The Cosmic Bums 第2話
~登場人物紹介~
モス:モシーズ星の統治者、神になりたいスーパーマン。力(物理)を極めることに注力し、奇跡を獲得した。能力主義者の頂点、成れの果て。君主制としてこの星を統治する。「優越欲求」。
カル:星の管理をする。自由を放棄し、機械的画一化へ向かう。知識の収集を行う。
エル:星の管理をする。自由を放棄し、機械的画一化へ向かう。知識の収集を行う。
フラーレン:宇宙船を作る集団1。フラー、キタロ、グリーンウッドの3人組。
フラー:力(物理)への憧れがあり、自由を求める。
キタロ:力(知)への憧れがあり、自由を求める。
グリーンウッド:真理の追求。「認識欲求」。
メリー・プランクスターズ:宇宙船を作る集団2。バッキー、ケン、ブランドの3人組。
バッキー:力(物理)への憧れがあり、自由を求める。
ケン:力(知)への憧れがあり、自由を求める。
ブランド:力(知)への憧れがあり、自由を求める。
精神異常者でこの星のどこにいるのか、よくわからない存在。
トム:真理の追求。「対等欲求」。
第2話 Planet with God
■シーン1 宇宙船フラーレン号にて
宇宙を漂う、不格好な宇宙船には個性的な見た目の3人組が乗っていた。
~♬~
3人組は珍妙な恰好をしており、宇宙船では爆音のBGMが流れていた。
ステレオは地球からの電波を拾っており、そこからはThree Dog NightのJoy to the worldが流れている。
フラー「お!なかなかいい曲を拾ったじゃないかぁ!」
キタロ「この曲、自然と体が動いちまうな」
フラー「結局、この電波の来ている星は一体どこにあるんだ?今向かっている星だったら最高だな。」
フラー「なぁグリーンウッド、いい曲だと思わねぇか?」
グリーンウッド「・・・。」
フラー「陰気なやつだなぁ、船造りは助かったけど、一緒に旅するには陰気すぎて向かねぇなぁ。」
キタロ「そんなこと言うなって。ここまでやってきた仲だろ?楽しんでいこうぜ」
グリーンウッド「・・・。」
3人はここまでくる道のりの話を始めた。
フラー「長かったなぁ、」
キタロ「長かったよ、」
フラー「最初の星は大気が汚れていて住めるようなところじゃなかったなぁ」
キタロ「食べ物も住む人も何もいなかった、荒廃した土地だ、あれは、」
キタロ「次の星が僕たちの住める環境だといいな」
フラー「必ず見つけるぞ!俺たちを守ってくれたモスやモシーズ星に住むやつらのためにも、新しい星を探すしかねぇんだ。」
グリーンウッド「・・・。」
■シーン2 ~モシーズ星の回想:フラー視点~ モノローグ
生まれた時からこの星に住んでいた。記憶ももうないほど昔からだ。
この星はモスの保護の上成り立っている。モスが現れる前に、どうやって暮らしていたかなんかもう覚えていない。
初めは胡散臭い野郎だなと思っていたが、俺は、確かにモスの奇跡を見た。
モスっていうのは、簡単に言えばこの星の王・神・統治者のような方だ。
モスはこの星に定期的に起こる災害から俺たちを守ってくれている。
どうやら俺は大きな災害の被害にあい、仮死状態が長く眠っていた。そのせいで記憶が曖昧なんだ。
俺たちはモスから仕事が割り当てられ、日々その仕事に従事し生活している。
俺は最近までウンパ・フルーツを育てる仕事をしていた。その前は、建築家。その前は技術家。その前は、農家。周期的に与えられる仕事が変わり、いろいろな仕事をやってきた。
ウンパ・フルーツっていうのは、みずみずしくてシャクッとした触感の食べ物だ。うまいんだよこれが、俺の大好物さ。
ここ数年は、最高のウンパ・フルーツを作るため、日々研究をしていた。
自分の好きなものを作って食べるってのはいいねぇ。モスにも褒められて最高の仕事さ。
ウンパ・フルーツ農家は俺以外にバッキーっていうやつもやっている。
バッキーとはよくウンパ・フルーツの育て方で対立する。あいつは成長を無理やり早くさせ、たくさんの量を育てることを目指す。俺とは考え方が違うんだ。
仕事を終えたらやること音楽を聴くことだ。音楽はなぜだかよくわからないが俺の心を満たしてくれる。
これは誰も知らないことだが、宇宙からの電波をこっそり拾ってきて、知らない星の音楽を聴くのが俺のささやかな楽しみだ。何て言っているかはわからねぇがな。
そんな暮らしを続けてきた。
ある程度の富、ある程度の名声、ある程度の力、ある程度の娯楽が満たされた、何不自由ない平凡な暮らしだ。
そんなある日、モスからの衝撃的な事実が伝えられた。
この星はどうやら、後50年で住むことができなくなるらしい。奇跡を持つモスでさえ、星の寿命を延ばすことは難しいということだろう。
限られた者にしか伝えられていないらしいが、モスがそう言ってるんだからそうなんだろう。
そこで俺は、宇宙船造船の一員に抜擢されたんだ。
なぜ、だろうか?
