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[AWT]02アートウィーク東京(11/7-10)ルートDのバスで原宿,青山界隈を巡る

 アートウィーク東京。


 初日の11/7に参加して、

 1日おいて、11/9の記録。



東京オペラシティアートギャラリー(D5)

 本日のはじまりは、最寄りの東京オペラシティ。

松谷武判

近年改めて国際的な評価を高めている松谷武判(1937–)は、60年を越える活動を通して、物質が示す表情や肌理(きめ)、存在感に生命の波動、流動を交錯させる優れた制作を続けてきた。1960年代に当時の新素材であるボンドを使った有機的フォルムを生み出す作品で、具体美術協会の第二世代の作家として頭角を現す。1966年に渡仏すると、以降の拠点となるパリで版画制作や空間表現を深め、やがて幾何学的な色面による表現に移行した。その後、改めてボンドによるフォルムに鉛筆の黒鉛を重ねた作品で独自の境地をひらく。作品を構成する様々な物質が示す表情に、生身の身体と五感で対峙することで生み出される作品、その豊かな多様性は、見る者を魅了してやまない。本展は、初期から現在まで約150点の作品、資料、映像などによって長きにわたる活動の全貌を紹介すると共に、その広い射程を今日的視点から検証する。

同上

 松谷武判展。その感動は記したとおり。


 バスの発覚場所は、甲州街道沿いのほうに。


ギャラリー38(D6)

 バスは西新宿から原宿エリアに。

細井美裕

ギャラリー38では細井美裕の初個展を開催する。細井は、マルチチャンネル音響を用いたサウンドインスタレーションや、屋外インスタレーション、舞台作品を手掛けるほか、音を土地や人の記憶媒体として扱いサウンドスケープを再構築するなど、音が空間の認識をどう変容させるかに焦点を当てた作品制作を行っている。また2024年は、高谷史郎(ダムタイプ)による舞台作品『Tangent』にプロジェクトメンバーとして参加した。これまで長野県立美術館、愛知県芸術劇場、NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、山口情報芸術センター [YCAM]、国際音響学会、羽田空港、日比谷公園など各所で作品を発表しており、11月10日までICCにて開催されているグループ展にも参加している。今回の個展は、新作を含むサウンドインスタレーション、サウンドピースなどで構成される予定。

同上

 音と映像の、シャワーを浴びる体験。

 特に印象に残った作品については、後日個別に記事にしていく。


ナンヅカアンダーグラウンド(D7)

 ギャラリー同士が近いこともあって、ここはバスには乗らずに徒歩で。

ロビィ・ドゥウィ・アントノ

ロビィ・ドゥウィ・アントノは1990年インドネシア生まれ、ジョグジャカルタ拠点の作家。幼少期より「描く」ことに強い関心を示した彼の非凡な才能は、家の壁に自由に落書きを許した両親の支えによって花開いた。特別な美術教育を受けずとも、見よう見まねで誰よりも上手に、美しく描く技術を手に入れたアントノは、2012年に友人が開いた展覧会の成功によってアーティストとしての才能を開花させた。これまでの作品の中には、マーク・ライデンや奈良美智といった、自身が敬愛するアーティストのスタイルからの影響を色濃く反映したものもあった。一方、これらの作品は、単色をベースにスプレーペイントを用いた独特の世界観を描き出す。子どものように見えるその肖像はアーティストのルーツを想起させ、少年とも少女とも思えるその肖像は曖昧さの持つ美学を連想させる。

同上

 目をそらせなくなってしまう、不思議で怖くてそして美しい、子どもたちのいる光景。


ブラム(D8)

 ウェブサイトに展覧会紹介が載っておらず、サプライズを楽しむつもりで訪ねてみれば、

 なんと、

 奈良美智展だった。本当にサプライズ。

 奈良美智といえば、連想で原美術館ARK。また行かねば。


森美術館(D11)

ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ

20世紀の最重要アーティストの一人、ルイーズ・ブルジョワ(1911–2010)の、国内最大規模の個展。ブルジョワは70年にわたるキャリアの中で、様々なメディアを用いて、男性と女性、受動と能動、具象と抽象、意識と無意識といった二項対立に潜む緊張関係を探求し、その比類なき造形力で作中に共存させてきた。彼女は自身が幼少期に経験した、複雑で、ときにトラウマ的な出来事の記憶や感情を普遍的なモチーフへと昇華させ、希望と恐怖、不安と安らぎ、罪悪感と償い、緊張と解放など、相反する感情や心理状態を表現する。また、こうした作品はフェミニズムの文脈でも高く評価されてきた。本展では約100作品(うち約半数は日本初公開)、3章構成でこの稀代のアーティストの全貌に迫る。逆境を生き抜いたひとりのアーティストによる生への強い意志を宿す作品群は、今日の人類が直面する苦しみを克服するヒントを与えてくれるだろう。

