 逃げる気か!」

「私はやり直す! この世界を、最初から支配するのだァァア!」

アン、オスカル、マリーが同時に駆け出す!

「やらせませんわッ!」

「兄妹連携、参ります!」

「革命は、もう必要ないのですわ!」

三匹が装置のコードを、がぶり!

バチバチバチッ!

機械が暴走し、表示された転生先は──

《時空座標:地球・40億年前》

Ω「なっ……!? どこだそれは──」

ズズズ……機械が起動。

Ωは消え、数秒後、ドローンのスクリーンに映ったのは、水中に浮かぶ、もやもやした単細胞生物のような何か。

あいこ「やり直しすぎィィ!!」


夜明け。

すべての戦いが終わり、静かな朝日が差し込む。

檻の犬たちは解放され、次々に救出されていく。

オスカルが、フラリと立ち上がり、アンに語りかけた。

「妹よ……もう俺が守らなくてもいい。今度は……お前が、その家族を守れ」

アンが震えながら、あいこの元へ歩み寄る。

「わたくし、あなたたちの柴犬になりますわ……!」

「アンちゃん……!」

家族全員が、アンちゃんをぎゅっと抱きしめた。

朝の光の中で、転生ペットたちはそれぞれの“家族”へと帰っていく。

あいこのモノローグが、空に溶ける。

「……たとえ何度生まれ変わっても。わたしたちは、またきっと家族になる──」

The END

だけど・・・
13年後に、惜別の別れが・・・