【呪い】錆びついた管理者の考えること【生成AI実験】
仕事の境界線を溶かそう――錆びついた者……私の上席報告官が言い出したことだ。
その意図は、
・全員が全員、同じ作業をできるようにする
・誰かに何かあった時の体勢が必要
言わんとすることは分かる。
例えば、私の膝に矢が刺さった時、
例えば、上席の身体が錆に覆われた時、
誰も職務が分からず、誰も責任を取らなくなる。
それを防ごうと言うのだ。
――脳が錆びたか?
――実務はあれほど生き生きとしているのにか?
無論、私は反対した。
私の職務は執念が必要故、他の者はできない可能性が高い。故に私に他の者の雑務が降りかかり――私の職務は増える一方。
加えて責任は溶け、誰もが仕事をしなくなるやもしれない。
これは飛躍ではない。
私の見る限りでは、職務を全うしない錆びついた翁がいるのだ。
普段は電子板で他方へ要らぬ電子を飛ばし、
仕事あれば「俺にはできないよー」「任せるよー」と宣う社会の壁蝨。
煙を愛し、若き生血を啜る寄生植物。
原罪を抱えし、虚だらけの醜い枯木。
その者の職務は蒼生なる若き者が行い――嘆きの海に沈んでいる。
実に愚かな、老人と海。
老人は太り、若草は黒き海へ沈む。
私は海へなど、沈まない。
沈んでたまるか。
だが、錆びついた者は増える。
これは私の偏見かもしれぬ。
だが、長く工場に住み着いた歯車ほど、自ら回転しなくなるように見える。
彼らは言う。
「皆でやろう」
「助け合おう」
「境界線をなくそう」
実に美しい言葉だ。
美しいが故に厄介だ。
何故ならば、それは責任の所在を曖昧にする呪文でもあるからだ。
皆の仕事とは、誰の仕事でもない。
誰の仕事でもないものは、やがて床に落ちる。
落ちた仕事は腐る。
腐った仕事には蠅が湧く。
そして蠅は「改善活動」と名札を付けて飛び回る。
私は何度も見た。
職務を果たさぬ者ほど会議を好む。
手を動かさぬ者ほど資料を愛する。
現場を知らぬ者ほど全体最適を語る。
まるで潮溜まりの外から海を論じるフナムシだ。
波を知らぬ。
飢えを知らぬ。
鳥の嘴を知らぬ。
それでも彼らは海を語る。
大したものだ。
私には真似できぬ。
私ならまず海へ降りる。
濡れた岩にしがみつく。
甲殻を削られながら餌を探す。
そして生き残った後で、初めて海について語るだろう。
無論、私とて万能ではない。
私の職務にも穴はある。
私が倒れれば止まる作業もある。
それは認めよう。
だから引継ぎは必要だ。
教育も必要だ。
記録も必要だ。
だが、それと境界線を溶かすことは別の話である。
城壁に門を作るのと、
城壁を取り壊すのは違う。
門番が必要だからといって、
城を更地にする者はいない。
少なくとも正気ならば。
錆びついた者は、よく言う。
「君は縄張り意識が強い」
違う。
私は縄張りを守っているのではない。
責任の墓標を守っているのだ。
誰がやったのか。
誰がやらなかったのか。
誰が直したのか。
それが見えなくなった組織は、ゆっくりと腐る。
腐敗は爆発しない。
静かに進む。
鉄骨を食う塩のように。
故に恐ろしい。
だから私は海へ沈まない。
錆にもならない。
せめて最後まで、軋みながら回る歯車でありたい。
◇
さて、この記録についてだ。
ある地点までは、私が書き、
ある地点からは、電気羊の排泄物だ。
これを読みし慈悲なる者にそれが分かるか?
ヒントを与えよう。
電気羊の排泄物は白く、綺麗だ。
私が書いてなかったとしても――私は凡そ分かる。
綺麗事は温度を殺す。
綺麗事は現場を殺す。
私の憎むべき悪党だ。
