葬送のフリーレンに学ぶ人生論 アニメ4話(後編)
漫画・アニメ「葬送のフリーレン」は、「もっと早く出会っていたら人生が変わった」と思える、示唆に満ちた作品だ。
笑いあり、涙あり、そして人生について考えさせられる。
その「フリーレン」にツッコミつつ、人生論から感想を綴る本連載。完全ネタバレ有りなので、アニメ視聴後に読むのがおすすめ。
引用の太字は人生論や重要なセリフ等、通常はツッコミ他。コメント歓迎。
以下のマガジンにアニメ1期全28話と、2期も随時掲載中。
今回は4話「魂の眠る地」の後編。
頑張った人の行き着く先
魔王討伐の当時、アイゼンの家族の墓の前で祈るハイター。天国を信じないアイゼンは「人は死んだら無に帰る」と話し、フリーレンも「死後の魂の観測はできないから、実在を証明できない」と懐疑的だ。科学者っぽい発言が、いかにも当時のフリーレン。
ハイターも僧侶だが、実は大事なのは実在するかではなく、「天国はあるべきだ」と話す。
アイゼン なぜだ?
ハイター その方が都合が良いからです。必死に生きてきた人の行き着く先が、無であっていいはずがありません。だったら天国で、贅沢三昧していると思った方がいいじゃないですか。
ヒンメル 確かに都合がいい。祈るか。
アイゼン ああ。
現世でどれだけ偉業を達成しても、結局無に帰るなら、何のために生きるのか。それなら天国や女神様を信じ、必死に生きた方が良い。これは後に出てくる、エルフのモンク・クラフトにも共通する考えだ。
そして現在、墓に祈りをささげるアイゼン。顔と手のしわが増えている。
フリーレン アイゼン、遊びに来たよ。
アイゼン 30年ぶりとは思えん態度だな。
フリーレン たった30年でしょ。
アイゼン フッ。そうだな。まさかおまえが弟子を取るとはな。
フリーレンはアイゼンに、「何か手伝って欲しいことはないか」と問いかける。実はアイゼンとハイターは文通しており、ハイターが魔導書の解読を頼んだことは知っていた。
フリーレン 顔に似合わず律儀だね。
アイゼン おまえが素っ気なさ過ぎるんだ。
300年は生きるドワーフのアイゼンだが、人付き合いの感覚はエルフと違い人間に近い。
文通が似合わないのはその通りだけど 笑
フランメの手記
3人は、フリーレンが昔来たフォル盆地にやってくる。
アイゼン 昔って言ったぞ。どれだけ前なんだ。
フェルン 原始時代でしょうか。
フリーレン さすがにそこまで長生きじゃないよ。
フェルンもこっそり言っていたが、耳が大きいから聞こえるのか?フリーレンの長生きとは一体…。
ハイターは聖都の資料を調べ、フランメの手記がここにあると割り出していた。まずは大きな木を探すことに。
アイゼン 途方もないな。たくさんあるぞ。ま、時間なんていくらでもあるのか。
後ろで「むっすー」とするフェルン。
フリーレンは小さい声で「フェルンがいやがるから早めに終わらせようか」と耳打ちする。ハッとして後ろを向くアイゼン。後ろを向いて「むっすー」の顔を直すフェルンかわいい。
アイゼン 変わったな。おまえは人の時間を気にするようなやつじゃなかった。
フリーレン だってフェルン、怒ると怖いんだよ。
アイゼン そうか、気をつけよう。
フリーレンはフランメの死後1000年以上を一人で過ごし、徹底的にマイペースだった。しかしヒンメルが死に、フェルンと行動を共にして、限りある人間の時間を意識するようになったのだろう。3人での探索が始まった。
フランメの手記を探す理由について、アイゼンは「フリーレンとヒンメルがかわいそうだと思った。後悔しているだろうから、手助けしたい」と語る。
ヒンメルは自分の死がフリーレンにもたらした変化を知らない。
アイゼン 30年前のあの日、おまえはヒンメルを知っておけばと口にした。あの言葉はヒンメルに直接伝えてやるべきものだ。
1000年前の予言
フェルンが遺跡を飲み込んだ巨大な木を発見した。師匠フランメとの1000年前のやりとりを思い出すフリーレン。
フランメ おまえはいつか大きな過ちをおかし、人を知りたいと考えるようになる。
フリーレン 知ってほしいの先生。構ってちゃん?
フランメ ちげえよ。そんときはここに帰ってこいっていってんだ。手助けしてやる。この大魔法使いフランメ様が。
フリーレンが封印を解いて中に入ると、手記は死者との対話のページが開かれていた。フランメは1000年前から見抜いており、フリーレンも思わず「相変わらず嫌みなやつだ」とこぼす。
「魂の眠る地・オレオールで、かつての戦友達と対話した」という手記に、半信半疑のフリーレン。しかしアイゼンの「天国はある。その方が都合がいいだろう」という言葉に、フリーレンはオレオールを目指す事を決める。
目的地はエンデ
オレオールは大陸最北端のエンデで、魔王城がある場所だ。寒いから嫌だと言っていたフリーレンは、馬車で眠ってしまう。アイゼンはフェルンに対し、エンデについて
アイゼン あの場所では色々あった。
とだけ話し、目を閉じて何も話さない。何か重大な秘密があるのだろうか。
そいつはいい師匠だ
アイゼンに、「そいつはいい師匠か」と尋ねられたフェルンは、「振り回されてばかりでよく分からない」と答える。旅を始めてから誕生日プレゼントをくれるようになり、「とても不思議だ」と、図りかねているようだ。アイゼンには、冒険後のやり取りが思い浮かんだ。
ヒンメル フリーレン、君は王都には残らないのか。
フリーレン 旅を続けるよ。
ヒンメル 一人でか。
フリーレン 気楽でいいでしょ。
アイゼン 弟子を取ったりはしないのか。旅は話し相手がいた方がいい。
フリーレン 時間の無駄だからね。色々教えてもすぐ死んじゃうでしょ。
アイゼン フリーレン。人との関係はそういうものじゃない。
フリーレン そういうものだよ。みんなとの冒険だって、私の人生の百分の一にも満たない。
当時は、全く人間に興味がなかったのだろう。10年も苦楽を共にした仲間にも、フリーレンは「一人旅は気楽でいい」とのたまい、どこか冷めていた。だからこそ10年を短いと言い、ヒンメルが死ぬまで、かけがえのない思い出に気付かなかったのではないか。
「弟子を取るのは時間の無駄」とまで言ったフリーレンが、フェルンを弟子にして一緒に旅し、見たことない顔で頭を悩ませ、誕生日プレゼントを贈っている。
アイゼン フェルン、そいつはいい師匠だ。
フェルン そうですね。
アイゼンは、フリーレンの確かな変化を実感していた。
たった10年の冒険
アイゼン すまんな。長い旅路になる。俺たちは10年かかった。
フェルン そうか。ヒンメル様達が魔王城を目指した道のりと同じなんですね。
フリーレン そうだね。たった10年の冒険だよ。
「たった10年」の言葉と裏腹に、ヒンメル達との冒険を思い出して静かに微笑むフリーレン。前のような冷めた思いは感じられない。
今回のまとめ
必死に生きた人の行き着く先が、無であってはならない。天国があると信じて、今の生を頑張ればいい。
次回はこちら↓
