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半分、過ぎて|風まかせ文芸部

僕は隣の彼女をちらちらと盗み見る。
スクリーンを見ている彼女の横顔が、時々光って見える。

映画館に入る前に僕は決めていた。
彼女の手を握ろうと。
今日中に告白しようと。

暗くなったら。
予告が終わったら。
本編が始まったら。
そう思っていたのに…。
僕はまだ行動に移せない。

肘掛けの上に、彼女の手。
上映時間の半分、過ぎて。
僕の手との間にある果てしのない十センチ。

スクリーン上の主人公は、思いのたけを相手にぶつけている。
いいなあ。 現実は物語のようにはうまくいかない。
いや、僕が意気地がないだけか。

自己嫌悪に陥りながら、僕は残り時間を、
頭の隅で数えている。
あと四十分。
あと三十分。

エンドロールが流れ始めた。
結局、手を握れなかった。

僕をあざ笑うかのように、
スクリーンに流れる"to be continued"の文字。

立ち上がりかけた僕の手を、
彼女が優しく引き戻して囁くように言った。
「ねぇ、続編、気にならない?」





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