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採用は「将来価値を生む」という投資仮説である

最近、「採用が難しい」という話を本当によく聞く。

人が集まらない。
内定辞退が多い。
採用コストが上がっている。
優秀な人材が採れない。

もちろん、どれも重要な問題である。

ただ、少し気になることがある。

採用とは、単に人を入れる作業なのだろうか。

採用活動では、どうしても数字が見られやすい。

何人採れたか。
採用単価はいくらか。
内定承諾率はどうか。
どれくらい早く充足できたか。

これらは大事である。

しかし、本当に重要なのは、その後ではないだろうか。

入社した人は、実際に活躍したのか。
成長したのか。
周囲と良い関係を作れたのか。
チームに良い影響を与えたのか。

そして数年後に、

「あの採用は正解だった」

と言えたのか。

ここまで戻って初めて、採用は学習する。

つまり採用は、入口管理ではない。

将来価値を生むという投資仮説である。

採用時点で、会社は一つの仮説を立てている。

この人は、将来価値を生む。
この人は、組織に貢献する。
この人は、成長する。
この人は、この会社の文化に合う。

しかし、その仮説が正しかったかどうかを、入社後に検証している会社はどれくらいあるだろうか。

ここが重要である。

最近はAIによって、就活や採用の見え方も変わってきた。

ESも整えられる。
自己PRも作れる。
志望動機も作れる。
面接練習もできる。
企業研究も短時間でできる。

正直、自分が学生だった頃より、みんなかなり優秀そうに見える。

文章は整っている。
受け答えもきれい。
自己分析も深そうに見える。
志望動機もそれらしい。

だからこそ、これからの採用では、表層の完成度だけでは見抜きにくくなる。

きれいに話せる人かどうか。

それだけでは足りない。

実際に動けるか。
学び続けられるか。
周囲と協力できるか。
失敗しても修正できるか。
自分の言葉で経験を説明できるか。

ここを見なければならない。

採用の責任回路で見ると、こうなる。

意思決定は、誰を採るかである。

実行は、採用活動そのものである。

検証は、入社後にその人が価値を生んだかを見ることである。

修正は、その結果を次の採用基準に戻すことである。

この回路がないと、採用は学習しない

毎年、同じように採る。
同じようにミスマッチが起きる。
同じように早期離職が出る。
それでも、「最近の若者は」と言って終わる。

これは少し危うい。

もう一つ、採用で見落とされがちなことがある。

会社は、どんな人を採るかによって、どんな文化を増やすかを決めている。

長時間労働に耐える人を「優秀」と見るなら、その文化は次の世代にも再生産される。

自己犠牲できる人を「責任感がある」と見るなら、その価値観が組織に残る。

上に逆らわない人を「扱いやすい」と見るなら、異論の出にくい組織が育つ。

採用とは、単に人を補充することではない。

未来の組織文化を選ぶことである。

一言で言えば、

採用の本質は、人を入れることではなく、将来価値を生むという仮説を入社後に検証し続けることである。

AI時代には、採用の表層はますます整う。

だからこそ、採用側に必要なのは、より深い検証である。

きれいな答えではなく、経験を見る。

模範解答ではなく、判断の痕跡を見る。

入社時点の印象ではなく、入社後の価値創出を見る。

あなたの組織はどちらだろうか。

採用後の活躍・成長・定着を検証し、次の採用基準へ戻している組織

採用人数内定承諾率は見ているが、入社後の価値創出までは学習できていない組織

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