西粟倉村(岡山県)の小さな卵屋さんと,半径1kmのつながりの話
西粟倉(にしあわくら)村。
岡山県の北東部に位置、面積の約95%が森林に覆われた緑豊かな地域だ。

「点々Popup Store」
知社(ちしゃ)という小さな集落に、そのお店「点々(てんてん)Popup Store」はある。


昨年よりお知らせしていました私たちのお店「点々Popup Store」が4/5(土)にオープンします。
点々の平飼い有精卵をはじめオリジナルのマヨネーズや出汁醤油など全てのアイテムが購入できる自社路面店となります。
冬を越した里山で皆さまのお越しを楽しみにお待ちしています。
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日程:4/5(土)
営業時間:10:00-15:00
お支払い:キャッシュレスのみ(現金非対応)
駐車場:最大4台
住所:岡山県英田郡西粟倉村知社197-1
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開店日に、訪ねることができた。

「半径1kmの風景をつくる」
店内。


設計・デザインは、岡山県西粟倉村を拠点とするブランディングデザインファームのnottuoが、
店舗内の黒皮鉄を使用した什器は、地元の金工職人であるfeuerwork(フォイヤワーク)が制作。


1つひとつにストーリーを持った商品がオブジェのように陳列されるなか、ここがそもそも何屋さんなのかといえば、
これもまた、アート作品のような、美しい鶏卵たちだ。

「Popup Store」からわかるように、オンラインからはじめ、実店舗オープンに至った。

「点々」のしていること
岡山県の北東端、
西粟倉村・知社集落は
約二十世帯が穏やかに暮らす、
小さな谷あいの集落
静かに耳を澄ませば
杉の囁きが届き
葉を揺らす光と
足元に流れる水を辿れば
連綿と受け継がれてきた
暮らしの記憶がそこに佇む
半径1kmの小さな世界に、
日々の営みが息づく
どこにでもあるようで、
ここにしかない
暮らしの姿を
受け継ぎ、伝える
養鶏から始まる
地域の資源循環と
風景づくり
地域の米や野菜などを直配合した発酵飼料で鶏を育て、鶏糞を肥料に新たな農作物を育てることで養鶏から資源循環と風景づくりに取り組んでいます。
同ウェブサイトに記されている、事業は大きく3つ。
平飼い
養鶏
Poultry farming
地域で利用できていなかった未利用資源を主原料に、独自に発酵させた自家配合飼料で鶏を平飼いしています。鶏たちは豊富な栄養を摂取し健康的に育つことで、品質の高い卵を産んでくれています。
里山と共生する
狩猟
Sustainable hunting
里山の生態系を守りながら、適切な個体数調整のために狩猟を行っています。捕獲した野生動物は地域資源として大切に活用され、肉や加工品として食卓に並びます。こうした取り組みを通じて、生態系のバランスを保ちつつ、里山の美しい景観を未来に繋げています。
循環型
小規模農業
Circular agriculture
平飼い養鶏で排出される鶏糞を有機肥料として農地に還元し、土壌を豊かにして新たな農作物を栽培する循環型小規模農業を推進しています。この取り組みを通じて地域資源の循環を促進し、持続可能な農業の実現と豊かな景観づくりを目指しています。

山間の養鶏場へ
「養鶏場を見てみますか?」店舗にいらした羽田さんに声をかけていただき、期せずして、養鶏場を見学できることとなった。
田植え以降は美しい田毎の月が鑑賞できそうな風景を眺めながら、

気持ちよくまっすぐな杉の林を眺めつつ、

裏山に位置する、養鶏場へ。

わたしの少ない経験では、養鶏場の近くは、特徴あるにおいでわかる気がしていたのだけど、それが全く感じられない。


さきほどの「地域で利用できていなかった未利用資源を主原料に、独自に発酵させた自家配合飼料で鶏を平飼いしています」という説明に、ヒントがありそうだ。

こうやって、餌をついばんでいる姿は、養鶏場そのものだけど、

彼らは広い鶏舎を、自由に駆け回る。


とても細かいヒエラルキーがあるといった、鶏の世界の話も聞いた。

ミツマタの花を愛でて寄り道
戻る途中、森の中に黄色い花が群生しているのに足をとめた。


高級和紙の原料、ミツマタ(三椏)。繊維が長く、柔軟で耐久性に優れ、和紙にすれば独特の光沢によって上品な風合いを表現できるという。

原産はヒマラヤ。日本では中国中西部から南部でみられ、岡山県北部山中の斜面や徳島県などで栽培されてもいるという。まさに。
美しい鶏卵をおみやげに
お店に戻って、友人とショッピングを楽しんだ。
生卵……「日持ちはしますか?」という問いに、「卵は、古くは保存食なんですよ」との回答。
4月5日の購入分の賞味期限は4月25日。何日か後、直島のコンドミニアムに滞在予定だったので、卵と出汁醤油を購入してみた。

後日の写真。

持参したのがアルファ米だったので、TKG(卵かけごはん)でなく、雑炊にしてみた。
殻がとてもしっかりしていて、ひと玉が大きい。味も濃くて、出汁醤油とよく合う。


地域資源の活用と、つながり
岡山県西粟倉村の魅力は、この動画からとてもよく伝わってくる。
「百年の森林構想」を掲げ、青木村長が過疎への危機感とともにリーダーシップを発揮して、地域資源を活用した取り組みを行っている。
例えば、地域の森林資源の活用から地域経済の活性化と雇用を創出、そして移住者を積極的に受け入れて起業支援や住居提供などをサポートし、コミュニティの活性化を図る。訪れる人に対しては、自然環境を活かした観光プログラムを提供する。


実は、わたしがここを知ったのも「つながり」の一端だ。
友人の厚意で、彼女の愛する軒下図書館というB&Bにわたしも滞在できることになり、この地域のことをはじめて知った。さきほどの動画をシェアしてもらい、すっかりファンになった。


そして実際に訪ねてみれば、地域の興味深い場所の一つとして「点々Popup Store」を紹介いただいた。さらに、同B&Bのアクティビティのなかで、移住者の方との交流を持った。
軒下図書館については、後日書いてみようと思う。
「点」から「網」へ
里山の自然資源を活かした循環型の農業・養鶏・狩猟。
「点々」ウェブサイトの、この文言がいいな、と思った。
私たちが取り組む「点々」はこの土地で完結するものではなく一つの点にすぎないと考えています。私たちのこの一つの点がきっかけに誰かが新たな点を打つ連鎖が生まれ点と点が結ばれ線となり、やがて世界中に広がる網目となり、この世界を次の世代へ受け継ぐ社会となることを願っています。
点が線になる、のではなく「網目」なのだと。

それは果てしなく広がり、網目を辿って行きつ戻りつしながら、線たちはより強靭になっていくのだろう。

