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実録、最強AIは「人間が判断しやすい環境づくり」に全振りしてみた

Fable 5が、また戻ってきた。

前に課金した直後に止められて、次に復活したときは「最上位AIを毎日ムダ撃ちしない」という話を書いた。今回はその続きだ。せっかく最強の道具が手元にあるなら、何か派手なものを作りたくなる。新しいツール、新しい自動化、新しいネタ。

でも今回、俺がFableにやらせたのは、

新機能は1個も作らず、最強AIを「俺(人間)が判断しやすい環境づくり」に全振りした。

スタンプ生成パイプラインの管理や
動画のタイトル案と内容確認、AIへの修正依頼
ネタ候補やnoteや動画候補の自動通知の充実など

早い話、俺がボタン1つで即決できるアプリ(運用ダッシュボード)を、AIに作らせた。誰が何をやるかを決める。同じことを二度聞かれない仕組みにする。散らかった作業場を1枚にまとめる。次の戦場の地図を引く。全部、「あとで俺が迷わず判断できる」ための地ならし。

それでも、この3日で一番効いたのはこれだった。理由も含めて、実物のログで残しておく。

📋 この記事でわかること


  • ✅ 最上位AIを「人間が判断しやすい環境づくり」に全振りすると、副業の運用がどう回り出すのか

  • ✅ AIに仕事を任せるほど散らかる理由と、その片づけ方(実在の運用盤つき)

  • ✅ 「二度同じことをAIに聞かれない」ための、たった1行のルール化

  • ✅ AIに作らせた物をAIに採点させたら何点だったか(57→75、残り15点の正体)

  • ✅ AIに任せても地雷は残る、という泥臭い事故ログ(画面が真っ白になった話)

  • ✅ 次の戦場(動画2チャンネル)の設計書を、道具が強いうちに引いておく意味

図1:最強AIを"新機能"ではなく"人間が判断しやすい環境づくり"の4方向に全振りした全体図

🤔 なぜ「判断しやすい環境づくり」に全振りしたのか

図2:AIが作るほど人間の判断が渋滞するボトルネック図

正直に書くと、これは俺の「人間のバグ」への対処だ。

強い道具を手にすると、人は新しいことをやりたくなる。最上位AIが使えるとなったら、つい「じゃあ新しい自動化を作ろう」「新しいネタを仕込もう」と手が動く。でも、しばらくAIに副業まわりを任せてきて、はっきり分かったことがある。

AIに仕事を任せれば任せるほど、成果物は増える。そして、散らかる。

動画の下書き、サムネ候補、タイトル案、note下書き、LINEスタンプの提出待ち。AIは平気で山ほど積んでくる。積むのは速い。でも、それを「見て・選んで・OKを出す」のは人間だ。気づいたら、AIの生産スピードに人間の判断が追いつかず、俺自身が渋滞の原因になっていた。

道具が強くなるほど、ボトルネックは道具じゃなくて自分に移る。

だから今回は、新しく積むのを一回止めた。代わりに、俺(人間)が判断しやすい環境づくりに、最強AIの時間を全部振った。狙いはただ一つ、「あとで俺が迷う回数を減らす」こと。判断を軽くする4手だ。

  • 誰が何をやるかを決める(=そもそも俺が判断する範囲を絞る)

  • 二度同じことを聞かれない仕組みにする(=一度決めた判断を繰り返させない)

  • 散らかった作業場を1枚の盤にまとめる(=判断をボタン1つにする)

  • 次の戦場の設計書を引く(=次に来る判断の下地を先に作る)

順番に見せていく。

🧭 やらせたこと①:誰が何をやるかを、線で引いた

まず、AIエージェントの役割を紙に落とした。

うちは今、1体のAIに全部やらせていない。作業ごとに担当を分けている。例えば動画プロジェクトでは、契約書(AGENTS.md)にこう書いてある。

  • Codex(GPT側) = サムネ制作と、YouTube投稿だけ

  • Claude Code = 動画パイプライン本体(台本生成・データ取得・音声合成)

  • 人間(俺) = 公開ボタンを押す係。ここだけは絶対にAIに渡さない

しかも、ただ役割を書くだけじゃなく「越境の禁止」まで書いた。担当外の仕事を頼まれても、そのAIは本体を勝手にいじらず「それはClaude側の担当です」と言って止まる。秘密ファイルの中身は表示しない。免責文は消さない。公開設定は必ず非公開から始める。

図3:AIごとに担当レーンを分けた役割表(Codex=サムネ+投稿/Claude=本体/人間=公開)

