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バレンタインに届いた、あの日の本命チョコと、未だ胸に残る温もり。

今日はバレンタインデー。街中がチョコレートの甘い香りで溢れてるね。コンビニに並んだ義理チョコの箱を見かける度に、妙に懐かしい気持ちになる。

小学校5年生の時に、本命チョコをもらったことがある。

父さんの仕事の都合で、小学5年生の春に引っ越しをした。
転校先は全く知らない土地、知らない学校。
男子はみんなかっこよく見えて、女子はみんな可愛く見えて、とにかく緊張した。
誰ともまともに話せないまま、毎日を過ごしていたのを覚えているよ。
名前もろくに呼べないなんて、今考えたら恥ずかしい話だけど。

そんな中、ある日、バレンタインデーに、彼女からチョコレートをもらった。

今となっては、その子の顔も、名前も、はっきりとは覚えていない。
でも、彼女がくれたチョコレートの包み紙の色とか、あの時のドキドキした気持ちとか、不思議なことに鮮明に覚えている。

他の誰からももらってなかったわけじゃない。
友達からも、いくつかチョコをもらった記憶はある。
でも、彼女がくれたチョコレートは、明らかに違った。

あのチョコレートには、手作りのクッキーと、小さな手紙が添えられていたんだ。

手紙には、拙い字で「〇〇(彼女の名前)より」って書いてあったと思う。
内容はほとんど覚えてないけど、多分「仲良くしてくれてありがとう」とかそんな感じだったんじゃないかな。

今、改めて考えてみると、僕って友達を作るのが本当に苦手だったんだな、って思う。
引っ越しで環境が変わったこと、加えて、新しい友達を作ることに必死になり過ぎて、誰かと深く関わることを恐れてしまっていたのかもしれない。

でも、彼女はそんな僕に、勇気を出してチョコレートをくれた。それがどれだけ嬉しかったか。

あの手紙は、今でも大切に保管してある。
何度も読み返したりはしないけど、時々、箱から出して眺めてみる。くしゃくしゃになって、色も少し褪せているけど、彼女の温かい気持ちが、そこには確かに残っている気がするんだ。

そのチョコレートが、本命かどうかは、彼女自身からはっきりと言われたわけじゃない。
でも、あの手紙と、手作りクッキーの温かさから、僕はそれを確信している。

彼女と付き合うとか、そういうことにはならなかったけど。
でも、あのバレンタインの出来事は、僕にとって、本当に大切な思い出だ。

今でも、バレンタインの時期になると、あの日の温かい気持ちと、少し恥ずかしい気持ち、そして彼女への感謝の気持ちで、胸がいっぱいになる。あの時、勇気を出してチョコをくれた彼女には、本当に感謝している。

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