オーバーツーリズムと迷惑外国人問題で見えてくること
こんにちは。エバンス愛です。アメリカ人の夫といっしょに社会人向けの英語コミュニティを運営したり、英語学習ブログやメルマガを書いたり、通訳翻訳、英語コンサルティングなどをしています。
以前の記事で、「アサシンクリードシャドウズ」というゲームの炎上問題についてお話ししました。↓
ゲーム関連で、もう一つ最近話題になっている話を。「ゴーストオブツシマ」というゲームをご存知ですか?13世紀の対馬(現在の長崎県)を舞台に、蒙古襲来から日本を守る兵士が描かれるゲームなんだそうで、外国人にすごく人気のゲームのようです。
対馬は、韓国に近いことから、韓国人観光客が特に多い島です。ゲームの舞台となった和多都美神社は、ゲームのファンによってクラウドファンディングが実施され、目標額を大きく超える資金が集まり、鳥居が修復されました。
ですが、同時に外国人観光客の迷惑行為も増え、2025年3月に神社がInstagramで「崇敬者以外の立ち入りを禁止する」という投稿をするに至り、「外国人差別だ」と物議を醸しました。
ここに書かれている暴言や暴力以外にどんな迷惑行為があったか、調べてみたところでは
・ドローンでの撮影
・ライブ配信
・境内での喫煙、吸い殻のポイ捨て
・本殿への土足・無断での立ち入り
など、何年も前からトラブルがあり、警察などにも相談したけれども解決しなかったため、このような対応に至ったようです。「崇敬者以外の」立ち入り禁止について、以下の補足もありました。↓
こういった問題で困っているのは、この神社だけではないでしょう。私も、神社に行くたびに外国人がライブ配信をしていたり、境内で大声でテレビ電話をしながら歩いていたり、そういう光景に出くわすことが多くなりました。神社の鳥居にぶら下がって懸垂する様子を動画撮影していた外国人観光客も、話題になりましたよね。
こういったことを止めるためにどうしたらいいんだろうか、私は、英語を教える者として何ができるんだろう、とずっと考えていました。
今までは、英語で海外に日本文化を発信することが解決策だと思っていました。実際、英語での情報発信を通じて日本のことをより知ってもらえたら、マナーを守ってくれる人も増えるかもしれません。Xなどで、「迷惑行為はやめて」と英語で外国人に呼びかけるのも、一つの方法でしょう。
でも、日本を訪れる外国人みんなが英語が堪能なわけではないので、英語で発信や注意をしても効果がない場合もあります。ただ頭ごなしに相手に注意をするだけでは、かえって相手を怒らせてしまったり、より対立が深まる危険もあります。
そして、ハッと気づきました。
そもそも、私たち日本人は「神社とは、こういう場所ですよ」と、ちゃんと外国人に態度で示せているか?いや、全然できてなくないか?と。
私たち日本人は、神社に行くことが少なくなっているのではないでしょうか。初詣の時にしか行かないとか、それすら行かないという人も、最近は増えているかもしれません。私が住む関西でも、有名な神社はどこもかしこも外国人観光客で大混雑で、ますます行く気にならない感じがします。でも、だからこそ行かないといけないんじゃないか、と。
私たちが神社に厳かな気持ちで参拝し、真剣に祈り、「神社ではこうやって振る舞うんです」と態度で示さないと、外国人の迷惑行為は増える一方ではないでしょうか。だって、周りに模範となる日本人がいないのだから。
実際、外国人観光客みんなが迷惑行為をするわけではありません。それは、ほんの一部。多くの外国人は、日本人がマナーを大切にすることを理解していて、失礼のないように行動するにはどうすればいいか勉強して来てくれています。
私たち日本人が、日常的に神社やお寺などにお参りし、その場を聖域として大切にする姿勢を見せれば、流れは少しずつでもきっと変わっていくと思います。
そして、外国人を案内する通訳ガイドさんには、ここは神様がいらっしゃる聖域なんだということをしっかり伝えてほしいなと思います。何より、ガイドさん自身が心からそういう気持ちで案内すれば、その態度で伝わるものもきっとあるはず。
また、お子さんがいらっしゃる方は、参拝の仕方や心構えなどを日本人としてきちんと教えることも必要ではないでしょうか。私自身は、子どものときに親から神社の参拝方法なんて全く教わったことはないですが、おそらく、親も知らなかったからだと思います。
神社参拝や日本文化について学ぶには、私がいつもお世話になっている神社チャンネルがお勧めです。神社参拝の仕方や心構えの動画も多くあります。
ただマナーの悪い外国人を英語で批判するだけでは、「和」は生まれません。そうではなく、私たち日本人が、みんなで日本人らしいあり方を体現して、周囲の人を感化していければと思います。これをお読みのあなたは、どう思いますか?
■あとがき
これを書く直前まで、夫と私が講師をつとめる英語教材SPEEDIER READINGのラジオで「日本の失われた30年」についてのエコノミストの記事を取り上げて収録していました。
その記事のなかで、日本の転機になったのが1995年だと書いてありました。この年に起こったのが、
・阪神淡路大震災
・地下鉄サリン事件
です。地下鉄サリン事件によって日本人は極度の「宗教アレルギー」になり、それが30年経った今も克服できていません。安倍元首相の襲撃事件もカルト宗教のせいということになっていて、問題の本質が見えなくなっていると思います。エコノミストの上記記事でも「日本人は、1995年のトラウマをいまだに引きずっている」と書いてありました。
仏教とか神道とかにこだわらず、外国の神様も受け入れて、いろんな宗教の行事や慣習を柔軟に取り入れることができるのが、日本人のいいところ。他の国は、「うちの神様以外は、絶対に認めない・・・!」となるから喧嘩するわけですが、日本はそうではありません。
英語を勉強したからといって外国かぶれになることなく、英語で国際感覚を磨きつつも、日本人がもともと持っている柔軟さや和を尊ぶ心を同時に大切にしていけたらいいなと思います。
SPEEDIER READINGでは毎週、エコノミストの記事を取り上げて解説しています。ライブもやっています。ご興味があれば、ぜひご検討ください。↓
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