同上

 この展覧会にどのくらいはまり込んでいるかは、記したとおり。


問題はバスの混雑でなく道路の混雑

 ここまでは時間も順調だった。でも、DルートからEに乗り換え、さらにはBに行こうなどと考えたのが間違いだった。

 バスの本数はじゅうぶんあって、混みあって乗り切れないということはなかった(豊島などの島旅の、オーバーツーリズム状態が、ちょっとトラウマ化している)

 問題は、道路の混雑のほう。

 シャトルバス運行終了は、ギャラリーや美術館の閉館時間にあわせて、18時~18時半まで、とは、前回書いた通り。

 Eルートに乗り、しかも渋滞に嵌ったりしているうちに、だんだん日も陰ってきた。これは、戻ったほうがいい……再び六本木ヒルズへ。


スノーコンテンポラリー(D12)

 かなりの時間のロスのあと、再びDルートのバスで、西麻布交差点。

 通り沿いのシャッターはおりていて、途方に暮れかけたが、

 同じバスで来た方々と「こっちかもしれないですね」と、裏側に回って、やっと入口を発見。

デヴィッド・ステンベック

詩人、文芸評論家、編集者として活動してきたステンベックは、やがて自身が思い描く詩の世界を3Dソフトで視覚化するデジタルアートの制作を始めた。2010年代後半、Instagramの世界的普及や、3Dソフトの技術と表現力の向上などを背景に、CGI(Computer Generated Imagery)によるアートをウェブ上で発表するアーティストが登場してきた。ステンベックはその黎明期からの代表的存在である。2019年からアイコン的な作品である雲とピンクのレーザーをモチーフとした《Jesolo Cloud》や、「I MISS YOU ALL」「WISH YOU WERE HERE」といったメランコリックな詩の一文を用いた作品を制作している。現実と非現実、意識と無意識の境界が曖昧になるような彼の作品は、特に若年層から強い支持を得ている。2023年の日本初個展に続き、今回は新作を含む10点以上の作品を展示予定。

同上

 超現実?の世界に見入った。


ファーガス・マカフリー、プラダ青山(A2)

 いよいよ陽も落ち、道路も混雑気味で、Dルートのコンプリートは断念し、青山界隈から電車で帰るのが現実的になってきた。

 さらにA2(表参道駅近く)の2ギャラリーの距離も結構離れている。そこで、バスの利用はここまでで、2つのギャラリーをゆっくり鑑賞して、本日を締めくくることとした。

白髪一雄・金山明2人展|Plus/Minus
金山くんはわりと僕の言うことに耳を貸してくれて、「君は君でな、なんか冷たい抽象が好きらしいから、極端にそれやっていったらどうや」と。「僕は熱い抽象が好きやから、熱い抽象の方へ極端に行こう」って二人で約束して、「お前はこっち、わしはこっちや」というような感じでね。それで「プラス・マイナス」っていう理論を僕が勝手に作ってね。
——白髪一雄

金山明(1924-2006)の革新的なロボット絵画と白髪一雄(1924-2008)の足を使った絵画を展示し、両具体作家の生誕100周年を祝う特別展を開催する。同展では、「誰もやらないことをやれ!」という具体美術のマントラを体現した、金山と白髪の非常に独創的かつ革新的な絵画手法に焦点を当てる。

同上

 白髪作品は東京オペラシティアートギャラリーで堪能してきた。ギャラリーで間近で鑑賞できるというのも素敵な機会だ。


 表参道交差点方面に戻り、坂を下ってプラダ青山へ。

「LIZZIE FITCH / RYAN TRECARTIN: IT WAIVES BACK」展

アメリカのコラボアーティスト、リジー・フィッチとライアン・トレカーティンの日本初個展。彼らはノンリニア映像と没入型インスタレーションを融合し、サウンドも駆使した「彫刻的劇場」と称されるハイブリッドな環境へと作品化する。今回は大型インスタレーションと映画2作品、および彫刻群で構成された《It Waives Back》(2019-2024)のアジア初展示。これは2人がオハイオ州を拠点に2016年から続けるプロジェクトに属するもので、ベースとなったのはプラダ財団の委託でミラノの複数の建物にまたがり制作された大規模マルチメディアインスタレーション《Whether Line》(2019)である。同作では、彼らがオハイオに建設した巨大な流れるプールや堀、ホビーバーン(個人が趣味などのために設けた大型の建物)、高さ50フィートの森の見張り塔などからなるセットを舞台に、領土や所有権などの対立概念や、それらが自己の発達に与える影響をテーマにした表現が展開された。自分たちのプロジェクトを「時間の経過とともに成長し変化するダイナミックな環境」だという彼らの言葉通り、今回はこうしたアイデアを、ゲームの世界なども取り入れてさらに探求した成果を発表する。

同上


いよいよ最終日へ

 書き込みでいっぱいになったパンフが、宝物感を増してきた。

 明日はどんな出逢いがあるだろう?

 そんな楽しみとともに。


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