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AIと熱狂のあいだで、距離を測り続けてきたADHD投資家の話

最近は、どこを見ても「AI」という言葉ばかりだ。
ラジオ、ニュース、決算説明、投資家向け資料――
気づけば、AIという二文字を聞かない日はない。

けれど私は、この熱気にどっぷり浸かることができない。
興味がないわけではない。むしろ逆だ。
子どもの頃から、
「こういう世界が来るはずだ」と思い描いてきた側の人間だからこそ、
今の盛り上がりを、少し引いた距離から見てしまう。

ADHD気質の私は、
新しいものに惹かれやすく、同時に、熱狂に疲れやすい。
だからこそ身についたのが、
流行から半歩離れて観察するという癖だった。

AIは、本当に社会を変えるのか。
それとも、言葉だけが先に走っているのか。
投資家として、生活者として、
そしてADHD当事者として、
今のAIブームをどう見ているのか――
今日はその話を書いてみたい。

AIという言葉が、一人歩きする時代

ラジオ日経を聞いていると、
いったい一日に何回「AI」という言葉を耳にしているのだろう、と思うことがあります。

企業分析でも、相場解説でも、決算コメントでも、とにかくAI。
少し前まではDX、今はAI。言葉だけを見ると、時代がどんどん進んでいるようにも見えます。

ふと、こんなことを考えてしまいます。
AIと言っている人は、AIが何の略か、ちゃんと知っているのだろうか、と。

「AI=人工知能」という理解は、もう一般的でしょう。
でも、AIが Artificial Intelligence の略だと知っている人は、
案外少ないかもしれません。

さらに言えば、Artificial の意味まで意識している人となると、
もっと減る気がします。
「賢そう」「最先端」「なんとなく良さそう」
そんなイメージが先行している言葉にも見えます。

そして、このAIブームも、実は初めてではありません。
第何次AIブーム、と後から名付けられる波は、これまで何度もありました。


ADHD気質と、熱狂との距離感

私はADHD(発達障害)な気質があります。

ADHDは、新しいものに弱い。
流行や刺激に、どうしても反応してしまう。
気になるし、追いかけたくもなる。

一方で、
熱狂の真ん中にいると、急に疲れてしまう。
盛り上がりが最高潮になる頃に、
ふっと冷めてしまうこともあります。

だからでしょうか。
気がつくと私は、
「少し距離を取って眺める」
という姿勢が、自然と身についていました。

ネットは怖い、SNSは危険だ、
そんな単純な話ではありません。
飲み込まれないための距離感。
この感覚は、仕事でも投資でも、あとから効いてきました。


未来の話は、ずっと語られてきた

私が子どもの頃、
周囲に「AIブームが来るぞ」などと言っている人は、ほとんどいませんでした。

ただし、未来の話そのものがなかったわけではありません。

コンピュータが社会を変える。
人工知能が人間の仕事を助ける。
そんな話は、ぼんやりと、でも確かに存在していました。

車は空を飛び、
パーソナルモビリティが普及する。
コピーロボットやデジタルツインのような概念も語られていました。

さらに言えば、
電力は蓄電池やEVに蓄えられ、
エネルギーの流れは可視化される。
どこで、どれだけ使われているかが見える世界。

農業はデータとバイオ技術で効率化され、
食料生産も最適化される。
医療の分野では、再生医療のような話も、
まだSFに近い形で語られていました。

今思えば、
次元の違う話が混ざり合った、
「何かすごい世界が来るらしい」という空気感だけは、
確かにあったのだと思います。


技術はあった。でも、生活にはなかった

振り返ってみると、
あの頃も技術そのものは、確かに存在していました。

ただ、それは
「生活の中に自然に溶け込んだ技術」
ではありませんでした。

技術は存在していた。
でも、日常には降りてきていなかった。

今のAIブームを見ていると、
当時のこの感覚を、少し思い出します。


データが価値を持つということ

Web2.0の時代になると、
「集合知」や「データが価値になる」という言葉が広まりました。

これは、かなり本質的な話だったと思います。

スポーツの世界を見れば、分かりやすい。

野球で言えば、
ヤクルトの古田選手や、野村監督のID野球。
配球、癖、カウントごとの傾向。
経験や勘だけでなく、
データをもとに考えるという姿勢が、はっきり表に出てきました。

その後、時代はさらに進み、
今では野球に限らず、
サッカー、バスケットボール、バレーボール、
あらゆる競技がデータだらけです。

アスリートのトレーニング方法。
コンディション管理。
睡眠、栄養、食事内容。
すべてが数値化され、分析され、最適化されていく。


価値のあるものは、精密に値付けされる

こうしたデータ化と分析が進むにつれて、
「価値のあるものの価格」が、どんどん精密になってきました。

スポーツ観戦のチケット。
注目度の高い試合ほど、観戦料金は高くなる。

航空運賃も、ホテル代も同じです。
泊まりたいときは高い。
移動したいときは高い。

昔からそうだったとはいえ、
最近は、その価格調整が
ものすごく細かく、正確になってきていると思いませんか?

需要と供給。
データと分析。
それに基づく価格設定。

これは、
スポーツや旅行だけの話ではありません。


AIと仕事、AIと投資

自動車の世界では、
データに基づく分析から、電子制御、知能化、そして自動運転へと進んでいます。

自動運転では、
「頭のいいAI」と「頭の悪いAI」が競争します。
安全性、スムーズさ、乗り心地。
結果として、選ばれるものが決まっていく。

仕事の世界でも、
「これはAIがやった方がいいな」と感じる場面は増えています。

投資も同じです。
AI投資は、膨大な経済指標をもとに、
AIが投資先を分析し、効率的に運用する。

当然、
頭のいいAIと、そうでないAIがいます。
そして結果は、静かに差として積み上がっていきます。


お金と価値の感覚が変わり始めている

1円=1ポイント、
という感覚も、かなり定着してきました。

1000円をもらうのと、
PayPayで使える1000ポイントをもらう。
同じように感じる人もいるでしょう。

では、
会社からの給料がポイントで支払われたらどうでしょうか。
割増されるなら、受け取る人もいるかもしれません。

外貨でもらう。
自動的に利回りの良い商品に振り分けられる。
会社が正当な対価として支払う。

そんな世界も、
もう完全な空想ではなくなってきました。


距離を取りながら、見続ける

私は、AIを盲信しているわけではありません。
同時に、否定しているわけでもありません。

ただ、
言葉の熱狂には近づきすぎない。
少し距離を取りながら、
「生活に降りてきたかどうか」を見る。

ADHD気質の私は、
流行に反応しつつ、
いつも半歩引いた場所から眺めてきました。

AIが社会をどう変えるのかは、まだ分かりません。
でも、
価値のあるものに、
少しずつ適正な価格がついていく流れは、
もう始まっている。

私はこれからも、
投資家として、そして距離を取る観察者として、
この変化を静かに見ていこうと思っています。


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ちわこ@ADHDの投資家(気持ちはFIRE) ADHD気質で投資に疲れていた私が、長期・分散投資で落ち着いて続けられるようになった記録です。共感いただけたら、チップで応援してもらえると嬉しいです。