直島,盛夏01 安藤忠雄建築の美 ANDO MUSEUM【瀬戸内国際芸術祭2025】
真夏の直島、しかも芸術祭開催期間―に、足を運んできた。感想は予想通り「うん、やめておいたほうがよかったね」というものだ。

日陰のない摂氏38℃の炎天下、アート鑑賞のキャパシティを超えた展示会場、目を疑いたくなるほど、マナーの悪い鑑賞者(※海外の方でなく、日本人)等々、経験しなくていいことまで経験し、帰りのフェリーに乗るために1時間前から外で整列させられ―「わたしのような興味本位の者が行くからなお、混みあうのだ」と反省もしている。

しかし。3週間ほど過ぎて写真を見返して再確認する。夏の直島はやっぱり、夏ならではの美しさに満ちている。


それは何をおいても、余りあるものなのではないか、と。

ANDO MUSEUM
今回は、ANDO MUSEUMのことを書こうと思う。

記憶に新しい、大阪の安藤忠雄展「青春」。
直島で、おそらくもう島中を巡って、疲れ果てたらしい旅人たちが、直島伸美術館の急な階段を下りながら、こうぼやいていたのを小耳にはさんで、笑ってしまった。

「すごいのは分かった。でも、もう、安藤忠雄はおなかいっぱい!」
言いたいことはわかるけど、ここ直島では、無理な話だ。
そもそもなんで? 系の話は、旧い記事にあるので、もしよければ。
直島のANDO MUSEUMは、コンパクトだ。

開館は、2013年3月に開館。直島の安藤建築のなかでは、8番目。ご覧のとおり、長い歴史を持つ古民家をリノベーションしている。この試みは、同島の「家プロジェクト」にもつながる。


内部は安藤建築らしい打ち放しのコンクリート空間を特長としながら、

もと在った古民家への、敬意も感じる。

光の教会 に思いを馳せる
館内には、模型や写真によって、安藤建築が紹介されているわけだが、


代表作「光の教会」は、写真パネルと、

リアルな模型が展示されており、見ごたえがある。


射し込む光
ご存じのとおり、安藤建築は、極力シンプルななかに光の魅力をふんだんに活かしたものだが、

この空間そのものが、光を効果的に取り入れているため、

展示を観ていて見上げれば、射し込む光に、紹介されている建築もこんな感じなのだろうか、と想像がかきたてられる。

強い陽射しの日だからこそ
コンクリート打ち放しというのは、天候によってどれほど雰囲気が変わるかということを、直島に通うようになって知った。
曇天の日には、壁はそのまま冷たい壁となり、なにか雰囲気のある、あるいはどこかもの悲しい表情になる。
しかし、強すぎる陽射しの真夏といったら、どうだろう。


強い陽射しが、開け放たれた空間から入り込み、コンクリートを照らし、熱し、光を反射する。

その美しさ。

安藤建築×直島、について、そういえば考えたことがなかった。在るのが当たり前、の存在であったから。
でも、盛夏に、まさに飛んで火に入るごとくやってきて、気づくことができた。

夏の安藤建築は、厳しすぎる太陽の熱をそのまま受け止め、明と暗のコントラストの美として、観る者に与えてくれると。


