リウ・ソーマに想う:全てを失った場所からの、再出発
夢想の旅
『銀河英雄伝説』から始まり、宇宙世紀、そしてアストラギウス銀河へ。悲しみの影を背負う男たちへの想いを巡る、私の長い夜の旅も、今夜は2026年初となります。
その終着点は、21世紀の地球、エイリアンと人類の、あまりにも痛ましいファーストコンタクトの物語、『アルジェントソーマ』です。 そこに生きる男の名は、リウ・ソーマ。彼の魂の叫びは、これまで語ってきた誰よりも、直接的に、私の胸を抉るのです。
全てを失った場所からの、再出発
彼の物語は、輝かしい未来の約束が、一瞬にして地獄へと変わる、その瞬間から始まります。 愛する女性、マキ・アガタと共に、宇宙開発の夢を追いかけていた青年、タクト・カネシロ。
しかし、エイリアンの襲来によって、彼はマキと、自身の未来の全てを失います。そして、軍の施設で目覚めた彼は、復讐の化身「リウ・ソーマ」として、生まれ変わることを強いられる。
彼の人生は、愛と希望に満ちた過去との、完全な断絶から始まるのです。
悲しみという名の、唯一の道標
キリコ・キュービィーが「死なない」という運命を背負わされたように、リウ・ソーマは「生き残ってしまった」という罪悪感を背負わされます。
彼の戦う理由は、ただ一つ。愛する女性を殺し、自らの人生を破壊した、謎のエイリアンへの復讐。その、あまりにも個人的で、暗い情念だけが、彼を生かし続ける、唯一の道標でした。
彼は、内に向かって思考する、というレベルではありません。
彼の内面は、喪失と憎悪によって、完全に焼き尽くされている。その空っぽの心で、彼はただ、戦い続けるしかなかったのです。
繋がる宇宙、そして自己分析
この一連の「〇〇に想う」シリーズを振り返ると、私がなぜ、彼らのような人物に惹かれるのか、その理由が見えてきた気がします。
キルヒアイス、シャア、キリコ、そしてリウ・ソーマ。
彼らは皆、自らの意志とは無関係に、巨大な運命の渦に巻き込まれ、愛するものを失い、それでも、何かを求めて戦い続けた、孤独な魂です。 彼らが背負う「悲しみ」は、決して単なる感傷ではありません。
それは、理不尽な世界と対峙し、それでもなお、人間としての尊厳を失わずにいようとする、魂の抵抗の証なのです。
これからのこと
どうやら、完成された英雄の輝かしい功績よりも、傷つき、悩み、それでも前に進もうとする、不完全な人間の、その魂の軌跡に、強く同調してしまうようです。
リウ・ソーマの物語は、その中でも、最も痛ましく、最も純粋な形で、その悲劇性を描き出しています。
しかし、彼の物語の最後には、一条の光が差し込む。
その救いこそが、私が彼らの物語に、惹きつけられてやまない、本当の理由なのかもしれません。

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