地味な作業だ。でもこれをやると、AIセッションを立ち上げた瞬間、そのAIが「自分は何をする係で、何をしちゃいけないか」を最初のファイルを読むだけで把握する。毎回ゼロから説明しなくていい。事故(勝手に本体を書き換える、間違ったチャンネルに出す)も、ルールで先に止まる。

AIを何体も雇う時代の一歩目は、賢いプロンプトじゃなくて、就業規則だった。

🧷 やらせたこと②:二度同じことを聞かれない仕組みにした

次にやったのが、これが一番効いたかもしれない。

AIに仕事を任せていると、判断を求められる場面が山ほど出る。「このサムネでいい?」「これ差し戻す?」「この動画のdry-run結果、確認する?」。一つ一つは小さい。でも同じ種類の判断を毎回聞かれると、それだけで消耗する。

そこで、policies.md(政策ファイル)というものを作らせた。ルールはシンプルだ。

同じ種類の判断を人間に2回させたら、3回目の前に、ここへ1行ルールを足す。

そしてAIは、人間に質問を投げる前に必ずこのファイルを読む。ルールで自動判断できるものは、もう聞かない。例えば実際に昇格した1行はこうだ。

  • 「動画のdry-run結果の確認は、AI側で完結してよい。人間に見せるのは実映像だけ」

  • 「QCの差し戻しはコードで返ってくる。コード別の標準対処は聞き直さず即実行」

一回決めたことは、二度聞かせない。判断を「その場のやりとり」から「積み上がる資産」に変える。これをやってから、AIとの往復から「またこれ聞くの?」が目に見えて減った。

図4:同じ判断を2回されたら1行ルールに昇格させる「政策昇格」の流れ

ついでに、依頼の出し方にも受理基準を付けた。AIが人間に何か聞くときは、中学生でも40字以内で分かる1行を必ず添える。パスやコードを本文に貼らない。選択肢は3つまで、それぞれに「選んだらAIが次に何をするか」と推奨と期限を付ける。要するに、AIに「雑に聞くな」というルールを課した。

🖥️ やらせたこと③:散らかった作業場を、1枚の盤にまとめた

ここが今回の主役だ。運用ダッシュボードを作らせた。

とはいえ、キラキラのWebアプリじゃない。中身はPython 1ファイル、約4700行、標準ライブラリだけ。データベースも使わない。正本は全部ただのファイル(タスクはqueue.yaml、判断の台帳はevents.jsonl)。それをMacの中で常駐させて、ブラウザで開くと運用状況が1枚に出る。俺は1行も書いていない。全部AIに書かせた。

ただの表示盤じゃないのがポイントで、これは**「AIと人間のハンドオフ盤」**として動く。流れはこうだ。

  1. AIが「これ見て」「これ決めて」を盤に積む

  2. 人間(俺)が、OK/差し戻し/選択/採用のボタンで裁く

  3. 判断は全部、追記専用の台帳に記録される

  4. 「AIに戻す」判断は、自動でAIの次の一手キューに積まれる

  5. 拾い係が15分ごとに見張って、Discordに通知する

  6. 次のAIセッションが、そのキューを読んで続きをやる

図5:AIが積む→人間が裁く→台帳に記録→AIに返る、を1周させるハンドオフ盤

つまり、人間の仕事を「作る」から「裁く」に寄せた。AIが下ごしらえを全部やって、俺は判定だけ入れる。判定した瞬間、その結果が次のAIの仕事を確定させる。渋滞の原因だった「人間の判断」を、ボタン数回で回せる形に押し込んだ。要するに、これが今回の主役——俺が判断しやすいアプリだ。

面白かったのが、この盤を別のAIに採点させたことだ。辛口レビュー役のAIに「この運用盤、何点?」とやらせたら、最初は57点。指摘(セキュリティの穴、壊れたデータで画面全部が落ちる、失敗を握りつぶしている等)を直して、75点まで上げた。

で、残り15点はどうやったら埋まるのか聞いたら、答えがよかった。

「その15点は、もう実装では埋まらない。実際に毎日使って、本物の往復ログが貯まったときに埋まる」

作って満足する、が俺の一番のバグだ。ダッシュボードもツールも、作った瞬間が一番テンションが高くて、そのまま使わずに放置しがちだ。AIに採点させて突きつけられたのは、最後の点数は「作る」ではなく「使う」でしか取れないという当たり前だった。これは刺さった。