俺はこの星が住めなくなっていくっていうのに、ひどく高揚した。
俺らの神に不可能なことが見つかった、絶対的なものではないことが明らかになったにも関わらず、絶望することはなかった。
宇宙探検に対する、フラーの考え方は、コロンブスが出航する以前のヨーロッパ人の大西洋探索の考え方とは違い、どこか希望に満ち、野心にあふれていた。
宇宙船を作り、それに乗って新しく住める星を探す。
なんてロマンがあり、重要な役割をいただいたんだろう。感謝しかない。
宇宙船は、俺と友人のキタロ、素性がわからないグリーンウッドと作ることになった。
キタロは、仲のいい友人。普段は建築家でこの都市の建物を設計、建築している。
グリーンウッドについては、よく知らない。仕事はかなりできるんだが、無口で陰気なやつ。周りから、グリーンウッドって呼ばれている。
そんなわけで、この星の未来のために俺はキタロとグリーンウッドと3人でモシーズ星の未来をかけた宇宙船を作っている。
■シーン3 フラーレン宇宙船造船基地にて
フラーレン(フラーとキタロとグリーンウッドの3人組)の工場に、1人の者がやってきた。
バッキー「おいおい、フラー!久しぶりだなぁ!お前もウンパ・フルーツ農家はやめたのか?」
フラーは声を聴き微妙な顔をする。
フラー「モスに名誉な仕事を与えられて、農家はしばし休業中だ。”お前も”ってなんだよ。まさか!?」
バッキー「その、まさかよぉ!俺もお前と同じタイミングでモスから指令が来たのさ。」
フラー「モスは何考えてんだ。いくら星の危機だからって、こんな適当なやつまで選出して。」
バッキー「おいおい、つれねぇなぁ、同じウンパ・フルーツ農家同士仲良くしようぜ。」
バッキー「俺らは、お前らに負けねぇような船を作るぜぇ、まぁ楽しみにしとけ。」
フラー「勝ち負けじゃねぇだろうに。目的をずらすんじゃねぇ。」
バッキー「こういうのは、一人がシコシコ作っても自己満にしかならねぇだろ?張り合うやつがいるからこそ、楽しみといいものができるんだよ。」
フラー「・・・」
バッキー「まぁ、邪魔したな!また、半年後審査会で会おうぜ。」
バッキーは去っていった。
キタロ「お前ら、仲いいのか?」
フラー「仲良くねぇって!」
フラー「そういえば、あれ?審査会ってなんの話だ??」
キタロ「おいおい、忘れちまったのか?モスから初めに言われてただろ?宇宙船のロケットエンジンの審査会だよ!」
フラー「しまった、、、宇宙船の外装デザインばっかり凝ってた、」
キタロ「頼むぜぇ、フラー、、、」
グリーンウッド「・・・」
フラー「まぁ、なんにせよ、バッキーには負けたくねぇ、いいもの作ってやろうぜ」
キタロ「おうよ」
グリーンウッド「・・・」
~3か月後~
フラーレンは1筒の大出力のロケットエンジンの開発に成功する。
フラー「よし!これでいけるぞ!」
キタロ「最終調整だ。」
