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「会社は好き、でも辞める。」の意外な理由


「会社は好きですよ。でも、将来的には辞めます。」

地方企業の新入社員へキャリア面談をしていると、こんな言葉を聞くことが「よく」あります。
(ここでは地方企業:300名未満、新入社員:入社3年未満を指しています。)
この一見矛盾した言葉。
まさにこれが、「今の現実」を物語っていると考えています。


実は、こうした価値観はすでにいくつかのデータにも表れています。

全国調査では、20代正社員の約7割が「転職前提で就職活動をした」と回答しており(※1)、厚生労働省の調査でも若手の約3割が「自分に合った環境を求めて転職を希望している」のが現状です(※2)。
さらにここ長崎をはじめとする地方都市においては、大卒者の3年以内離職率が全国平均を上回る水準で推移しています(※3)。


※1 株式会社YOUTRUST「キャリア意識調査」(2025年)
※2 厚生労働省「令和5年 若年者雇用実態調査」
※3 厚生労働省 長崎労働局「新規学卒就職者の離職状況」


つまり、
「入社した会社でずっと働く」ことだけを前提にしていない。
これが今の若手社員のキャリア観の一つになっています。

「自分の人生」を見据えている


地方企業経営者や管理職の方の今の年代が50~60代だと仮定したとして、
その方々の就職時期は、日本型雇用の価値観がまだ当たり前に存在し、
「会社に一度勤めたら、そこで長く働く」
といった考え方がキャリアの大きな軸だったと思います。
更には、「転職なんて逃げだ、嫌なことがあっても我慢して当たり前。」といった価値観もよく見聞きします。

でも今は、
「自分はどんな人生を送りたいのか」
から仕事を考える人が増えています。

  • 転職する

  • 学び直す

  • 副業する

  • 起業する

  • 休職する

さまざまな選択肢を知っているからこそ、

「この会社に入ったら、自分はどんな未来になるんだろう?」
と当たり前に考える。
だから、

「今の会社に不満がない」ことと、
「この会社でずっと働きたい」ことは、イコール=にはならない実態があります。


それでも、なぜ「会社は好き」なのに辞めるのか?

地方企業の経営者や人事の方に、従業員が辞めている理由を伺うと、

「会社が嫌いだからじゃないの?」
「仕事がつまらなかったんだと思うよ」
「うち、給料が安いからね」

そんな声を聞くことがあります。
もちろん、そういった内容も確かに聞きます。

でも、キャリア面談で実際に話を聞いてみると、少し違う景色が見えてきます。

社長には感謝している。
先輩もいい人たちで好き。
同僚との関係も悪くない。
会社に大きな不満もない。

それでも、
「将来的には辞めると思います」
という。

これは、なぜだと思いますか・・・?


「今」が嫌なのではなく、「この先」が見えない


若手社員が見ているのは、意外と身近なものです。

職場の先輩
先輩の働き方
先輩の給与や生活水準
先輩が仕事を楽しんでいるか
イキイキと働いているか
幸せそうか

そして、

「自分も何年後かには、こうなるのだろう」

と、自分の未来を重ねています。

そこで、
「この会社は好きだけど…」

でも、

「この会社に居続けた未来の自分には、憧れない」

ということが起こります。

会社への不満ではなく、

「自分の未来への不安」

それが根底にあるからこそ、若者たちは静かに自分の「辞めどき」を見定めている…。
日々のキャリア面談の現場で、私たちはそんな実態を強く感じています。


経営者が見ている未来と、社員が見ている未来のズレ


経営層には、

「これから新しい事業をしよう」
「会社をこう変えていこう」
「賃金をあげていこう」
「制度をつくっていこう」

という未来が見えているかもしれません。
でも、社員から見えているのは「今の会社」です。

今の仕事
今の先輩
今の働き方

だから、
「このままここにいて、自分はどうなるんだろう」
と考えます。

情報が少なければ、自分に見えているもの、ニュースやSNSなどの偏った情報のみから未来を想像します。
内容によっては、ネガティブな思い込みや会社への不信感に繋がることがあります。
だからこそ、

「社員からは、この会社がどう見えているのか?」
と社員の視座になって考えてみると、どうでしょうか。


若手社員の離職を防ぐために、企業が取り組むべき3つのこと

「価値観が変わったのは分かった。では、会社は何をすればいいの?」

私たちがおすすめしているのは、難しい制度や最新のシステムを導入することではありません。
まずは、すぐに取り組めるこの3つです。

① 会社の「これから」を伝える

経営者には見えているけれど、社員には見えていない未来があります。
だからこそ、
「これから会社をどうしていきたいのか」
「どんな仕事を増やしていきたいのか」
「社員にどんな役割を担ってほしいのか」
を、伝えられる範囲で言葉にする。

立派な経営計画を見せる必要はありませんが、
社長自身の言葉で、
「私は、この会社をこんな会社にしたい」
と話すだけでもいい。

社員にとって、それが「会社の未来」を知る大切な情報になります。

② 従業員自身の「未来」を考える時間をつくる

会社の未来だけを伝えても、
「じゃあ、自分は?」
が分からなければ、キャリアにはつながりません。
「3年後、どんな仕事ができるようになっていたい?」
「どんな働き方をしたい?」
「今の仕事で身につけたい力は?」
そんな問いを、定期的に考える時間をつくる。
研修やワークショップでもいい。
キャリア面談でもいい。
上司との面談でもいい。
大切なのは、

「辞めないための面談」や「評価面談」ではなく、
「自分の未来を考えるための面談」にすること。

③ 「会社の未来」と「従業員の未来」をつなぐ

ここが、一番大切だと思っています。
会社が、
「これから○○事業に力を入れたい」
従業員が、
「将来は人をまとめる仕事がしたい」
と思っていたら、
「じゃあ、そのために今の仕事で何を経験しておこうか?」
とつなげる。

会社が求めることと、従業員が望むこと。
その接点を一緒に探していく。
これができると、

「会社に働かされている」から、
「自分のキャリアを、この会社でつくっている」

へと、仕事の見え方が変わっていきます。
(これに関しては事例含めて改めて記事を書きます。)


「辞めないようにする」より、「ここにいる意味」をつくる

もちろん、それでも従業員が転職を選ぶこともあります。
それを完全になくすことはできません。

でも、
「辞めないようにする」
ことを目標にするより、

「この会社で働くことが、自分の未来につながっている」

と思える社員を増やす。

「人を残す」のではなく、
「人がここで成長できる会社をつくる」

実際にこのような取り組みをしている企業は、確かな定着や働きがいを生み出しています。


「辞めない会社」ではなく、「ここで働く未来が見える会社」へ


エールキャリアコンサルティングでは、長崎を拠点に、研修・キャリア面談・人事DXを通じて、企業の「定着」と「成長」を支援しています。
私たちが目指しているのは、単に「辞めない会社」をつくることではありません。

企業と社員が、それぞれの未来を見つめながら、一緒に成長できる組織。

そのために、これからも長崎の地場企業で働く方々の声を聞きながら、「定着」と「成長」について発信していきます。

エールキャリアコンサルティング

運営会社:グローカルホールディングス株式会社
事業内容:企業研修/キャリアコンサルティング/人事DX導入支援他
拠点:長崎県長崎市
会社設立:2016年
事業公式Webサイト:https://air-career.com/


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