⚠️ 途中で、画面が真っ白になった

きれいな話だけ書くとウソになるので、ハマった事故も残す。

ある時、ダッシュボードを開いたら画面が真っ白になった。エラーも出ない。ただ白い。

犯人は、AIが再起動用に打った1行のコマンドだった。launchctl kickstart -kという、サービスを再起動するコマンド。これがmacOSの「フルディスクアクセス」の権限の紐づけを壊して、盤がデータファイルを読めなくなっていた(EPERM=権限拒否)。だから中身が空っぽの真っ白になる。

図6:AIが打った再起動コマンドが権限を壊し、盤が真っ白になった事故の断面

原因を掘り当てて、再起動のやり方を安全な形(bootoutしてからbootstrapする)に全部差し替えた。ドキュメントもメモも、同じ危ないコマンドが残っていた箇所を全部掃討した。

言いたいのはこれだ。AIに任せても、地雷は残る。 しかもこの手の地雷は、コードのバグじゃなくて、OSの権限とか常駐の仕組みとか、AIが一番踏みやすい「環境の暗がり」に埋まっている。だから最後は人間が、真っ白になった画面の前で原因を掘る。任せることと、丸投げすることは違う。

ちなみに、AIが2セッション同時にこの1ファイルを編集して、片方の作業がまるっと消える事故も起きた。単一ファイルは身軽だけど、後勝ちで上書きされる。ここも「触る前に宣言する」ルールで塞いだ。地味な運用ルールほど、事故ってから生えてくる。

🎬 やらせたこと④:次の戦場の設計書を、道具が強いうちに引いた

最後は、次に本腰を入れる戦場=動画の設計書を引かせた。

道具(最上位AI)が強いうちに、重い設計を先に済ませておく発想だ。うちの動画は今、2チャンネルで回そうとしている。

  • AIニュース系(「バズんだニュース」)── 例:AppleやOpenAIまわりの旬のAIニュース、GPT系とClaude系の比較、みたいな話題を解説ショート/横動画に

  • シニア向けお金系(金融)── 例:高額療養費の見直しのような、生活に直結する制度ネタ

そして、ただ作るだけにしない仕組みも設計書に入れた。台本は自動で品質ゲートを通す(実際に95/100点・92.3/100点で合格したものだけ先に進む)。音声はVOICEVOX、動画はテンプレ化、サムネは型を5種類カタログ化してA/B/Cで散らす。投稿スケジュールと、公開前チェックリストと、週次のPDCAレポートまで、先に骨を組んだ。

図7:次の戦場=動画2チャンネルの設計書(ネタ→台本ゲート→音声→サムネ型→投稿→週次PDCA)

ここで③のダッシュボードが効いてくる。動画の「サムネどれにする?」「この台本のこのパート、人間の意見メモ入れて」「予約公開これでいい?」が、全部あのハンドオフ盤に流れ込む。設計書(何を作るか)と、運用盤(どう捌くか)が噛み合って、はじめて動画が回り始める。

新しいネタを1本作るより、この「回る土台」を先に整地しておくほうが、最上位AIの使いどころとしては正しかった。派手さはゼロだけど。

🌟 まとめ:判断しやすい環境は、道具が強い日に作る

図8:強いAIの日に作るべきものは新機能ではなく判断しやすい環境

現在地を再宣言しておく。

この3日、俺はFable 5に新機能を1個も作らせなかった。代わりに、①エージェントの役割を線で引き、②二度同じことを聞かれない仕組みにし、③散らかった作業場を1枚の盤にまとめ、④次の戦場の設計書を引いた。全部、「俺が判断しやすい環境づくり」への全振りだ。整地、と言ってもいい。

そして、まだ終わっていない。ダッシュボードの残り15点は、これから毎日使って本物の往復ログを貯めないと埋まらない。動画も、設計書は引いたが、実際に回して数字を見るのはこれからだ。作った物を使い倒すフェーズが、次の課題として残っている。

強い道具が手に入った日ほど、新しい物を作りたくなるが本当に効くのは、たいてい「自分が判断しやすい環境」を先に作っておくことだ。 役割を決める、二度手間を仕組みで消す、判断をボタン1つにまとめる。地味だけど、これをやっておくと、あとで積む物が全部速くなる。AIの生産スピードに、自分の判断が初めて追いつく。

あなたは、一番いい道具が手に入ったとき、新しい物を作りますか?是非教えてください。


この記事が「AIの使いどころ、ちょっと考え方変わったかも」と思えたら、スキ🌟を押してもらえると続きを書く励みになります。

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