第130話 【赤っ恥×婚活迷走】会話がうまくいきすぎて“営業”と勘違いされた話
【もとしの爆笑日記 第130話】
導入|「うまくいってる時ほど、人はやらかす」
人と話していて、
「あ、今めっちゃ会話うまく回ってる」
って瞬間、ありませんか。
そのときに限って、
人生最大級の赤っ恥が待っていることを、
27歳の僕はまだ知らなかった。
これは、
婚活で“いい感じ”になったはずの会話が、
なぜか営業トーク認定され、
場の空気が音を立てて崩壊していった日の話です。
主人公は僕、もとし(27歳・独身)。
読書と朝散歩とプラモデルが好きな、
ごく普通の実家暮らし男子。
この日も、
「今日はちゃんと話せそうな気がする」
――そう思っていました。
今思えば、その時点でフラグは立ってました。
第1章|婚活パーティー、開始10分で感じた“異変”
場所は都内某所。
参加費7,000円。
開始は13時。
円卓が6つ並び、男女が時間ごとに入れ替わる、
よくある婚活パーティー。
正直、僕は婚活が得意なタイプではありません。
緊張すると声はワントーン上がるし、
沈黙が来ると脳内が真っ白になる。
だからこの日は、
家を出る前に母から言われた一言を、
なぜか大事に抱えていました。
「あんた、変にウケ狙わなくていいからね」
……はい、そのつもりでした。
最初の席替え。
向かいに座ったのは、
落ち着いた雰囲気の女性(仮にAさん)。
自己紹介が始まる。
「えっと、もとしです。27歳で、実家暮らしです」
噛まなかった。
声も裏返らなかった。
Aさんも微笑んでくれた。
あれ?今日いけるかも。
第2章|会話が“妙に”噛み合い始める
Aさんは事務職。
僕は「今はちょっとフリーです」と濁す。
(※ここは深掘りされなかった)
趣味の話になる。
「読書が好きで、朝は散歩してます」
「朝散歩いいですよね。私も休日は歩きます」
テンポがいい。
相づちも自然。
沈黙が一切ない。
僕の頭の中では、
「今日の俺、会話うますぎない?」
という、非常に危険な自己評価が始まっていました。
調子に乗った僕は、
相手の話を広げようと、
“ある癖”を無意識に出してしまいます。
それは――
相手の言葉を要約して、ちょっと前向きにまとめる癖。
「つまり、Aさんって、
忙しくても自分の時間を大事にできるタイプなんですね」
Aさんが少し驚いた顔で、
「…そう、かもしれません」と頷く。
(よし、刺さった)
第3章|褒めているはずなのに、なぜか視線が泳ぐ
会話はどんどん続く。
僕は相手の話を遮らず、
うなずき、
適度に共感し、
たまに質問を挟む。
「それ、大変でしたね」
「でも、そこを乗り越えてきたのはすごいです」
……今書いてて思います。
この辺、すでに怪しい。
Aさんは笑顔だけど、
時々、
一瞬だけ表情が固まる。
でもその時の僕は、
その違和感を“緊張してるだけかな”
くらいにしか捉えていませんでした。
むしろ内心はこうです。
(やばい、今日の俺、
“聞き上手な大人の男”すぎる)
第4章|“安心”が一番危ない
時間は残り3分。
スタッフが「そろそろまとめてください」と合図。
ここで僕は、
決定的に余計な一言を足します。
「今日お話ししてて思ったんですけど、
Aさんって、
自分でも気づいてない強みがたくさんありますよね」
言った瞬間、
Aさんが一瞬、言葉を失った。
……あれ?
でもすぐに、
作り笑顔で「ありがとうございます」と返ってきた。
(よし、好印象で終われた)
この時の僕は、
完全に“成功ルート”に乗ったつもりでした。
席替えのベルが鳴る。
Aさんは立ち上がりながら、
なぜか少し距離を取る。
その背中を見て、
胸の奥に、
うっすら嫌な予感が広がる。
第5章|次の席で、空気が変わり始める
次に座ったBさん。
最初の一言が、なぜか刺さりました。
「……さっき、Aさんとお話しされてましたよね?」
「はい、楽しくお話ししました」
Bさんは、
一拍置いてから、こう言います。
「もとしさん、
お仕事って……
何か売ってる方ですか?」
――え?
頭の中で、
「?」が10個くらい浮かぶ。
「い、いえ?
売っては、ないですけど……」
Bさんは首をかしげながら、
申し訳なさそうに続けました。
「なんか……
話し方が“営業さんっぽい”って聞いて。」
その瞬間、
背中に冷たい汗が流れました。
第6章|点と点が、嫌な線でつながり始める
営業?
売ってる?
話し方?
脳内で、
さっきの自分の発言が
スローモーションで再生されます。
「つまり〜なんですね」
「強みがありますよね」
「乗り越えてきたのがすごい」
……あ。
褒めてたつもりの言葉が、
全部“商談トーク”に聞こえてた説。
Bさんの視線は、
明らかに警戒モード。
周囲のテーブルからも、
なぜかチラチラと視線を感じる。
ここで僕は、
人生で最も情けない疑問を抱きました。
(え、俺……
婚活で何か売ろうとしてた人みたいになってる?)
第7章|まだ何も起きてない。でも、終わりの音が聞こえる
この時点では、
まだ決定的な一言は出ていません。
誰も怒鳴ってない。
誰も笑ってない。
でも――
空気だけが、
確実におかしくなっていました。
Bさんはそれ以上深掘りせず、
当たり障りのない会話に切り替える。
でも、
もう最初のテンポは戻らない。
僕の中で、
ある考えが何度もリフレインしていました。
「これ、このままじゃ終わらないよな……?」
※ここから先は有料部分です
このあと、
・なぜ“営業疑惑”が会場全体に広がったのか
・誰の、どんな一言が引き金になったのか
・もとしが放った致命的すぎる発言
・そして、会場が声を出して笑うしかない地獄空間になった瞬間
すべてが一気につながります。
ここから先は
よろしければ応援お願いします!いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!
